ツェッペリン ZEPPELIN

作曲・指揮:ロイ・バッド
Composed and Conducted by ROY BUDD

(ドイツCaldera Records / C6065)

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1971年製作のイギリス映画。監督は「45回転の殺人」(1960)「太陽にかける橋」(1961)「放浪の剣豪」(1962)「八点鐘が鳴るとき」(1971)「(TV)新・メグレ警視/メグレとベンチの男」(1993)等のベルギー出身のエチエンヌ・ペリエ(1931〜2020)。出演はマイケル・ヨーク、エルケ・ソマー、ペーター・カルステン、マリウス・ゴーリング、アントン・ディフリング、アンドリュー・キア、ルパート・デイヴィス、アレクサンドラ・ステュワルト、ウィリアム・マーロー、リチャード・ハーンドール、マイケル・ロビンス、ジョージ・ミケル、クライヴ・モートン、ゲイリー・ウォルドホーン、アラン・ロスウェル他。オーウェン・クランプの原案を基にアーサー・ロウとドナルド・チャーチルが脚本を執筆。撮影はアラン・ヒューム。

1915年、ドイツ軍が開発した新型兵器である巨大飛行船ツェッペリン(LZ 36)による爆撃に悩まされていたイギリス空軍は、ドイツとイギリスの血筋を引き、ドイツ語を流暢に喋りツェッペリンの基地がある場所の地理にも詳しいジェフリー・リヒター=ダグラス中尉(ヨーク)を情報部に呼び出す。その頃彼が付き合っていたステファニー(ステュワルト)という女性が実はドイツのスパイであると察知していたイギリス情報部は、その関係を利用し、ツェッペリンの動向を探るとの指令をジェフリーに与える。イギリス側の思惑通りステファニーからドイツのスパイになるように勧誘されたジェフリーは、彼女が用意したルートで英仏海峡を渡り、ドイツ軍の基地でドイツ情報部のヒルシュ大佐(ディフリング)、タウントラー少佐(カルステン)に迎えられ、ツェッペリンの設計者でチーフ・エンジニアであるアルツシュル博士(ゴーリング)と彼の若い妻エリカ(ソマー)を紹介される。夫のよき協力者であるエリカは、平和利用のために作ったはずの飛行船が兵器として利用されることに幻滅していた夫を慰め、勇気づけていた。ツェッペリンがテスト飛行をする日にジェフリーは突然呼び出され、飛行船に搭乗することになる。それはテスト飛行ではなく、スコットランドの城に隠されているイギリスの歴史的資料や絵画、財宝を奪取するとの作戦で、ジェフリーはスコットランドへの道案内を指示される。彼は作戦を阻止すべく、なんとかイギリス情報部に連絡を取ろうとするが……。

音楽はロイ・バッド(1947〜1993)で、これは彼が24歳の時に手がけたスコア。このスコアは、1999年にイギリスのCinephileレーベルが出したロイ・バッドの映画音楽集コンピレーションCD(Cinephile CIN CD 022)と、2012年にイギリスのSilva Screenレーベルが出した同様のコンピレーションCD(Silva Screen Records SILCD1333)に2曲のみが収録されていたが、これらはアルバム用に再録音されたものだった(サントラ音源は紛失していると長年考えられていた)。2025年8月にCalderaレーベルがリリースした全18曲収録のこのCDは、ロイの未亡人シルヴィアが個人的に保管していたステレオ・テープと、2024年にロイのいとこのジャンが提供したアセテート・コピーを基にクリーンアップしたものを使用しており、コンプリートスコアではないが、貴重な音源の初リリース。

「Main Titles」は、飛行船のプロペラ音のイントロからダイナミックでストイックなマーチ調のメインの主題へと展開するメインタイトル。「Showdown」は、ミリタリスティックな主題からビジーでダイナミックなサスペンスアクション音楽へと展開する曲で、ロイ・バッドらしいスリリングなタッチが秀逸。「Approaching Balcoven / In Germany」は、メインの主題のマーチから後半ミリタリスティックなマーチへ。「Trouble in the Sky」は、ダークで重厚なタッチから後半ビジーでダイナミックなサスペンスアクション音楽へ。「LZ 36」は、ダークで重厚なタッチからメインの主題のマーチへ。「Erika Visits」「Erika Visits (alt.)」は、リリカルでややメランコリックなタッチのエリカの主題。「To the Boat」は、スリリングなタッチの曲。「Docking」は、ミリタリスティックなサスペンス音楽。「Reaching 12,000 Feet」は、ダークなタッチのサスペンス音楽。「Descend!」は、ドラマティックなサスペンス音楽。「A Night with a Spy」は、ジェントルでリリカルなタッチからギターをフィーチャーしたメランコリックなタッチへ。「Garden Party」は、ストリングスによる快活でクラシカルなタッチの曲。

最後にボーナスとして、ロイ・バッドが1960年代後半から1970年代にかけて録音したデモ音源5曲を初収録。「A Day Alone with You」は、ピアノ・ソロによるジェントルで大らかなタッチの曲。「Roy's Tune」は、ピアノによる明るくライトでリズミックな曲。「Someday Summertime Will Come」は、ジェントルなジャズ・ピアノ。「Untitled Demo」は、ラテン調の明るく快活なダンス・ミュージック。「Give Me One More Chance (Demo)」は、ピアノ・ソロによるメランコリックなタッチの曲。
(2026年1月)

Roy Budd

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