ホワット・ライズ・ビニース WHAT LIES BENEATH

作曲・指揮:アラン・シルヴェストリ
Composed and Conducted by ALAN SILVESTRI

演奏:ハリウッド交響楽団
Performed by the Hollywood Symphony Orchestra

(米Varese Sarabande / VCL 0424 1240)

 ★TOWER.JPで購入


2000年製作のアメリカ映画。監督は「フライト」(2012)「ザ・ウォーク」(2015)「マリアンヌ」(2016)「マーウェン」(2018)「魔女がいっぱい」(2020)「ピノキオ」(2022)等のロバート・ゼメキス(1952〜)。出演はハリソン・フォード、ミシェル・ファイファー、ダイアナ・スカーウィッド、ジョー・モートン、ミランダ・オットー、アンバー・ヴァレッタ、キャサリン・タウン、ジェームズ・レマー、レイ・ベイカー、ヴィクトリア・バイドウェル、エリオット・ゴレツキー、ウェンディ・クルーソン、スローン・シェルトン、トム・ダールグレン、ミコール・マーキュリオ他。サラ・ケルノチャンとクラーク・グレッグの原案を基にクラーク・グレッグが脚本を執筆。撮影はドン・バージェス。

遺伝学の教授ノーマン・スペンサー(フォード)と、元チェリストの妻クレア(ファイファー)は、娘のケイトリン(タウン)が大学進学のために入寮して独立したことをきっかけに、ノーマンの父が所有していたヴァーモント州の湖畔沿いにある家に引っ越してきた。自然に囲まれる中で、恋人同士の時代を思い返す2人だったが、クレアは隣の家でこそこそと大きな人型の荷物を捨てる住人に不信感を抱く。そして、家の中で奇妙な出来事が起こり始める。風もないのに開くドア、突然動き始めるコンピュータ。囁くような声が聞こえ、水には見知らぬ女性の顔が浮かんで見える。しかし、ノーマンはなぜか全く興味を示さず、クレアは説明を繰り返しながら不満を募らせていく。彼女は隣りに新しく引っ越してきた男が妻を殺害し、その霊が自分の家にとり憑いていると考えるが……。ロバート・ゼメキスがヒッチコックのサスペンス映画を意識して製作したスリラー。製作費は約1億ドル。全世界興行収入は約2億9142万ドル。

音楽はロバート・ゼメキス監督作品の常連作曲家であるアラン・シルヴェストリ(1950〜)。このスコアは、公開当時の2000年にVarese Sarabandeレーベルから全9曲/約30分収録のサントラCD(Varese Sarabande 302 066 172 2)が出ていたが、同じVareseレーベルが2024年5月にリリースしたこのThe Deluxe Edition CDは全25曲/約60分収録のエクスパンデッド盤で、2000枚限定プレス。

冒頭の「ImageMovers Logo」は、ゼメキスの製作会社ImageMoversのロゴ用の短いファンファーレ(この映画は同社初の配給作品)。続く「Main Title」は、静かなサスペンス調のメインタイトル。「Panic Attack」「Sobbing Neighbor」「Claire Visits Feur House / I Thought I Saw / Watery What?」「Ouija Board」「Newspaper Clipping」「Jody Fesses Up / Electrocuted」「Norman's Gone / Claire Steps in Blood / Hand Moves Sting」は、抑制されたサスペンス音楽。「Broken Photo」「Madison's Room」は、静かにドラマティックなタッチの曲。「Binocular Spy」は、ショック・フレーズから不吉なサスペンス調へ。「Discover Key / Full Bath」は、抑制されたサスペンス調からショック・フレーズをはさんでダークなタッチのサスペンス音楽へ。「You Know」「Forbidden Fruit」は、抑制されたタッチから後半重厚でダイナミックなサスペンス音楽へ。「I Opened the Door」は、ショック・フレーズからピアノによるメランコリックな主題へ。「Claire's Drive」「Key Decision」「Reunited / Peace at Last」は、重厚でダークなタッチのサスペンス音楽。「Norman Attacks」は、ダイナミックなサスペンスアクション音楽。「Passive Aggressive Masterpiece / Norman Falls / Bloody Hand」は、抑制されたサスペンス調から後半重厚でダイナミックなサスペンス音楽へ。「The Getaway」「End Credits」は、重厚でダイナミックなサスペンスアクション音楽で、バーナード・ハーマンがヒッチコック監督の「サイコ」に作曲したスコアを想起させるタッチ。最後にボーナストラックとして、ジェントルなジャズのソース曲「Restaurant Source」と、アントニオ・ヴィヴァルディ作曲のヴァイオリン協奏曲『四季:秋』の引用「The Four Seasons: Autumn」(パーティのシーンのソース曲)を収録。アラン・シルヴェストリ自身がオーケストレーションも担当。
(2024年11月)

Alan Silvestri

Soundtrack Reviewに戻る


Copyright (C) 2024  Hitoshi Sakagami.  All Rights Reserved.