(未公開)冒険野郎 LE RUFFIAN
作曲・指揮:エンニオ・モリコーネ
Composed and Conducted by ENNIO MORRICONE
(仏Music Box Records /
MBR-237)
1983年製作のフランス=カナダ合作映画(日本では劇場未公開でビデオ発売済)。監督・原作・脚本は「ベラクルスの男」(1968)「ラ・スクムーン」(1972)「暗黒街のふたり」(1973)「ル・ジタン」(1975)「ブーメランのように」(1976)「父よ」(2001)等のジョゼ・ジョヴァンニ(1923〜2004)。出演はリノ・ヴァンチュラ、ベルナール・ジロードー、クラウディア・カルディナーレ、ベアトリス・ヴァン・ティル、ピエール・フラッグ、オーガスト・シェレンバーグ、ジェームズ・E・デイヴィス・Jr、ダニル・ワハイェニ=マーティン、リック・アルカートン、ロベール・ブシャール、ブローン・ボウロン、マイク・ブラッドフォード、ドナルド・ブラウン、ローン・キャリー、ウィリアム・コリンズ他。撮影はジャン=ポール・シュワルツ。
カナディアン・ロッキー山脈の壮大なワプタ滝を舞台に、金鉱探しに命を懸ける無鉄砲だが心優しい中年男アルド(ヴァンチュラ)の活躍を描くコメディ・タッチのアドヴェンチャー映画。アルドが働く金の鉱山を盗賊一味が襲撃し、アルド以外の全員を皆殺しにして金塊を奪っていく。復讐と金の奪還を誓ったアルドは、故郷のモントリオールに戻り、仲間のジョン(フラッグ)とジェラール(ジロードー)、その妻エレノア(ヴァン・ティル)に助けを求め、一緒に金を取り戻しに向かうが……。
音楽はジョゼ・ジョヴァンニが脚本を手がけた「シシリアン」(1969)のスコアも手がけているエンニオ・モリコーネ(1928〜2020)。このスコアは、公開当時の1983年にフランスのGeneral
Musicレーベルから全10曲/約30分半収録のサントラLP(General Music
803042)が出ており、2004年にイタリアのGDMレーベルが全24曲/約59分収録のエクスパンデッド盤CD(GDM CD Club
7023)、2013年にイタリアのBeatレーベルが同内容のCD(Beat Records BCM9541)を出しているが、2024年11月にMusic
BoxがリリースしたこのCDは、未発表の4曲を含む全31曲/約75分収録で、新たにリマスターされている。500枚限定プレス。
「Western ?」は、ギターとフランコ・デ・ジェミニのハーモニカをフィーチャーしたマカロニウェスタン風のメインタイトル。「Ricordo
rosa」は、ピアノとストリングスによるジェントルでリリカルなタッチの曲。「Amici come pochi」「Viaggio
in 4」は、フルートをフィーチャーした明るくジェントルな曲。「Sotto le rapide... poi l'oro」は、オルガンによる荘厳でドラマティックなタッチの曲。「L'oro
come pericolo」は、ハーモニカを加えた抑制されたサスペンス音楽。「Sporco ma distinto」は、ギター、ピアノをフィーチャーしたややおどけたタッチの曲。「Un
pomeriggio solo mio」は、トランペットを加えたジェントルなタッチの曲。「Le ruffian」は、不気味なタッチのハーモニカによる曲。「Un'orchestra
un po'pazza」は、口笛にバンジョー、パーカッション、ピアノを加えたリズミックでおどけたタッチの曲。以上がオリジナルのサントラLPと同じプログラムで、これ以降はボーナストラックとして様々なバリエーションやデモが収録されている。コメディ・タッチの冒険活劇にふさわしい明るくダイナミックなスコア。
(2025年3月)
Ennio Morricone
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