(未公開/TV)DESPERATE VOYAGE

作曲・指揮:ブルース・ブロートン
Composed and Conducted by BRUCE BROUGHTON

(米Dragon's Domain Records / DDR825)

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1980年製作のアメリカのテレビ映画。監督は「反逆の戦士」(1966)「ファミリー・バンド」(1967)「(TV)ホワイト・ハウス」(1979)「(TV)特攻野郎Aチーム/大アマゾンの秘宝」(1984)「(TV)ケネディ家vsFBI長官フーバー/第2次南北戦争・スキャンダルと陰謀の日々」(1987)等のマイケル・オハーリヒー(1928〜1997)。出演はクリストファー・プラマー、クリフ・ポッツ、クリスティーン・ベルフォード、ララ・パーカー、ニコラス・プライアー、ジョナサン・バンクス、パトリック・オムーア、マイケル・スワン、グレン・ダイガン。レイ・カイトルの原作『The Last Voyage of the Valhalla』を基にアルヴィン・サピンスリーが脚本を執筆。撮影はジョン・C・フリン三世。

メキシコ湾で他の船を襲撃して貴重品を奪い、乗員・乗客を皆殺しにしていく現代の海賊バリファウス船長(プラマー)とその甥ルイス(バンクス)の暗躍を描くスリラー。海洋で動けなくなった船を見つけたバリファウスとルイスは、中に病気で助けを求めていた男を発見し、彼を救出するふりをして所有物を奪った上に、死にゆく男を見捨てていく。次にバリファウスたちは2組のカップルが乗ったヨットを見つける。ヴィック(ポッツ)とカレン(ベルフォード)は、船酔いでダウンしているグレース(パーカー)とラルフ(プライアー)を助けてほしいとバリファウスに請願するが……。スタジオのセットを一切使わず、全編が海洋上でロケ撮影されている。

音楽は「シルバラード」(1985)「ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎」(1985)「ミリィ/少年は空を飛んだ」(1986)「ハリーとヘンダスン一家」(1987)「ジャイアント・ベビー」(1992)「トゥームストーン」(1993)「ロスト・イン・スペース」(1998)等のブルース・ブロートン(1945〜)で、これは彼が「シルバラード」で広く認知される前に手がけたスコア。「Opening Titles / Burrifous Sees the Boat」は、ホルンをフィーチャーしたヒロイックな主題からドラマティックなタッチへ展開するオープニング。「Robbing the Old Man / Ramming the Boat」は、ダイナミックで躍動的なサスペンス音楽。「The Coast Guard / The Valhalla Sails / Vic Decides to Turn Around / Burrifous Spots the Valhalla」は、躍動的かつ快活なサスペンス音楽。「Burrifous Takes Grace and Ralph Aboard」「The Valhalla Stops / What in the World Can They Be Thinking」は、抑制されたタッチのサスペンス音楽。「Taking Ralph's Wallet and Watch / Grace Attacks / Ralph's Demise」「Vic Comforts Karen / More Gunfire / Karen's Mayday Distress Call / No Response / Rape」「Louie Destroys the Valhalla's Mast and Radio」は、ダイナミックなサスペンス音楽。「Vic Forgives Karen / Burrifous Opens Fire / Valhalla Escapes」は、ジェントルでリリカルな主題から後半ダイナミックなサスペンス音楽へ。「Louie's Death / Vic Is Shot / Act Out」は、抑制されたタッチから後半ダイナミックなサスペンスアクション音楽、ドラマティックなタッチへ。「Karen Finds the Flare Gun / Launching Flare / Burrifous Rams the Boat」は、抑制されたサスペンス調から後半ダイナミックなタッチへ。「Burrifous Boards the Valhalla / Death by Flare Gun / End Credits」は、ダークなサスペンス音楽からジェントルで大らかなエンドクレジットへ。ブロートンらしい工夫を感じるカラフルなオーケストラル・スコア。
(2024年11月)

Bruce Broughton

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