シティ・オブ・ゴッド

Cidade de deus


■ストーリー:
物語は60年代後半、ブラジル、リオデジャネイロ郊外に新設された公営住宅“シティ・オブ・ゴッド”から始まる。集まって来るのはみな、洪水や放火で他のスラムを追い出され流れてきた貧乏な連中ばかり。みな天国を求めてこの街にやって来たはずだった。
写真家になって街を出ることを夢見るブスカペ。リオ一のギャングになることを夢見るリトル・ゼ(リトル・ダイス)。ギャングから足を洗い、彼女とほかの街で平和な生活を送ることを夢見るベネ。自分のシマを守れるか瀬戸際のヤクの元締めセヌーラ。いい仕事を見つけて街を出ることを夢見るバスの車掌マネ。
それぞれの人間の愛と夢と欲望が渦巻くリオのスラム社会は、ドラッグと暴力と血にまみれ、徐々に手の付けようのない危険な怪物へと変貌していく・・。

パート1:60年代後半
“優しき3人組”ことカベレイラ、アリカーチ、マヘクの3人が、街でのさばり強盗を繰り返している。ある日、カベレイラの弟分リトル・ダイスが考案した“モーテル襲撃事件”が歴史に残る惨劇となり、警察に追われる身となった3人組は解散、それぞれ身を隠した。数ヶ月後、街を出ようとしたカベレイラは、警察に見つかりあえなく銃殺される。カベレイラの遺体にフラッシュをたく新聞記者のカメラに強い印象を受けたブスカペは、その日からカメラマンになってこの街を出ることを夢見るようになる。

 

パート2:70年代
高校生になったブスカペは毎日ビーチに出かけて仲間と集い、自分で買った世界一安いカメラで仲間の写真を撮り、憧れのアンジェリカと結ばれて童貞を失う夢ばかり見ながら、楽しい学生生活を満喫している。
一方、モーテル襲撃事件以来、他の街に身を隠して悪事を働きつつ成長してきたリトル・ダイスは、リトル・ゼと名前を改め、シティ・オブ・ゴッドを乗っ取るために戻ってくる。彼は親友のベネとともに、一日でスラム全域を支配下に治め、18歳にして街でNo.1の悪党に成り上がった。リスクの割には儲からない「強盗」から足を洗い、「麻薬」(特にコカイン)ビジネスに転向した2人はその道の成功者となり、まさにこの世の頂点を極めたかに見えた。
リトル・ゼが極悪の道を突き進む一方、ベネは天性の明るい寛容な性格から、ファッションや恋にも目覚めていく。ブスカペの憧れ、アンジェリカと恋に落ちたベネは、リトル・ゼの残忍さに愛想を尽かし、彼女と2人で街を出て農村かどこかで暮らすことを考え始める。
そしてベネの送別会の日がやってくる。しかし、リトル・ゼと唯一敵対するギャング、セヌーラの弟分ネギーニュの放った銃弾によって、パーティは予期せぬ悲劇の舞台と化してしまうのだった・・。

 

パート3:終焉のはじまり − 70年代末〜
リトル・ゼに彼女をレイプされ、家族を殺されたバス車掌のマネは、復讐のためセヌーラ一味と手を組むことを決意し、いよいよリトル・ゼVSセヌーラ&マネの間で抗争が勃発。
リトル・ゼはそれまで“自分のシマを荒らすから”と目の仇にしてきた少年たち(=ガキ軍団)も勢力に取り込み、またセヌーラはリトル・ゼに怨みをもつすべての人間を集めて対立。堅気も子供も巻き込んだ血で血を洗う戦争の幕開けとなった。
そのころブスカペは、リトル・ゼのアジトに呼ばれて撮らされた写真が新聞社に買われて仕事を獲得し、アルバイトをしながら写真記者の見習いを始めていたところだった・・。

 

 


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