Date of Birth: 1964/7/6
Place of Birth: San Diego, California, USA
Mini Biography:
Ottman played the clarinet from an early age. He graduated from USC School of Cinema-Television in 1988 with top grades in both directing and film editing. After working on a few shorts and student films, he began editing his first feature "Public Access" for fellow graduate Bryan Singer in 1993. When Singer's composer pulled out at the last minute, Ottman was drafted in to write the score as well. "Public Access" ultimately won high acclaim and the top award at the Sundance Film Festival. Since then, he has continued his composing and editing duties on Singer's films including Oscar-winning thriller "The Usual Suspects" (which won Ottman a Best Score BAFTA), "Apt Pupil", "X2" and "Superman Returns". He also directed his first movie, the horror sequel "Urban Legends: Final Cut", for which he composed the score as well (he was unable to work with Singer on the first "X-Men" movie because he was too busy with his directorial debut). Other works include writing the theme for TV's "Fantasy Island"(1998), "Eight Legged Freaks"(2002), "Gothika"(2003), "Cellular"(2004), "Hide and Seek"(2005) and "Fantastic Four"(2005).
作曲:ジョン・オットマン
Composed by JOHN OTTMAN
指揮:ラリー・グルーペ
Conducted by LARRY GROUPE
演奏:シアトル交響楽団
Performed by the Members of the Seattle Symphony Orchestra
(米RCA / 09026-68971-2) 1997
「サタデー・ナイト・フィーバー」(1977)「ドラキュラ」(フランク・ランジェラ主演版/1979)「ウォー・ゲーム」(1983)「ブルーサンダー」(1983)「ショート・サーキット」(1986)「張り込み」(1987)「バード・オン・ワイヤー」(1990)「ドロップ・ゾーン」(1994)「ニック・オブ・タイム」(1995)等で知られるジョン・バダムが1997年に監督したサスペンス。出演はジェイソン・パトリック、イレーヌ・ジャコブ、ロッド・スタイガー、イアン・リチャードソン、トーマス・ロックヤー、サイモン・チャンドラー、リップ・トレンス他。脚本はジョーダン・カッツ、撮影はデニス・クロッサンが担当。
まっとうな画家としてのキャリアを目指しながらも、贋作画家として生計を立てているハリー・ドノヴァン(パトリック)が、とある絵画ディーラーたちからレンブラントの贋作を描くことを50万ドルで引き受ける。この仕事を最後に贋作画家から足を洗う決心をした彼は、アムステルダムに飛んでレンブラントの研究を始め、その過程で訪問したパリでこの巨匠の絵の修復作業に参加しているマリーケ(ジャコブ)と巡り会う。ハリーの描いた贋のレンブラントは、美術専門家たちからも本物であるとのお墨付きを得るが、唯一これを否定したのはマリーケで、彼女は実は美術界で最も権威のあるレンブラントの専門家だった。マリーケに否定されて焦ったディーラーたちは、ハリーとの約束を破って贋作をオークションにかけようとするが、これに反発したハリーはディーラーたちの陰謀で絵の盗難と殺人の罪をきせられ、警察に追われる身となる……。ストーリーに穴がいくつかあるが、バダム監督としてはよく出来た巻き込まれ型スリラーで、特に主人公が当時の画材の成分を分析して、同じ材料を集めて贋作を制作する過程の描写が面白い。ヒロインのイレーヌ・ジャコブは、ルイ・マル監督の「さよなら子供たち」(1987)や、クシシュトフ・キェシロフスキ監督の「ふたりのベロニカ」(1991)「トリコロール/赤の愛」(1994)等、アート系作品に出演しているスイス出身の女優だが、ここではやや平凡な役であまり印象に残らない。脇で出てくるベテランのロッド・スタイガーも演技のしようがないような浅い役柄で気の毒。唯一イアン・リチャードソンが、いつものクィーンズ・イングリッシュの名調子で主人公たちを追いつめる鋭い検事役を好演している。
ジョン・オットマンによる音楽は、シアトル交響楽団の60人のメンバーの演奏によるオーソドックスなオーケストラル・スコアで、アムステルダム、パリ、ロンドン、スペインの北部海岸地方といった、この映画の舞台となるヨーロッパの絵画的な情景にふさわしいカラフルで情感豊かな音楽となっている。「Opening
Titles」でのミステリアスで美しい主題が、全編を通して登場するが、「Tricks
of the Trade」や「The Creation」ではバロック調のクラシカルなアレンジで、特に贋作を制作する過程の音楽は劇中でも非常に効果的である。「On
the Run Again」「Police Search」「To Catch a Train」「Front Page News」といった主人公の逃走部分のサスペンス描写と、「Re-Creation」「Change
of Fortune」「Reprise」等での、レンブラントの生きた1637年当時のタッチを再現したクラシカルな劇音楽がバランス良く配分されており、ドラマティック・アンダースコアとして全体がうまくまとまっている。
(2000年5月)
スーパーマン リターンズ SUPERMAN RETURNS
作曲:ジョン・オットマン 指揮:デイモン・イントラバートロ (米WarnerBros/Rhino / R2 77654) |
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2006年製作のアメリカ映画。監督は「パブリック・アクセス」(1993)「ユージュアル・サスペクツ」(1995)「ゴールデンボーイ」(1998)「X-メン」(2000)「X-MEN 2」(2003)等のブライアン・シンガー。出演はブランドン・ラウス、ケイト・ボスワース、ケヴィン・スペイシー、ジェームズ・マースデン、パーカー・ポージー、フランク・ランジェラ、サム・ハンティントン、エヴァ・マリー・セイント、マーロン・ブランド(アーカイヴ映像)、カル・ペン、デヴィッド・ファブリツィオ、トリスタン・レイク・リーブ、イアン・ロバーツ、ヴィンセント・ストーン、ステファン・ベンダー、サー・リチャード・ブランソン他。ブライアン・シンガー、マイケル・ドーハティとダン・ハリスの原案を基にマイケル・ドーハティとダン・ハリスが脚本を執筆。撮影はニュートン・トーマス・サイジェル。クリプトン星の3悪人を倒したスーパーマン/クラーク・ケント(ラウス)は、自身の故郷であるクリプトン星を探す旅に出る。彼がいなくなった地球は犯罪が急増し、宿敵レックス・ルーサー(スペイシー)も仮釈放が認められ出所してしまう。やがてスーパーマンは5年ぶりに地球に戻って来るが、再会したかつての恋人ロイス・レイン(ボスワース)は、彼との思い出を振り切り新たな人生を歩み始めていた……。1978年にリチャード・ドナーが監督し、故クリストファー・リーヴが“鋼鉄の男”を演じた「スーパーマン(SUPERMAN)」以降、リーヴの主演により「スーパーマン II/冒険篇(SUPERMAN II)」(1981/監督:リチャード・レスター)、「スーパーマン III/電子の要塞(SUPERMAN III)」(1983/監督:リチャード・レスター)、「スーパーマン4/最強の敵(SUPERMAN IV: THE QUEST FOR PEACE)」(1987/監督:シドニー・J・フューリー)とシリーズ化されて計4作品が製作されたが、本作はスタッフ/キャストを一新した映画化で、ストーリーとしては「スーパーマン II/冒険篇」の後日談となっている。
音楽はブライアン・シンガー監督の盟友で、彼が監督した「X-メン」(2000)以外の全作のスコアを担当しているジョン・オットマン(「X-メン」のスコアはマイケル・ケイメンが作曲)。1964年生まれのオットマンはドナー監督/リーヴ主演の「スーパーマン」に強い思い入れがあり、ジョン・ウィリアムス作曲の有名な主題を織り込みつつ、自らの新しい主題を加えて、「ウィリアムスが続編のスコアを担当していたら、このように作曲しただろう」と彼が考えるスコアを作曲したという(実際にはウィリアムスはドナー監督の1作目しか担当していない)。「Main Titles」は、ウィリアムス作曲の“スーパーマン・マーチ”の新たなアレンジメントによるメインタイトル。実に懐かしい。「Memories」は、ウィリアムス作曲の若きクラーク・ケントの主題(Leaving Home)を織り込んだ躍動的なアメリカーナ。「Rough Flight」は、サスペンス・アクション音楽で、“スーパーマン・マーチ”が登場。「Little Secrets / Power of the Sun」は、ウィリアムス作曲の“Love Theme”を織り込んだドラマティックな曲。「Bank Job」は、ややコミカルなタッチのサスペンス音楽。「How Could You Leave Us?」は、ウィリアムス作曲の“クリプトン星の主題”を織り込んだジェントルな曲で、後半“Love Theme”も登場。「Tell Me Everything」「So Long Superman」は、オットマン独自の主題によるドラマティックな曲。「You're Not One of Them」は、コーラスをフィーチャーしたジェントルな曲。「Not Like the Train Set」「In the Hands of Mortals」は、オットマン独自のレックス・ルーサーの主題を含むサスペンス音楽。オットマンによると、ウィリアムスのスコアでの悪役の主題「March of the Villains」は、ルーサー自身よりも彼の手下であるオーティスを描写したややコミカルな主題だったので、ここではよりダークなタッチのルーサーの主題を新たに作曲したという。「The People You Care For」「Saving the World」はダイナミックなアクション音楽。「Reprise / Fly Away」は、ドラマティックな主題から、“Love Theme”をはさんで、“スーパーマン・マーチ”により締めくくるフィナーレ。
ジョン・オットマンが手がけた作品には
「パブリック・アクセス(Public Access)」(1993)
「ユージュアル・サスペクツ(The Usual Suspects)」(1995)
「(未公開)Night Train」(1995)
「(VG)I Have No Mouth, and I Must Scream」(1995)
「(未公開)The Antelope Chess Game」(1995)
「(未公開)Night Train」(1995)
「ケーブル・ガイ(The
Cable Guy)」(1996)
「(未公開)Static」(1996)
「グリム・ブラザーズ/スノーホワイト(Snow White: A
Tale of Terror)」(1997)
「迷宮のレンブラント(Incognito)」(1997)
「グッバイ・ラバー(Goodbye
Lover)」(1998)
「ハロウィンH20(Halloween H20: 20 Years Later)」(1998)
「ゴールデンボーイ(Apt Pupil)」(1998)
「(TV)Fantasy Island」(1998)
「U.M.A
レイク・プラシッド(Lake Placid)」(1999)
「ルール2(Urban Legends: Final Cut)」(2000)
「バブル・ボーイ(Bubble Boy)」(2001)
「(未公開)Pumpkin」(2002)
「(未公開/TV)Brother's
Keeper」(2002)
「スパイダー パニック!(Eight Legged Freaks)」(2002)
「(TV)チェーン・オブ・ファイ(Point of Origin)」(2002)
「コール(Trapped)」(2002)
「X-MEN
2(X2)」(2003)
「ゴシカ(Gothika)」(2003)
「セルラー(Cellular)」(2004)
「(未公開)Imaginary Heroes」(2004)
「(未公開)Lonely Place」(2004)
「ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ(Hide and Seek)」(2005)
「蝋人形の館(House of Wax)」(2005)
「キスキス,バンバン(Kiss Kiss Bang Bang)」(2005)
「ファンタスティック・フォー[超能力ユニット](Fantastic
Four)」(2005)
「スーパーマン リターンズ(Superman Returns)」(2006)
「ファンタスティック・フォー:銀河の危機(4: Rise of the Silver Surfer)」(2007)
「インベージョン(The
Invasion)」(2007)
「ワルキューレ(Valkyrie)」(2008)
「エスター(Esther)」(2009)
「ATOM(Astro Boy)」(2009)
「(未公開)ルーザーズ(The Losers)」(2010)
「(未公開)Halloween:
The Night He Came Back」(2010)
「(未公開)ヒラリー・スワンク ストーカー(The Resident)」(2011)
「アンノウン(Unknown)」(2011)
「ジャックと天空の巨人(Jack the Giant Slayer)」(2013)
「フライト・ゲーム(Non-Stop)」(2014)
「X-MEN:フューチャー&パスト(X-Men: Days of Future
Past)」(2014)
「(未公開/TV)Battle Creek (2015)
「X-MEN:アポカリプス(X-Men:
Apocalypse)」(2016)
「ナイスガイズ!(The Nice Guys)」(2016)
「(未公開/TV)The
Gifted」(2017)
「(未公開/TV)The Gang's All Here」(2018)
「(未公開)Tampa Theatre As
Time Goes On」(2018)
「(未公開)Tampa Theatre Let Be the Light」(2020)
「(未公開)The
Son Becomes the Father」(2021)
「(未公開)Old Uno」(2023)
「(未公開)Ukraine Mon
Amour」(2024)
「(未公開)Marslycan」(2025)
等がある。
ジョン・
オットマンは作曲家としての仕事以外に、「ユージュアル・サスペクツ」「ゴールデンボーイ」「X-MEN 2」「スーパーマン リターンズ」等の編集を担当している他、「ルール2」を自ら監督している。
(2006年8月)
(2024年6月)
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