子猫になった少年 ROCK-A-DOODLE

作曲・指揮:ロバート・フォーク
Composed and Conducted by ROBERT FOLK

演奏:アイリッシュ・フィルム管弦楽団
Performed by the Irish Film Orchestra

(スペインQuartet Records / QR546)

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1991年製作のイギリス=アイルランド=アメリカ合作のアニメーション映画(一部実写/日本公開は1994年6月)。監督は「(未公開)ニムの秘密」(1982)「アメリカ物語」(1986)「リトルフットの大冒険/謎の恐竜大陸」(1988)「おやゆび姫 サンベリーナ」(1993)「(未公開)セントラルパークの妖精」(1994)「アナスタシア」(1997)「タイタンA.E.」(2000)等のドン・ブルース(1937〜)、ゲイリー・ゴールドマン(1944〜)とダン・クエンスター。アニメ部分の声の出演はトビー・スコット・ギャンガー(猫のエドモンド役/日本語吹替:大谷育江)、グレン・キャンベル(シャンテクレア/キング/玄田哲章)、フィル・ハリス(パトゥー/ナレーション/屋良有作/中村正)、エディ・ディーゼン(スナイプス/堀内賢雄)、サンディ・ダンカン(ピーパーズ/小宮和枝)、クリストファー・プラマー(フクロウ公爵/富田耕生)、チャールズ・ネルソン・ライリー(ハンチ/江原正士)、ソレル・ブーク(ピンキー/上田敏也)、ウィル・ライアン(ステューイ)、エレン・グリーン(ゴールディ/水谷優子)、実写部分の出演はトビー・スコット・ギャンガー(大谷育江)、ディー・ウォレス(一城みゆ希)、スタン・アイヴァー(長島雄一)、クリスチャン・ホフ(星野充昭)、ジェイソン・マリン(相沢正輝)、キャスリン・ホロコーム他。ドン・ブルース、ジョン・ポメロイ、デヴィッド・J・スタインバーグ、デヴィッド・N・ワイズ、T・J・クエンスター、ゲイリー・ゴールドマンの原作を基にデヴィッド・N・ワイズが脚本を執筆。実写部分の撮影はロバート・ペインター。製作費は約1800万ドル。全世界興行収入は約1166万ドル。

毎朝時を告げるニワトリのシャンテクレアは、その美声と優れた歌声で太陽を昇らせる者として、農場の動物たちから人気を集めていた。ある日の夜明け前、シャンテクレアの前に別のニワトリが現れて彼を挑発し、2人は闘うことになる。だが、ニワトリは悪の親玉 フクロウ公爵が差し向けた者で、闘いはシャンテクレアに時を告げさせないようにする策略だった。闘いには何とか勝ったシャンテクレアだったが、彼の鳴き声がなくても太陽は昇ってしまう。シャンテクレアは自分なしでも朝が来ることを知って絶望し、他の動物たちは、彼の能力が見せかけだったと詐欺師呼ばわりした。農場にいられなくなったシャンテクレアは、1人寂しく街へと消えていった。ところがそれからは太陽が昇らず雨が降る日が続き、太陽を苦手としていたフクロウ公爵一味が勢力を拡大していった――。そこまで、シャンテクレアについての絵本を母のドリーに読み聞かせられていた幼い少年のエドモンドは、父のフランクが豪雨による洪水から家と家族を守るため、エドモンドの兄スコットとマークたちと対策を講じているのを見て、自分も手伝いたいと言い出すが……。『シラノ・ド・ベルジュラック』で知られるフランスの劇作家エドモン・ロスタン(1868〜1918)作の舞台劇『東天紅』をベースにしている。

音楽は「ポリスアカデミー」(1984)シリーズ、「ネバーエンディング・ストーリー第2章」(1990)「トイ・ソルジャー」(1991)「バーチャル・ウォーズ2」(1996)「マキシマム・リスク」(1996)等のロバート・フォーク(1949〜)。シャンテクレア役のグレン・キャンベルやフクロウ公爵役のクリストファー・プラマーが劇中で歌っている挿入歌は、キャンベルの音楽監督を長年勤め、ドン・ブルース監督の「天国から来たわんちゃん チャーリーのお話」(1989)の歌も手がけているT・J・クエンスターが作曲しており、1992年に米Libertyレーベルが「子猫になった少年」の歌のみを集めたコンピレーションCD(Liberty Records CDP-7-98911-2)を出していたが、ロバート・フォーク作曲のスコアはこれが初リリース。500枚限定プレス。

「Main Title」は、ハーモニカとオーケストラによる明るく大からで快活なメインタイトル。「Storm and Duke」「Not a Fraidy Cat」「Edmund to the Rescue」は、ダイナミックでヒロイックなアクション音楽。「The Flood」は、ハーモニカによる主題からダイナミックなアクション音楽、ジェントルな主題へ。「To the City」は、大らかで躍動的な曲。「Edmond Meets Duke」「I'm a Cat」「The Voyage」「Fish Bowl」「Tiny Duke」「The Copter Crash」は、ややコミカルなタッチのサスペンス音楽。「The Kitty Waltz」は、ジェントルで優雅なワルツ。「City Reflections」は、ソフトで気だるいジャズから、後半ジェントルで快活なタッチへ。「Hunch the Bumble」「Arena Chase」は、ビジーなアクション音楽。「Pinky's Mood」「Copterjazz」も、ソフトで気だるいタッチのジャズ。「Chanti Crows」は、ダイナミックかつドラマティックな曲。「Let There Be Light」は、ジェントルで大らかな曲。オーケストレーションはロバート・フォークとランディ・ミラー。

これ以降はT・J・クエンスター作曲の挿入歌で、「Sun Do Shine」「Treasure Huntin' Fever」「Back to the Country」は、グレン・キャンベルのヴォーカルによる陽気なカントリー調の曲。「Come Back to You」も、グレン・キャンベルによるジェントルなタッチの挿入歌。「We Hate the Sun」は、バッハ作曲の「トッカータとフーガ ニ短調」風のオルガンに続いてクリストファー・プラマーのセリフと歌が展開。「Tweedle-le-Dee」「The Owl's Picnic」は、クリストファー・プラマーと男声コーラスによるコミカルで快活な挿入歌。「The Bouncer's Song」は、男声コーラス「ドン・ブルース・プレイヤーズ」によるコミカルな挿入歌。「Sink or Swim」は、エレン・グリーンとコーラスによる快活な挿入歌。「Kiss 'N' Coo」は、グレン・キャンベル、エレン・グリーンとコーラスによるジェントルな挿入歌。「Tyin' Your Shoes」は、フィル・ハリスとコーラスによるジェントルな挿入歌。「Rock-a-Doodle」は、グレン・キャンベルによるエルヴィス・プレスリー風の陽気なロックソング。
(2024年6月)

Robert Folk

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