ジョン・オットマン映画音楽集 Vol.1 THE JOHN OTTMAN COLLECTION Volume 1

作曲:ジョン・オットマン
Composed by JOHN OTTMAN

(米Dragon's Domain Records / DDR787)

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<収録曲>

1. 迷宮のレンブラント INCOGNITO
2. (未公開)LONELY PLACE
3. (未公開)BROTHER'S KEEPER


「ユージュアル・サスペクツ」(1995)「ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]」(2005)「スーパーマン リターンズ」(2006)「ワルキューレ」(2008)「エスター」(2009)「フライト・ゲーム」(2014)「X-MEN:アポカリプス」(2016)等の作曲家ジョン・オットマン(1964〜)がキャリア初期に手がけた3作品のスコアを集めたコンピレーションCD。CD2枚組となっており、1枚目に「迷宮のレンブラント」、2枚目に「(未公開)LONELY PLACE」「(未公開)BROTHER'S KEEPER」のスコアを収録。500枚限定プレス。

1. 迷宮のレンブラント INCOGNITO

1997年製作のアメリカ映画(日本公開は1999年10月)。監督は「サタデー・ナイト・フィーバー」(1977)「ドラキュラ」(1979)「ウォー・ゲーム」(1983)「ブルーサンダー」(1983)「ショート・サーキット」(1986)「張り込み」(1987)「バード・オン・ワイヤー」(1990)「ドロップ・ゾーン」(1994)「ニック・オブ・タイム」(1995)等のジョン・バダム(1939〜)。出演はジェイソン・パトリック、イレーヌ・ジャコブ、トーマス・ロックヤー、イアン・リチャードソン、サイモン・チャンドラー、リップ・トレンス、マイケル・コクレイン、ロッド・スタイガー、トーゴ・イガワ(伊川東吾)、ジョセフ・ブラッチェリー、ポール・ブレナン、オリヴィエ・ピエール、ピーター・ゲイル、ダドリー・サットン、イアン・ホルム他。脚本はジョーダン・カッツ。撮影はデニス・クロッサン。まっとうな画家としてのキャリアを目指しながらも、贋作画家として生計を立てているハリー・ドノヴァン(パトリック)が、とある絵画ディーラーたちからレンブラントの贋作を描くことを50万ドルで引き受ける。この仕事を最後に贋作画家から足を洗う決心をした彼は、アムステルダムに飛んでレンブラントの研究を始め、その過程で訪問したパリでこの巨匠の絵の修復作業に参加しているマリーケ(ジャコブ)と巡り会う。ハリーの描いた贋のレンブラントは、美術専門家たちからも本物であるとのお墨付きを得るが、唯一これを否定したのはマリーケで、彼女は実は美術界で最も権威のあるレンブラントの専門家だった。マリーケに否定されて焦ったディーラーたちは、ハリーとの約束を破って贋作をオークションにかけようとするが、これに反発したハリーはディーラーたちの陰謀で絵の盗難と殺人の罪をきせられ、警察に追われる身となる……。

ジョン・オットマンのスコアは、1998年に米RCAレーベルから全23曲/約50分収録のサントラCD(RCA Victor 09026-68971-2)が出ていたが、Dragon's Domainレーベルが2024年1月にリリースしたこのコンピレーションCDの1枚目には全18曲/約57分半が収録されており、RCA盤で生じていたデジタル上の不具合が改善されている。「Opening Titles / Harry's Arrest」は、ピアノとストリングスによるミステリアスでメランコリックかつドラマティックなメインの主題から後半ダイナミックなサスペンス音楽へ。「Paint Me a Rembrandt / Harry Accepts」は、不吉なサスペンス調からメランコリックでドラマティックなタッチへ。「Sketching / A Perfect Face」「Painting / The Spanish Peasant」「Police Search the Train」「Police Pursuit」「Trial Begins / Marieke Reads the Note」は、ダイナミックで重厚なサスペンス音楽。「Kissing Marieke / The Note」「Peasant's Return / Final Kiss」は、メランコリックかつドラマティックなタッチの曲。「Work Begins / First Call」は、ダイナミックで躍動的な曲。「Passing the First Test / Second Call」「Harry Attacked」「Harry on the Stand」「Harry Cleared of the Charges」は、不吉なタッチのサスペンス音楽。「Agachi Is Shot / Harry Escapes」は、メランコリックでドラマティックなタッチからダイナミックなサスペンス音楽へ。「Is Everything Fake? / Talking About a Gift」「Re-Creation」は、メインの主題を織り込んだメランコリックでドラマティックな曲。「End Credits」は、メインの主題のリプライズによるエンドクレジット。オーケストラによるオーソドックスなサスペンス音楽。

2. (未公開)LONELY PLACE

2004年製作のアメリカ映画。監督はケヴィン・アッカーマン。出演はテス・ハーパー、カートウッド・スミス、トーマス・アラナ、ピーター・マクヒュー。C・B・ギルフォードの短編小説を基にケヴィン・アッカーマンが脚本を執筆。撮影はスティーヴ・ゲイナー。1949年のカリフォルニア州フレスノの桃農園を舞台にした約30分のショートフィルム。田舎での生活に欲求不満を募らせる農家の妻ステラ(ハーパー)と、年老いて疲れた彼女の夫(スミス)、彼が桃の収穫作業の助け雇った通りがかりの謎めいた流れ者(アラナ)の3人が織りなすサスペンス・ドラマ。

初リリースとなるジョン・オットマンのスコアは、「Main Theme」が大らかでドラマティックなメイン・テーマ。「The Visitor / Work Day」は、静かにドラマティックなタッチ。「Dessert / Arguments」は、不吉なサスペンス音楽。「Breakfast Visitor / Storm Coming」は、抑制されたサスペンス音楽。「Get」も、抑制されたタッチから後半ドラマティックに展開。「The Truth / Reprise」は、静かにドラマティックなタッチから大らかなメインの主題へ。

3. (未公開)BROTHER'S KEEPER

2002製作のアメリカ=カナダ合作のテレビ映画。監督はジョン・バダム。出演はジーン・トリプルホーン、コリン・ネメック、リーランド・オーサー、エヴァン・パーケ、ブライアン・ジェンセン、ベン・カーディナル、ブリット・マッキリップ、キャメロン・ブライト、アンドリュー・ジャクソン、ウィリアム・S・テイラー、パトリシア・ドレイク、ノエル・キャラハン、ピーター・ラクロワ、キャスリン・カークパトリック、ロイド・ベリー他。脚本はスティーヴン・ベイジェルマンとグレン・ジャーズ。撮影はロン・スタネット。元刑事のルシンダ・ポンド(トリプルホーン)は、精神疾患を患う弟エリス(ネメック)に嫌疑がかけられた殺人事件の調査を進めるうちに、エリスの犯行への関与が徐々に明らかになっていき、どこまで彼を守るべきかの判断を迫られる……。

これも初リリースとなるジョン・オットマンのスコアは、「Forest Chase / Two Kinds of Life」「Stake-Out!」は、不吉なサスペンス音楽からパーカッシヴな主題へ。「Seeking Out Visitations / Marris Creek」「Pictures / Newscast」「Reunited」は、ピアノをフィーチャーしたメランコリックなタッチの曲。「Phone Call / The Game」は、静かにドラマティックなタッチの主題の背景に軽快なピアノが挿入される曲。「Sibling Bonds」は、コーラスを加えた静かにドラマティックなタッチの曲。「Finale」は、リズミックなサスペンス調のフィナーレ。

(2024年6月)

John Ottman

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