リー・ホールドリッジ ドキュメンタリー作品集 Volume 1 LEE HOLDRIDGE DOCUMENTARIES - VOLUME 1
作曲・指揮:リー・ホールドリッジ
Composed and Conducted by LEE HOLDRIDGE
(米Dragon's Domain Records /
DDR788)
「(TV)エデンの東」(1981)「ミラクルマスター/七つの大冒険」(1982)「スプラッシュ」(1984)「私が愛したグリンゴ」(1989)「(未公開)ロング
ウェイ ホーム 遥かなる故郷 イスラエル建国の道」(1997)「(TV)アヴァロンの霧」(2001)等のリー・ホールドリッジ(1944〜)が、自然ドキュメンタリー・シリーズ「(TV)ナショナル
ジオグラフィック スペシャルス(National Geographic Specials)」の3つのエピソード「THE
SHARKS」「THE GREAT WHALES」「GOLD!」に作曲したスコアを初収録したCDで、500枚限定プレス。
「(未公開/TV)THE SHARKS」は、鮫の生態を追った1982年製作のアメリカのドキュメンタリー作品(アメリカで1982年1月13日にテレビ放映)。監督は「アニマル・ラブ」(1974)等のニコラス・ノクソン(1936〜2016)と、アラム・ボイヤジアン(1922〜)。製作・脚本はニコラス・ノクソン。撮影はノリス・ブロック、ドン・バージェス、クリス・フライマン、マイク・フーヴァー、グレッグ・ハンター、ランディ・ラヴとバートラム・ヴァン・マンスター。ナレーションはアレクサンダー・スコービー。
リー・ホールドリッジのスコアは、「The
History of Sharks」がダークで重厚な主題からサスペンスフルでダイナミックなタッチへ展開する曲。「Studying
Sharks」は、不吉なタッチからダイナミックなサスペンス音楽へ。「Mega Mouth / Man and Shark」は、フルートをフィーチャーした抑制されたサスペンス調からダイナミックなサスペンスアクション音楽、躍動的な主題へ。「The
Great White / Electric Fields」は、ダイナミックなサスペンスアクション音楽。「Hammerheads
/ Squids / Protective Suits」は、抑制されたサスペンス調からダイナミックなサスペンスアクション音楽へ。「Gliding
Underwater / Birth of a Shark / Finale」は、重厚でドラマティックなタッチのフィナーレ。
「(未公開/TV)THE GREAT WHALES」は、世界各国の鯨を描いた1978年製作のアメリカのドキュメンタリー作品。監督はニコラス・ノクソン。撮影はジョージ・D・ダッジ。ナレーションはアレクサンダー・スコービー。
リー・ホールドリッジのスコアは、「Opening」が大らかで重厚なオープニング。「Whales
in Captivity」は、明るく壮大で躍動的な曲。「Whales at Play」は、明るく快活なタッチ。「Whales
on the High Seas」「Russians and Greenpeace」も、大らかなタッチの曲。「Pods」は、ピアノをフィーチャーしたジェントルでリリカルな曲。「The
Baby Whale」は、ややメランコリックでリリカルなタッチの曲。「Gigi」は、ピアノをフィーチャーしたジェントルでリリカルなタッチから後半大らかに盛り上がる。「Finale」は、明るく壮大なフィナーレ。ホールドリッジの個性が強く出た陽性でダイナミックなオーケストラルスコアだが、このセクションだけ音質があまり良くないのが残念。
「(未公開/TV)GOLD!」は、金の採掘の過程や、この貴金属が人々の生活に与える影響を描いた1979年製作のアメリカのドキュメンタリー作品(アメリカで1979年1月7日にテレビ放映)。監督・脚本は「アニマル・ラブ」(1974)等のアーウィン・ロステン(1924〜2010)。撮影はアンドレ・ガン。ナレーションはE・G・マーシャル。
リー・ホールドリッジのスコアは、「Good
as Gold」が気だるいサックスによるイントロから女声ヴォーカルによる主題歌へと展開するが、ホールドリッジは監督から「ジェームズ・ボンド映画の主題歌のような曲を書いてほしい」と依頼されて作曲したという。「Noble
Gold / History of Gold」「Mining / Dubai / Italy」は、躍動的でドラマティックな曲。「Germany
in the 1920s /“God Gave Us Gold”」は、軽快でノスタルジックなタッチからドラマティックな主題へ。「Legend
of El Dorado / Burial Chamber」は、ピアノとフルートをフィーチャーした静かにドラマティックな曲。「Almighty
Gold / Closing Credits」は、メランコリックでドラマティックなタッチから躍動的な主題へと展開するクロージング。
最後に「(未公開/TV)THE GREAT WHALES」から4分程度の「Introduction
and Theme (From “The Great Whales”)」が収録されているが、これは1985年にVarese
Sarabandeレーベルがリリースしたリー・ホールドリッジ作曲作品の新録音によるコンピレーションCD(Varese Sarabande VCD
47244)に収録されていたもので、チャールズ・ゲルハルト指揮ロンドン交響楽団による演奏。これはホールドリッジの代表作をパワフルで精緻な演奏と迫力ある音質で堪能できる名アルバムとなっている。
(2023年10月)
Lee Holdridge
Soundtrack Reviewに戻る
Copyright (C) 2023 Hitoshi Sakagami. All Rights Reserved.