ラブ・オブ・ザ・ゲーム FOR LOVE OF THE GAME
作曲・指揮:ベーシル・ポールドゥーリス
Composed and Conducted by BASIL POLEDOURIS
(米Varese Sarabande / VCL
0624 1242)
1999年製作のアメリカ映画(日本公開は2000年1月)。監督は「死霊のはらわた」(1981)「ダークマン」(1990)「キャプテン・スーパーマーケット」(1993)「クイック&デッド」(1995)「シンプル・プラン」(1998)「ギフト」(2000)「スパイダーマン」(2002)「スペル」(2009)「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」(2022)等のサム・ライミ(1959〜)。出演はケヴィン・コスナー、ケリー・プレストン、ジョン・C・ライリー、ジェナ・マローン、ブライアン・コックス、J・K・シモンズ、ヴィン・スカリー、スティーヴ・ライオンズ、カーマイン・ジョヴィナッツォ、ビル・E・ロジャース、ヒュー・ロス、ドミニク・ロンバルドッツィ、アーネシア・ウォーカー、ラリー・ジョシュア、クリストファー・カズンズ他。マイケル・シャーラの原作を基にダナ・スティーヴンスが脚本を執筆。撮影はジョン・ベイリー。
ホラー系のジャンルムービーを得意としていたサム・ライミ監督によるスポーツ感動ドラマで、最後のマウンドに野球人生と恋人への愛を賭けるメジャーリーグのヴェテラン投手の姿を描く。ニューヨーク・ヤンキースの本拠地ヤンキー・スタジアム。デトロイト・タイガースの右腕のエースで40歳のヴェテラン投手ビリー・チャペル(コスナー)は、優勝を目前にしたヤンキースを迎え、マウンドに立った。前日、彼はデビュー以来苦楽を共にしたオーナーのゲイリー・ホィーラー(コックス)から実質的なトレード通告を受け、さらに、5年越しの恋人でファッション雑誌のライター、ジェーン・オーブリー(プレストン)からも別れを告げられていた。運命の岐路というべき試合で、序盤からチャペルは人生最高のピッチングを続ける。そんな彼の胸には、自らの野球人生とジェーンとの出会い、彼女の娘ヘザー(マローン)を交えたつかの間の幸せな日々、そして右手の大怪我に端を発した投手生命と彼女との別れの危機といった出来事が甦る。何度にも渡るピンチを女房役の捕手ガス・シンスキー(ライリー)らの支えで乗り切り、なんと完全試合を目前にするチャペル。ジェーンも新たな仕事先に選んだロンドンへと向かうはずだった空港のテレビで彼の姿を見守っていた。そして迎えた9回裏。彼はこの試合を最後に引退すると書いたメモをオーナーに残し、マウンドへと向かう……。製作費は約8000万ドル。全世界興行収入は約4611万ドル。ライミは昔デトロイトに住んでおり、デトロイト・タイガースのファンだったという。
音楽は「ビッグ・ウェンズデー」(1978)「青い珊瑚礁」(1980)「コナン・ザ・グレート」(1982)「若き勇者たち」(1984)「ロボコップ」(1987)「戦場」(1989)「レッド・オクトーバーを追え!」(1990)「沈黙の要塞」(1994)「スターシップ・トゥルーパーズ」(1997)等のベーシル・ポールドゥリース(1945〜2006)。このスコアは公開当時の1999年に米Varese
Sarabandeレーベルから全10曲/約33分半収録のサントラCD(Varese Sarabande 302 066 092
2)が出ていたが、同じVareseレーベルが2024年7月にリリースしたこの「The DeLuxe
Edition」CDは、全35曲/約77分半収録で、2000枚限定プレス。
「Main Theme (from For Love
of the Game)」は、ジェントルなピアノ、ギター、ストリングスのイントロからオーケストラによる大らかなメインの主題へと展開するメイン・テーマ。「New
York (not in final film)」「Heather Comes Along」は、明るく快活なタッチの曲。「Billy
Traded」「Run to Park」「Locker Room」「Doesn't Matter Anymore」「Apology」は、静かにドラマティックな曲。「Park
Farewell」は、ピアノ、ストリングス、ギターによるドラマティックな曲。「Clouds」「Birch
Strikeout」「Old School」「Mickey's Save」は、メインの主題のバリエーション。「Tuttle
Knockdown」は、エレクトリックベースとパーカッションをフィーチャーしたスリリングなタッチ。「Tuttle
Out」「Jane Putdown」は、ジェントルで大らかなタッチの曲。「Cat and Mouse」「Dinner /
Elevator」「Relationship Montage (Pt. 1)」は、ギターをフィーチャーしたジェントルな曲。「Jane
to Game」は、明るくジェントルな主題から後半ドラマティックに盛り上がる。「Torn Dollar Bill (not
in final film)」は、ピアノをフィーチャーしたジェントルでリリカルな曲。「OK, Billy
Chapel」「Jane's Home」は、ピアノとストリングスによるジェントルな曲。「For Love of the
Music (not in final film)」は、ピアノによるジェントルなジャズ。「Hard Pitching」は、ギターとストリングスによるジェントルな主題から後半エレキギターを加えたメインの主題のリズミックな演奏へ。「Gus
Hits It」は、軽快なロック。「Accident」「Can't Get Clear」は、ドラマティックでダイナミックなタッチの曲。「Coming
Back?」「Lemonade」も、ドラマティックな曲。「No Hits」「The Decision」は、メインの主題から後半ドラマティックに盛り上がる。「Last
Pitch」は、コーラスを加えたドラマティックなタッチからメインの主題へと展開し、感動的に盛り上がる。「Gus
Farewell」は、ジェントルな曲。「I Need You」は、ギターとピアノをフィーチャーしたメインの主題のリプライズにより締めくくる。
ベーシル・ポールドゥリースによる大らかな“アメリカーナ”スコア。オーケストレーションはスティーヴン・スコット・スモーリー。ピアノはラルフ・グリアソン、ギターはディーン・パークス、ジョージ・ドアリングとティム・メイ。
(2024年9月)
Basil Poledouris
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