(未公開)LE GRAND MEAULNES
作曲:フィリップ・サルド
Composed by PHILIPPE SARDE
指揮:デヴィッド・スネル
Conducted by DAVID SNELL
演奏:プロ・アルト管弦楽団
Performed by the Pro Arte Orchestra of London
(仏Music Box Records /
MBR-247)
2006年製作のフランス映画。監督は「(TV)家なき子」(2000)「(TV)チボー家の人々」(2003)「(TV)ゴリオ爺さん」(2004)等のジャン=ダニエル・ヴェラーグ(1944〜)。出演はニコラ・デュヴォシェル、ジャン=バティスト・モニエ、クレマンス・ポエジー、ジャン=ピエール・マリエール、フィリップ・トルトン、エミリー・ドゥキーヌ、マリク・ジディ、ヴァレリー・ストロー、フロランス・トマサン、パスカル・エルソ、ロジェ・デュマ、ピエール・ヴェルニエ、シャルル・ユレズ、クレモン・ナスラン、サミュエル・ブラフマン=ムーティエ他。フランスの小説家で詩人のアンリ・アラン=フルニエ(1886〜1914)による唯一の小説『グラン・モーヌ(Le
grand Meaulnes)』を基に、ジャン・コスモとジャン=ダニエル・ヴェラーグが脚本を執筆。撮影はイヴ・ラファイエ。
フランスの田舎町ソローニュの学校に転校してきた青年オーギュスタン・モーヌ(デュヴォシェル)。この大柄で神秘的な転入生に、憧憬にも似たまなざしを向ける寄宿先の教師家族の息子フランソワ・スレル(モニエ)。やがて皆から“グラン・モーヌ”と呼ばれるようになった彼は,ある日、授業を抜け出して迷い込んだ不思議な館で美しい娘イヴォンヌ・ドゥ・ガレ(ポエジー)と運命的な出会いを果たす。それは、人を愛するという新しい探索の旅の始まりでもあった。ところが、自分が住む村に戻った後に、その館を再び訪れようとしても場所がわからず、たどり着けない。手がかりを求め、自分の記憶を頼りにその場所を探し当てようとするモーヌだったが……。アラン=フルニエの原作は世界で最も広く読まれたフランスの小説の1つと言われ、過去に「さすらいの青春(LE
GRAND MEAULNES)」(1966/監督・脚本:ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、出演:ブリジット・フォッセー、ジャン・ブレーズ)として映画化されている。
音楽はジャン=ダニエル・ヴェラーグ監督と「(TV)赤と黒(Le
rouge et le noir)」(1998)でも組んでいるフィリップ・サルド(1948〜)。「Prologue
(Rentrée des classes)」は、繊細でジェントルかつ物憂げなタッチのメインの主題。「Feux
d'artifice」は、快活で躍動的なタッチの曲。「Baignade dans la rivière」「Sur les
toits」「Départ d'Augustin」「Mort d'Yvonne」「Mobilisation」は、繊細かつドラマティックなタッチの曲。「Sauvetage」は、ダイナミックでサスペンスフルなタッチ。「Les
grandes manœuvres」「La fête」は、明るく快活なタッチの曲。「Fuite du Grand
Meaulnes」は、繊細でドラマティックな主題から躍動的なタッチ、メインの主題へ。「Yvonne de Galais」は、ピアノによるメランコリックなタッチのイヴォンヌの主題で、この美しい主題は「Le
serment」「Les Sablonnières」「François et Yvonne」「Retrouvailles」「Le mariage」「Repas
de noces」「In memoriam」でも登場する。「La lettre d'Augustin」「Augustin et
sa fille」は、メランコリックなタッチの曲。「La barque / Le bal」「L'avion」は、アコーディオンをフィーチャーしたジェントルなワルツで、サルドが1982年の「(未公開)L'étoile
du Nord」に作曲した主題の引用。「La tourelle」「Yvonne enceinte」は、繊細でジェントルなタッチの曲で、後者はメインの主題を含む。「Finale
(Générique de fin)」は、イヴォンヌの主題を織り込んだ情感豊かでドラマティックなフィナーレ。
オーケストレーションはユベール・ブージス。ピアノはアレクサンドル・ガスパロフの演奏。
(2025年3月)
Philippe Sarde
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