サドン・デス SUDDEN DEATH

作曲・指揮:ジョン・デブニー
Composed and Conducted by JOHN DEBNEY

演奏:ハリウッド交響楽団
Performed by the Hollywood Symphony Orchestra

(米Varese Sarabande / VCL 0824 1243)

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1995年製作のアメリカ映画(日本公開は1996年6月)。監督・撮影は「破壊!」(1973)「カプリコン・1」(1977)「アウトランド」(1981)「シカゴ・コネクション/夢みて走れ」(1986)「プレシディオの男たち」(1988)「タイムコップ」(1994)「サウンド・オブ・サンダー」(2004)「(未公開)ダウト 〜偽りの代償〜」(2009)「(未公開)マキシマム・ソルジャー」(2013)等のピーター・ハイアムズ(1943〜)。出演はジャン=クロード・ヴァン・ダム、パワーズ・ブース、レイモンド・J・バリー、ホイットニー・ライト、ロス・マリンジャー、ドリアン・ヘアウッド、ケイト・マクニール、マイケル・ガストン、オードラ・リンドレイ、ブライアン・ディレイト、スティーヴ・アロンソン、マイケル・R・オーベル、カレン・ボールドウィン、ジェニファー・D・バウザー、パット・ブリッソン他。カレン・ボールドウィンの原案を基にジーン・クインターノが脚本を執筆。

消火活動中に少女と炎の中に閉じ込められ、からくも助け出されたものの少女は死亡し、以来精神的に不安定になったダレン・マッコード(ヴァン・ダム)は、退職してピッツバーグのスタジアムの防火責任者の職を得ていた。全米注目のアイスホッケー・リーグ優勝戦の当日、スタジアムは超満員の観客で膨れ上がっていたが、副大統領(バリー)も観戦するため、ものものしい警戒体制が敷かれた。一方、元FBIのジョシュア・フォス(ブース)を指揮官とするテロリストの一団が大量の銃器や火器、爆薬を携え、スタジアムに向かっていた。彼らはオーナー室に潜入すると、副大統領一行を人質に取る。フォスは、政府が凍結しているアメリカの5大銀行の預金17億ドルの凍結を解き、指定の銀行に振り込むことを要求。第1ピリオド終了までに3分の1が振り込まれなければ人質を1人、第2ピリオドには2人、最後にはスタジアムに仕掛けた爆弾により5万人の観客全員が死ぬと脅迫し、立てこもった。ダレンは、別れた妻と住んでいる娘エミリー(ライト)、息子タイラー(マリンジャー)を会場に招いていた。巡回中の彼は異変に気づき、襲ってきた女テロリストを倒した。異常事態を察知したダレンは、外にいるシークレット・サービスのホールマーク捜査官(ヘアウッド)と連絡を取るが、敵の手ごわさを知ったダレンは、単独で戦うことを決意。警察も内部への突撃を試みるが、次々と阻止される。ダレンは元消防士の知識を生かし、即席の武器でテロリストを1人また1人と倒し、ドーム各所に仕掛けられた爆弾を1個ずつ解除していくが……。「ダイ・ハード」(1988)の後に量産された、閉鎖的なシチュエーションの中で孤高のヒーローが敵の集団と単独で戦うタイプのアクション映画のバリエーション。製作費は約3500万ドル。全世界興行収入は6435万ドル。

音楽はピーター・ハイアムズ監督と「レリック」(1997)「エンド・オブ・デイズ」(1999)でも組んでいるジョン・デブニー(1956〜)。このスコアは公開当時の1995年に米Varese Sarabandeレーベルより全9曲/約30分収録のサントラCD(Varese Sarabande VSD 5663)が出ていたが、同じVareseレーベルが2024年9月にリリースしたこの「The Deluxe Edition」CDは全28曲/約64分半収録のエクスパンデッド盤。

「Sudden Death」は、 ダークなイントロからピアノとオーケストラによるドラマティックなタッチ、リズミックな主題へと展開。「Game Day/ Roadblock / Grand Theft Auto」「Preparations」「The Kitchen / Mrs. Ferrara Gets a Visitor / Badge Men」「Loading Dock / Vice President Arrives / New Assistants」「Phone's Dead / The Feone」「Not Alone / Building Weapons」「The Materials at Hand / The Meeting」「Flame Thrower / Looking for Bombs」は、オーケストラと打ち込みによるサスペンス音楽。「The Action / The Dome Again」「Vantage Point」「The Roof / The Zamboni / A Dangerous Fireman」「The Mayor Checks Out」「A Miracle / Scaling the Dome / Roof Fight」は、ダイナミックなサスペンス音楽。「Emergency Response」「The Abduction of Emily」は、ダイナミックなアクション音楽。「A Killing by the Numbers」「The Sign / Le Dome」は、不吉なタッチのサスペンス音楽。「Emily Sees」「Kitchen Fight」「Fight for the Bone」「Locker Room Chase / Darren Sees Tyler」「To Sudden Death」「Through the Dome」「Panic in the Arena」「Foss's Escape Plan / Foss Flies Away」「Foss Eats Ice」は、重厚でダイナミックなアクション音楽。ラストの「Sudden Death」は、オーケストラとピアノによる重厚でドラマティックなタッチの曲。同じような曲が連続するのでやや単調な印象を受けるが、アクション・スコアとして劇中では効果的に機能している。オーケストレーションは、ブラッド・デクター、フランク・ベネットとドン・ニミッツ。
(2024年12月)

John Debney

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