(未公開)メル・ブルックスの命がけ! イス取り大合戦 THE TWELVE CHAIRS

作曲:ジョン・モリス
Composed by JOHN MORRIS

指揮:ジョナサン・テューニック
Conducted by JONATHAN TUNICK

(スペインQuartet Records / QR589)

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1970年製作のアメリカ映画(日本では劇場未公開でビデオ発売済)。監督は「ヤング・フランケンシュタイン」(1974)「ブレージングサドル」(1974)「サイレント・ムービー」(1976)「メル・ブルックス/新サイコ」(1977)「スペースボール」(1987)等のメル・ブルックス(1926〜)。出演はロン・ムーディ、フランク・ランジェラ、ドム・デルイーズ、アンドレア・ヴーツィナス、ダイアナ・クープランド、デヴィッド・ランダー、ヴラダ・ペトリック、エライン・ガルロー、ロバート・バーナル、ウィル・スタンプ、ブリジット・ブライス、ニコラス・スミス、ラダ・ジュリチン、ブランカ・ヴェセリノヴィッチ、メル・ブルックス他。1930年代に活躍した旧ソ連の作家コンビ“イリフ=ペトロフ”ことイリヤ・イルフエフゲニー・ペトロフによる小説『十二の椅子(Dvenadtsat stulyev)』とエリザベス・ヒルとドリス・マディーによるその英訳版『Diamonds to Sit On』を基に、メル・ブルックスが脚本を執筆。撮影はドード・ニコリック。

1920年代後半のソヴィエト連邦。1917年のロシア革命で財産をすべて失った元貴族のイッポリト・ヴォロビャニノフ(ムーディ)は、義母が亡くなる際の最後の言葉として、彼女が革命の際に財産を没収されるのを恐れ、巨額の宝石類をダイニングにあった12脚の椅子の中の1つに縫い込んで隠したと告げられる。急いで昔義母が住んでいた旧家に駆け付けたイッポリトは、12脚の椅子が処分されてしまったことを知り、詐欺師のオスタップ・ベンデル(ランジェラ)と手を組み、椅子の在処を探しはじめる。一方、一家の司祭だったフョードル神父(デルイーズ)も義母の最後の言葉を盗み聞きし、隠された宝石を手に入れようと椅子の争奪戦が繰り広げられることになる……。“イリフ=ペトロフ”作の風刺小説『十二の椅子』(1928)とその続編『黄金の子牛』(1931)にはオスタップ・ベンデルが共通の主人公として登場し、当時のソ連の現実の中で宝物を探し求める話が描かれるが、『十二の椅子』についてはこのメル・ブルックス版を含め、ソ連をはじめとした各国での映画化作品が約20本もある。

音楽はメル・ブルックス監督作品の常連作曲家で、「新シャーロック・ホームズ/おかしな弟の大冒険」(1975)「あきれたあきれた大作戦」(1979)「エレファント・マン」(1980)「5人のテーブル」(1983)等のスコアも手がけているジョン・モリス(1926〜2018)。このスコアは、米Elektra/Asylumレーベルが1978年にリリースした「メル・ブルックス/新サイコ」他のブルックス監督作品コンピレーションLP(Elektra/Asylum 5E-501)に2曲が収録されており、その後、米Varese Sarabandeレーベルが1983年に全11曲収録のLP(Varese Sarabande STV 81159)を出しているが、2025年7月にQuartetレーベルがリリースしたこのCDは全11曲/約26分半収録の初CD化。500枚限定プレス。

「Hope for the Best - Main Title」は、コーラスによるメル・ブルックス作曲の主題歌『Hope for the Best』(ヨハネス・ブラームス作曲の『ハンガリー舞曲第4番』を基にしている)をフィーチャーしたメインタイトル。「The Little Chair-Chase」は、バラライカを加えたロシア風のコーラス曲。「Vorobyaninov's Theme」は、ピアノとストリングスによるメランコリックでドラマティックなイッポリトの主題。「The Big Chair-Chase」は、ロシア風のビジーで躍動的な曲。「The Band Aboard the Boat」は、ロシア風のダンスミュージック。「The Little Sad Train Goes to Big Happy Moscow」は、メランコリックなタッチから後半躍動的なマーチ調の主題へ。「Hope for the Best – Instrumental」は、主題歌のインストゥルメンタル版で、ダンスミュージック調。「Cafe Music」は、バラライカとアコーディオンをフィーチャーしたジェントルなワルツ。「The Walk Across Russia」は、コーラスによるメランコリックなタッチの曲。「The Circus Band」は、明るく快活なマーチ。「Finale – Hope for the Best」は、主題曲のリプライズによるフィナーレ。
オーケストレーションと指揮はスティーヴン・ソンドハイムの長年のコラボレーターだったジョナサン・テューニック(1938〜)。
(2026年1月)

John Morris

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