Date of Birth: 1947/3/14
Place of Birth: Croydon, Surrey, England
Date of Death: 1993/8/7
Mini Biography:
A child prodigy, Budd taught himself to play piano by ear, later mastering the Wurlitzer organ as well. Making his London Coliseum debut at the age of 6, by 12 he was regularly appearing on television, also performing for the royal family at the London Palladium. As a teen, he formed a jazz trio with bassist Pete Morgan and drummer Chris Karan, quitting school at 16 to play professionally. While in residence at the London club the Bull's Head, he was befriended by composer Jack Fishman, who helped him land a record contract with MCA. He made his first foray into film composition with his soundtrack to 1970's "Soldier Blue". He remained one of the busiest composers in British film throughout the decade, scoring well over two dozen pictures. He also played regular jazz gigs at 'Duke's Bar' in Marylebone, London; as well as partnering veteran harmonica player Larry Adler. He arranged for and accompanied such artists as Bob Hope, Tony Bennett, Charles Aznavour and Caterina Valente (who became his first wife) in concerts all around the world. He died suddenly at the age of just 46, shortly after completing a new symphonic score for the 1925 silent adaptation of "The Phantom of the Opera".
Official website of Roy Budd: http://www.roybudd.com/
ロイ・バッド作品集 ROY BUDD: REBIRTH OF THE BUDD 作曲・指揮:ロイ・バッド (英Sequel / NEMCD927) |
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これはイギリスの映画音楽作曲家/ジャズ・ピアニスト、ロイ・バッドによるコンピレーション・アルバムである。全25曲中の大半はジャズだが、バッドが過去に作曲した「爆走!」「狙撃者」「ソルジャー・ブルー」「ツェッペリン」「殺しのカルテ」といった映画音楽も収録されており、これらは今までCD化されていなかったもので、過去にプレスされたLPも入手困難となっている貴重な録音ばかりであり、ファンにとっては画期的なリリースと言える。
ロイ・バッドは1947年生まれのイギリス人だが、ジャズ・ピアニストとしての演奏活動の傍ら、70年代より映画音楽も手がけるようになり、上記以外にも「マーベリックの黄金」「シンジケート」「マルセイユ特急」「ドラブル」「太陽にかける橋」「ワイルド・ギース」「シーウルフ」といった多数の作品を担当した。ジャズとシンフォニーのコンビネーションによるバッドのスコアは抜群にカッコよく、特に「狙撃者」「殺しのカルテ」「爆走!」「シンジケート」といったアクション映画に付けたシャープな切れ味の劇音楽は誰にも真似のできない彼独特のタッチであり、今聴いてもそのセンスの良さに圧倒される。「太陽にかける橋」「ワイルド・ギース」「シーウルフ」ではイギリスの名門ナショナル・フィルハーモニック・オーケストラを指揮して、極めてパワフルなスペクタクル音楽を聴かせてくれた。残念ながら1993年8月7日に46歳の若さで病死しており、死の直前までサイレント映画の「オペラの怪人」に付けるフル・シンフォニック・スコアを準備中だったという(この映画にはその後カール・デイヴィスがスコアを作曲した)。
(1998年3月)
殺しのカルテ THE CAREY TREATMENT 作曲・指揮:ロイ・バッド (米Film Score Monthly / Vol.8 No.16) |
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1972年製作のアメリカ映画。監督は「ティファニーで朝食を」(1961)「酒とバラの日々」(1962)「ピンクの豹」(1963)「グレートレース」(1965)「テン」(1979)「ブラインド・デート」(1987)「スウィッチ/素敵な彼女?」(1991)等のブレイク・エドワーズ。出演はジェームズ・コバーン、ジェニファー・オニール、パット・ヒングル、スカイ・オーブリー、エリザベス・アレン、ジョン・フィンク、ダン・オハーリヒー、ジェームズ・ホン、アレックス・ドライアー、マイケル・ブロジェット、レジス・トゥーミー、スティーヴ・カールソン、ローズマリー・エデルマン他。「アンドロメダ…」(1971)「電子頭脳人間」(1974)「大列車強盗」(1978)「ライジング・サン」(1993)「ジュラシック・パーク」(1993)「ディスクロージャー」(1994)「コンゴ」(1995)「スフィア」(1998)「13ウォーリアーズ」(1999)「タイムライン」(2003)等のマイケル・クライトンの原作「A Case of Need」(ジェフリー・ハドソン名義)を基にジェームズ・P・ボナー(ハリエット・フランク・Jr.)が脚本を執筆。撮影はフランク・スタンリー。ボストンの病院で働く病理学者ピーター・ケアリー(コバーン)は、同僚の医師タオ(ホン)が違法な墜胎により有力者の14歳の娘を死なせてしまった事件の謎を調査しはじめるが……。
音楽はイギリス人のロイ・バッドが作曲しており、ここでは彼が得意とするジャズ・ベースのサスペンス・スコアを提供している。冒頭の「Main Title」はバッドの全スコア中でも最もかっこいい曲の1つで、このメインの主題は「Courtship」等ではピーターとジョージア(オニール)のラブ・テーマとしても登場する。「Source」はアップテンポのクールなジャズ(劇中でカーラジオから流れてくるソース音楽)。パーティのシーンで流れる「Party」や、バッド自身のピアノによる「Blues」等もジャズによるソース音楽。「The Victim」は、ストリングス主体のトラジックでダークな曲。「Interlude/Car Ride」は、ラブ・テーマからタフなカー・チェイス音楽へと展開。「Sex Photo」も、ジェントルなラブ・テーマからダイナミックなピアノをフィーチャーした激しいアクション音楽に展開。「The Heavy」「Hospital Attack」はサスペンス調。「Fight」は短いがパワフルなアクション音楽。「End Title」はメインの主題のリプライズによるエンド・タイトル。この「殺しのカルテ」のスコアは、メイン・タイトルの再録音バージョンが過去のコンピレーション・アルバムにも収録されていたが、このFilm Score MonthlyレーベルのCDはサントラ音源によるコンプリート・スコアの初CD化。更にこの2枚組CDにはマイケル・クライトンが監督・脚本を手がけた「ウエストワールド」(1973)のフレッド・カーリン作曲のスコアと、「コーマ」(1977)のジェリー・ゴールドスミス作曲のスコアも収録されており、“マイケル・クライトン特集”となっている。
ロイ・バッドが手がけた作品には
「(未公開/TV)Mr.
Rose」(1967)
「ソルジャー・ブルー(Soldier Blue)」(1970)
「狙撃者(Get Carter)」(1971)
「小さな冒険者(Flight of the Doves)」(1971)
「ツェッペリン(Zeppelin)」(1971)
「マーベリックの黄金(Catlow)」(1971)
「(未公開)The Magnificent Seven Deadly Sins」(1971)
「(未公開)スコットランドは死なず/戦場をかけぬけた男たち(Kidnapped)」(1971)
「(未公開)Extremes」(1971)
「(未公開)囁く砂(Something to Hide)」(1972)
「(未公開)Steptoe and Son」(1972)
「殺しのカルテ(The Carey Treatment)」(1972)
「(未公開/TV)The Man Who Came to
Dinner」(1972)
「爆走!(Fear Is the Key)」(1972)
「(未公開)Man at the Top」(1973)
「(未公開)Steptoe and Son Ride Again」(1973)
「シンジケート(The Stone Killer)」(1973)
「(未公開)Korkusuzlar」(1974)
「ドラブル(The Black Windmill)」(1974)
「(未公開)新ドミノ・ターゲット/恐るべき相互殺人(The Internecine Project)」(1974)
「マルセイユ特急(The
Marseille Contract)」(1974)
「太陽にかける橋/ペーパー・タイガー(Paper Tiger)」(1975)
「MR.ダイヤモンド(Diamonds)」(1975)
「(未公開)監獄都市ブラッド(Welcome to Blood City)」(1977)
「シンドバッド虎の目大冒険(Sinbad and the Eye of the Tiger)」(1977)
「(未公開)フォックス・バット/NATO
CODE NAME MIG-25(Woo fook, aka Foxbat)」(1977)
「(未公開)明日なき銃弾(Tomorrow Never
Comes)」(1978)
「ワイルド・ギース(The Wild Geese)」(1978)
「(未公開/TV)The
Sandbaggers」(1978〜1980)
「(未公開)新説!人類(珍)化論!?(Le chaînon manquant, aka The
Missing Link)」(1980)
「シーウルフ(The Sea Wolves: The Last Charge of the Calcutta
Light Horse)」(1980)
「(未公開)みんなドラキュラ(Mama Dracula)」(1980)
「(未公開)ファイナル・オプション(Who Dares Wins, aka The Final Option)」(1982)
「(未公開/TV)Squaring the Circle」(1984)
「(未公開)ワイルド・ギース II(Wild Geese II)」(1985)
「(未公開)38度線(Field of Honor)」(1986)
「(未公開)Le Big-Bang」(1987)
「オペラの怪人(The
Phantom of the Opera)」(1925年製作のサイレント映画に1993年に新たにスコアを作曲したもの)
がある。
(2005年11月)
(2017年12月)
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