ミディアン NIGHTBREED

作曲:ダニー・エルフマン
Composed by DANNY ELFMAN

指揮:シャーリー・ウォーカー
Conducted by SHIRLEY WALKER

演奏:ハリウッド・スタジオ管弦楽団
Performed by the Hollywood Studio Orchestra

(米Intrada / Intrada Special Collection Volume 489)

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1990年製作のアメリカ=カナダ=イギリス合作映画(ビデオ発売時の邦題は「ミディアン/死者の棲む街」)。 監督・原作・脚本は「(未公開)アンダーワールド」(1985)「(未公開)ロウヘッド・レックス」(1986)「キャンディマン」(1992)「(未公開)ミッドナイト・ミート・トレイン」(2008)等の原作で知られるイギリスのホラー作家で、「ヘル・レイザー」(1987)「(未公開)ロード・オブ・イリュージョン」(1995)等の監督作もあるクライヴ・バーカー(1952〜)。出演はクレイグ・シェファー、アン・ボビー、デヴィッド・クローネンバーグ、チャールズ・ヘイド、ヒュー・クァーシー、ヒュー・ロス、ダグ・ブラッドレイ、キャサリン・シェヴァリエ、マルコム・スミス、ボブ・セッションズ、オリヴァー・パーカー、デボラ・ウエストン、ニコラス・ヴィンス、サイモン・バムフォード、キム・ロバートソン他。撮影はロビン・ヴィジェオン。

クライヴ・バーカーの原作『死都伝説(Cabal)』を自ら映画化した作品。“闇の種族”が棲むという秘密の地下都市“ミディアン”の悪夢に毎夜悩まされていたアーロン・ブーン(シェファー)は、精神科医フィリップ・K・デッカー(クローネンバーグ)の治療を受けていたが、実はデッカーは殺人狂で、これまでに犯した連続殺人の罪をブーンに着せようとしていた。病院でナーシス(ロス)という男からミディアンは実際に存在すると教えられたブーンは、その死都へと向かう。そこには闇の種族たちがいたが、人間であるブーンは仲間になれなかった。デッカーは警官隊を連れてブーンを追いかけ、ブーンは警察の銃弾に倒れる。ブーンの死を知らされた恋人のロリー・ウィンストン(ボビー)は病院へ向かうが、そこには彼の遺体はなかった。ブーンはミディアンで正式に種族の一員として迎え入れられていたのだ……。製作費は約1100万ドル。全世界興行収入は約947万ドル。「ビデオドローム」(1982)「デッドゾーン」(1983)「ザ・フライ」(1986)「スキャナーズ」(1981)「ヒストリー・オブ・バイオレンス」(2005)「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」(2022)等の監督として知られるカナダ人のデヴィッド・クローネンバーグ(1943〜)が殺人鬼役で出演しているが、この映画の撮影期間中の空き時間に「裸のランチ」(1991)の脚本を執筆していたという。

このスコアは公開当時の1990年に米MCAレーベルから全21曲/約42分収録のサントラLP(MCA Records MCA-8037)と、ボーナストラック1曲を追加したCD(MCA Records MCAD-8037)が出ていたが、米Intradaレーベルが2024年5月にリリースした全72曲/約141分収録のこのCDは2枚組となっており、1枚目にコンプリートスコア(42曲/約75分)、2枚目にMCA盤の内容と追加音楽を収録。

CD1枚目の冒頭「Titles」は、ダークなタッチのイントロからコーラスを加えたミステリアスでダイナミックな主題へと展開するメインタイトル。「Dream」も、コーラス入りのダイナミックで不気味なアクション音楽。「Love」「Scalping」「First Encounter」「Boone's Back」「Down, Down, Down」「Lori Enters Midian」「Grinnell」「Rachel's Oratory」「Decker Has Fun」「Crème Puff Murders」「Mural Chamber」「Baphomet Calls」は、ダークで抑制されたサスペンス音楽。「Slaughter Time」は、ダークでリズミックな曲。「Photos」は、抑制されたタッチから後半ダイナミックなアクション音楽へ。「Travel – Necropolis」は、躍動的でスリリングなタッチから後半抑制されたサスペンス音楽へ。「Meat」「Stinger – Uh-Oh…Decker」「Rescue」は、パーカッシヴでダイナミックなタッチの曲。「Boone Dead」「Initiation」は、コーラスを加えた不吉でドラマティックなタッチの曲。「Babette」は、静かにドラマティックなタッチから後半コーラスが加わりダイナミックに盛り上がる。「Lori Goes Down」「Ohnaka Go Boom!」は、ダークで不気味なタッチの曲。「Boone Transforms」は、エルフマンの個性がよく出たダイナミックでパーカッシヴなサスペンス音楽。「Party」「Trouble in Midian」は、コーラスを加えた重厚でダイナミックな曲。「Carnival」は、静かにミステリアスなイントロからコーラス入りの躍動的でダイナミックなタッチへ。「Dance of the Berserkers」「Mayhem」「Two Reasons」「Berserker's Party」は、ダイナミックなアクション音楽。「Boone Gets a Taste」「Boone and Decker Duke It Out」は、エルフマンの個性が出たパーカッシヴでダイナミックなアクション音楽。「Militia Montage」「Eigerman's Moment」は、ミリタリスティックなサスペンスアクション音楽。「Smokey」は、静かにミステリアスなタッチ。「Love Reprise」は、ジェントルなタッチの曲。「More Mayhem」は、ミステリアスな主題からダークでダイナミックなタッチへ。「Finale」は、ミステリアスなタッチのフィナーレ。「End Credits」は、コーラスを加えたパーカッシヴかつ躍動的でダイナミックなエンドクレジット。
南米のパン・フルート、バリ島のガムラン(打楽器)等のエキゾチックな楽器を加えた大編成オーケストラによるホラー音楽。
(2024年7月)

Danny Elfman

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