ザ・ルーム・ネクスト・ドア THE ROOM NEXT DOOR

作曲・指揮:アルベルト・イグレシアス
Composed and Conducted by ALBERTO IGLESIAS

(スペインQuartet Records / QR560)

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2024年製作のスペイン=アメリカ合作映画(日本公開は2025年1月31日)。監督は「アタメ」(1989)「オール・アバウト・マイ・マザー」(1998)「トーク・トゥ・ハー」(2002)「ボルベール <帰郷>」(2006)「ペイン・アンド・グローリー」(2019)「パラレル・マザーズ」(2021)「ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ」(2023)等のペドロ・アルモドバル(1949〜)。出演はジュリアン・ムーア、ティルダ・スウィントン、ジョン・タートゥーロ、アレッサンドロ・ニヴォラ、フアン・ディエゴ・ボット、ラウル・アレバロ、ビクトリア・ルエンゴ、アレックス・ホー・アンデルセン、エスター・マグレガー、アルヴィーゼ・リゴ、メリーナ・マシューズ、サラ・デミーステア、アン・ドゥオン、ボビ・サルボール・マヌエズ、アニカ・ワールステン他。シグリッド・ヌネズの原作『What Are You Going Through』を基にペドロ・アルモドバルが脚本を執筆。撮影はエドゥアルド・グラウ。

若い頃に同じ雑誌社で働いていたことで親しくなった小説家のイングリッド(ムーア)と戦場フォトグラファーのマーサ(スウィントン)は、マーサがステージ3の子宮がんになったことをきっかけに久しぶりに再会する。化学療法の効果がなく、がんが転移したことを知ったマーサは、ダークウェブで入手した毒薬による安楽死を決意し、自分の最期に付き添ってほしいとイングリッドに請願する。ジョン・タートゥーロが2人の共通の元・愛人で環境問題の提唱者を演じている。アルモドバル初の長編英語作品で、2024年度第81回ヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞。2024年度第37回東京国際映画祭上映作品。

音楽は「オール・アバウト・マイ・マザー」(1998)「トーク・トゥ・ハー」(2002)「ペイン・アンド・グローリー」(2019)等14作品でペドロ・アルモドバル監督と組んでいるアルベルト・イグレシアス(1955〜)。「Opening Titles」は、ストリングスとピアノによるメランコリックかつドラマティックで情感豊かなオープニング・タイトル。このメインの主題は「Lincoln Center」「Snow Is Falling Under the Living and the Dead」「The House in the Woods」「Ingrid Doubts」「Michelle」「Music Decenters Me」等でも繰り返される。「Rizzoli」「Pink Colored Snowflakes」「Parallel Loungers」は、静かにドラマティックなタッチの曲。「The War In My Head」は、ピアノによるジャズからドラマティックな主題へ。「Diner」は、メランコリックな主題からミステリアスなタッチへ。「Kitchen N.Y.」は、チェロをフィーチャーしたスリリングでドラマティックなタッチの曲。「Burning House」は、ダークでサスペンスフルなタッチ。「Sex Is the Best Shield」「The Goodbye」は、ドラマティックかつメランコリックなタッチの曲。「Dawn」「Left Behind」「Death in My Hands」「The Interrogation」は、ダークでドラマティックな曲。「The Waiting House」は、ジェントルなタッチ。「Return Journey」は、チェロをフィーチャーしたドラマティックなタッチの曲。「Martha's Lesson」は、ジェントルでドラマティックな主題から後半メランコリックなタッチへ。「Inside the Car」は、ドラマティックでスリリングなタッチ。「Letter to the Beyond」は、静かにドラマティックなタッチから後半チェロをフィーチャーしたメインの主題へ。ラストの「Closing Credits」は、ジェントルでドラマティックなクロージング・クレジット。情感豊かでリッチなオーケストラルスコア。
(2025年1月)

Alberto Iglesias

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