トランスポーター

The Transporter (Le transporteur)


■ストーリー:

静まり返った地下駐車場に停められた1台のBMW735。
運転席には黒いスーツに身を包んだ男が、動き出すその瞬間を静かに待っている。
男の名はフランク・マーティン。
高額な報酬と引換えに、どんな依頼品でも正確に目的地まで運ぶ、
“運び屋(トランスポーター)”のプロフェッショナルだ。
今回の依頼は3人の強盗犯を無事に逃がすこと。
しかし、約束の時間に銀行から飛び出してきたのは4人の男たちだった。
契約後は、変更も再交渉にも一切応じないフランク。
銃で脅されても、契約内容は動かない。
「輸送人数3人、合計体重254キロ」
その時、近づくサイレンに焦りをおぼえた犯人の銃口は、
後部座席の仲間のひとりに向けられた。
条件は揃った。フランクは瞬時に別のナンバープレートにすりかえると、
一気にアクセルを踏み込み、
凄腕のドライビング・テクニックで警察の追跡を引き離し、目的地に辿り着く。

海辺にひっそりと建つフランクの自宅。
玄関のベルが鳴ると、そこにはタルコーニ警部が立っていた。
犯人逃走に使われた車の割り出しにフランクのアリバイを聞き出すその眼差しは鋭い。
だが、証拠となるものは何ひとつ見当たらない。
渋々引き下がる警部を跡目に、また新たな依頼が舞い込んできた。
新しい依頼品は縦150cm×横50cm、重さ50kg未満の黒いパッケージ。
トランクにブツを詰め込み車は静かに走り出したが、どうも様子がおかしい。
中身が気になり、自分に課したルールのひとつである「依頼品を開けない」を破り、
フランクは遂に中身を開けてしまう。
そこで彼が目にしたのは...手足を縛られたひとりの女だった。



少し遅れて到着したフランクに、中身を知られたと直感した組織のボス、ウォール・ストリートは、さらなる依頼を装い、時限爆弾を仕掛けた銀のジェラルミンケースを預ける。
ドライブ・インでブレイクを挟み、車に戻ろうとしたその瞬間、BMWが爆音とともに宙を舞い大破する。
フランクの怒りは一気にレッドゾーンに達した。
すぐさま組織のアジトに引き返すと、そこにいた手下たちに容赦ない制裁を下す。
フランクは駐車場に停めてあったメルセデスを奪い、猛烈なスピードで走り去るが、
なんと後部座席にはパッケージの中にいたはずの女が逃げ込んでいた。

 



自分に災いをもたらすこの女をフランクは一度捨て去るが、そうもできず、仕方なく自宅に連れ戻る。
どうしてこの女は袋詰めにされていたのか?
そして、自分を標的にしようとした奴らの正体は? もはや、後戻りができない状況に巻き込まれたフランクの背後に、犯罪の匂いを嗅ぎつけた警察の捜査網と、
執拗にふたりを追いかける犯罪組織の復讐の手が迫ろうとしていた....。


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