クロード・ボラン
  Claude Bolling

Date of Birth: 1930/4/10
Place of Birth: Canne, Alpes-Maritimes, France
Date of Death: 2020/12/29

Mini Biography:
Bolling took piano lessons as part of his education when he was around the age of 11 or 12. He has always lived in Paris except for the WWII period, when he was in Nice, where he was taught the basis of his art by his teacher Marie Louise "Bob" Colin. At 16, he brought together some talented young musicians, and by the age of 18 started recording with his first small band. Although he was not admitted at the Conservatoire or at other music schools, he continued to learn with some excellent teachers, including Germaine Mounier for classical piano. He became very active in the jazz world and played in numerous concerts and recordings with the greatests such as Rex Stewart, Buck Clayton, Lionel Hampton, Albert Nicholas, and Roy Eldridge. He created "Crossover Music" of classic and jazz by composing "Suite for Flute and Jazz Piano Trio" for the flutist Jean-Pierre Rampal. He has been a fervent ecologist ever since the 50's and has helped various organizations for environment and animal protection. He was awarded Chevalier of the "Legion d'Honneur".

Official Website of Claude Bolling: http://www.claude-bolling.com/

 

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クロード・ボラン映画音楽集 LES MUSIQUES DE CLAUDE BOLLING (LE CINEMA CA S'ECOUTE)

作曲・指揮:クロード・ボラン
Composed and Conducted by CLAUDE BOLLING

(仏Travelling / K 1505) 1995

<収録曲>

1. ボルサリーノ   Borsalino (4曲)
2. ボルサリーノ2  Borsalino & Co (8曲、但しセリフのカットを含む)
3. もういちど愛して  Doucement les basses! (6曲、但しセリフのカットを含む)
4. フリック・ストーリー  Flic Story (6曲、但しセリフのカットを含む)

ジャック・ドレー監督=アラン・ドロン主演=クロード・ボラン音楽による4作品を集めたコンピレーション。ボランの代表作を含んでおり、少しずつタッチが異なるスコアを収録している。

1. ボルサリーノ   Borsalino

1969年製作。ドロンが自らプロデュースしてジャン=ポール・ベルモンドと共演したギャング映画。その他の出演者はミシェル・ブーケ、カトリーヌ・ルヴェル、ミレーユ・ダルク、コリンヌ・マルシャン、ニコール・カルファン他。ユジーヌ・ソッコマールの原作「Bandits a Marseille」をベースに、ジャン=クロード・カリエール、クロード・ソーテ、ジャン・コーと監督のジャック・ドレーが脚本を執筆。1930年代のマルセイユを舞台に、暗黒街の大ボスを敵に廻してのし上がって行く2人のギャング、ロッコ(ドロン)とフランソワ(ベルモンド)の闘いと友情を描く。この2大スターは1998年にパトリス・ルコント監督の「ハーフ・ア・チャンス」でも再共演しているが、この作品には「ボルサリーノ」を意識したシーンがいくつか出て来る。クロード・ボランの音楽は何といってもラグタイム風の明るく軽快な「ボルサリーノのテーマ」が有名で、一度聞いたら忘れられない名曲。モダンジャズの手法により30年代のフレーバーを再現しているところが上手い。ドロンによると、いまだにどこの国を訪れても彼を歓迎するためにこのテーマが演奏されるらしい。同じジャズを使った映画音楽でもフランス映画のエスプリを感じさせるところがいい。

2. ボルサリーノ2   Borsalino & Co

1974年製作の続編。共演はカトリーヌ・ルヴェル、リカルド・クッチョーラ、ダニエル・イヴァネル、アンドレ・ファルコン他。脚本はドレーとパスカル・ジャルダン。1作目のラストで殺された相棒のフランソワの仇を取るため敵のギャングを殺したロッコは、ジェノアへと逃亡するが、彼が殺したギャングの兄弟ヴァルポーネが更にその後を追う……。続編の音楽は復讐劇のせいか1作目よりも暗めでシリアスなタッチ。ラストの「Epilogue」は1作目のテーマのビッグバンドによる演奏となっている。

3. もういちど愛して   Doucement les basses!

1970年製作。ドロンが実生活で離婚したナタリー・ドロンと共演したコメディ。その他の出演者はジュリアン・ギオマール、ポール・ムーリス他。脚本はジャック・ドゥミーとパスカル・ジャルダンが担当。世俗に別れを告げた神父(A・ドロン)のもとに、死別したはずの妻(N・ドロン)が現れ、彼に「もういちど愛して」と囁く……。ボランの音楽は宗教音楽風の荘厳なコーラスから軽快なジャズのスキャットへと展開するメインテーマが面白い。

4. フリック・ストーリー   Flic Story

1975年製作の実話に基づく犯罪ドラマ。フランス国家警察の刑事ロジェ・ボルニッシュ(ドロン)と、凶悪犯罪者エミール・ビュイッソンジャン=ルイ・トランティニアン)との執念の対決を描く。共演はクローディーヌ・オージェ、マリオ・ダヴィッド、レナート・サルヴァトーリ、アンリ・ギベ、アンドレ・プッス、クリスティーヌ・ボワッソン、フランソワ・ドルネ他。ボルニッシュによる原作を基にアルフォンス・ブーダールとジャック・ドレーが脚本を執筆。逮捕されるまでに100件以上の強盗と30件以上の殺人を犯した冷酷な凶悪犯ビュイッソンを演じたトランティニアンが秀逸。ボランのスコアは、情感豊かでハードボイルドなタッチのメインテーマが実にいい味を出しており、この曲はボランの作品中でも個人的に一番好きな音楽である。ピアノをフィーチャーしたエンドタイトル「Epilogue et generique fin」も良い。

(2000年8月)

= 2018年6月追記 =

仏Music Boxレーベルより「フリック・ストーリー」より8曲、「もういちど愛して」より9曲を収録したCDがリリースされている(Music Box Records / MBR-132)。
収録曲は以下の通り。

★TOWER.JPで購入

FLIC STORY

1. Flic Story Thème (3:27)
2. Flic Story (Thème de Buisson) (1:27)
3. Flic Story Thème (3:24)
4. Flic Story (Thème de Buisson) (1:01)
5. Flic Story Thème (1:46)
6. Flic Story (Thème de Buisson) (1:08)
7. Flic Story Thème (Variations suite) (4:42)
8. Paris Rétro (Final) (3:44)

Time 20:59

DOUCEMENT LES BASSES

9. Mélodie du rêve (3:36)
10. Doucement les basses (3:46)
11. La nuit je me promène (2:27)
12. Entre ciel et mer (3:23)
13. Happy night (4:29)
14. Le vent (3:34)
15. Calvaire (2:34)
16. La nuit je me promène (accordéon solo) (2:27)
17. Générique fin (Happy night) (3:10)

Time 29:46

Total Time 50:47

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カリフォルニア・スイート CALIFORNIA SUITE

作曲・指揮:クロード・ボラン
Composed and Conducted by CLAUDE BOLLING

(米CBS / MK 36691) 1978

cover
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「裸足で散歩」(1967)「おかしな二人」(1968)「名探偵登場」(1976)「グッバイガール」(1977)等で知られるニール・サイモンの脚本によりハーバート・ロスが監督した1978年製作の風刺劇。出演はジェーン・フォンダ、アラン・アルダ、マギー・スミス、マイケル・ケイン、ウォルター・マッソー、エレイン・メイ、ハーブ・エデルマン、リチャード・プライアー、ビル・コスビー、デニス・ガリック=フューレー、グロリア・ギフォード他。撮影はデヴィッド・M・ウォルシュ。ベヴァリー・ヒルズの豪華ホテルを舞台に描かれる4つのオムニバス・ストーリー。離婚したカップル、フォンダとアルダの娘をめぐる争いを描く1話、アカデミー賞の授賞式に出席するためにイギリスからやってきた女優スミスとゲイの男優ケインを描く2話、休暇で妻とともにやってきたコスビーとプライヤーを描く3話、兄弟から娼婦をプレゼントされたマッソーを描く4話から成る。マギー・スミスが1978年度アカデミー賞の助演女優賞を受賞。

クロード・ボランの音楽は、ニール・サイモンの都会的で洒落た風刺劇にふさわしいクールで、上質なユーモアのセンスを感じさせるジャズ。クラシックの室内楽的なタッチが随所に見られるのが面白い。サントラ盤は演奏もヒューバート・ローズ(フルート)、クロード・ボラン(ピアノ)、チャック・ダモニコ(ベース)、シェリー・マン(ドラムス)、バド・シャンク(フルート、ソプラノ・サックス)、トミー・テデスコ(ギター)、ラルフ・グリアソン(ピアノ)と一流。フルートとピアノが軽快なタッチのメインテーマ「California」も良いが、2本のフルートがクラシカルな掛合いを見せる「Black Folks」が実に楽しい。

クロード・ボランはジャズの作曲家としても有名で、様々な楽器の著名なアーティスト達と共演した以下のようなジャズ・アルバムがある。いずれも内容・演奏ともに素晴らしい(作曲とピアノは全てクロード・ボラン)。

(2000年8月)

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トレンチコートの女 ON NE MEURT QUE DEUX FOIS

作曲・指揮:クロード・ボラン
Composed and Conducted by CLAUDE BOLLING

(仏Hortensia / CD CH 801) 1991

1985年製作のフランス映画。監督は「ボルサリーノ」等のジャック・ドレー。出演はミシェル・セロー、シャーロット・ランプリング、サヴィエ・ドリュック、エリザベート・ドパルデュー、ジャン・ルーヴレ、ジャン=ポール・ルシロン、モーリス・バリエール他。ロビン・クックの原作を基にミシェル・オーディアールとドレーが脚本を担当。撮影はジャン・パンゼ。列車内での殺人事件を追うパリ警察のロベール・スタニランド刑事(セロー)は、被害者であるピアニストの愛人バーバラ(ランプリング)に疑いを抱くが、次第に彼女の魅力の虜になっていく……。

クロード・ボランのスコアは、犯罪映画の音楽にふさわしいミステリアスでハードボイルドなタッチ。特にピエール・ゴセのアルト・サックスをフィーチャーしたけだるい雰囲気のメインタイトル「Generique debut」が素晴らしい。「Barbara」「La douche」での流麗で美しい音楽も良い。「Chopinesque」ではボラン自身の演奏によるクラシカルなジャズ・ピアノを聞かせる。全体にサスペンスフルでリッチなオーケストラ+ジャズによる良質のフィルムスコアである。尚、このCDは同じボラン作曲によるイヴ・モンタン主演の「(未公開)NETCHAIEV EST DE RETOUR」のスコアとのカップリングになっているが、こちらの音楽もサスペンスフルなタッチで良い。

(2000年8月)

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クロード・ボラン アメリカ映画音楽集 CLAUDE BOLLING - AMERICAN MOVIES

作曲:クロード・ボラン
Composed by CLAUDE BOLLING

(仏Fremeaux & Associes / FA 510)

<収録曲>

1. 雨のパスポート Catch Me A Spy
2. (未公開)シルバー・ベアーズ Silver Bears
3. レッズ Reds
4. (未公開)キーファー・サザーランドのベイ・ボーイ The Bay Boy
5. カリフォルニア・スイート California Suite
6. ピラミッド The Awakening

フランスの映画音楽/ジャズ作曲家クロード・ボランが英語作品に作曲したスコアを集めたコンピレーション(アルバムのタイトルは『アメリカ映画音楽集』となっているが、実際にはイギリス映画やカナダ映画も含まれている)。仏ユニヴァーサルの「Ecoutez le cinema!」シリーズをプロデュースしているステファーヌ・ルルージュとクロード・ボラン自身がアルバムを監修。CD2枚組となっており、2枚目には「ピラミッド」のコンプリート・スコアを収録。

1. 雨のパスポート Catch Me A Spy

1971年製作のアメリカ=イギリス=フランス合作映画。監督・脚本は「脱走山脈」(1968)「ネバーセイ・ネバーアゲイン」(1983)「バンク・ジョブ」(2008)等の脚本や「地獄のかけひき」(1968)の監督を手がけているディック・クレメント。出演はカーク・ダグラス、マルレーヌ・ジョベール、トレヴァー・ハワード、トム・コートネイ、ベルナデット・ラフォン、ベルナール・ブリエ他。撮影はクリストファー・チャリス。新婚初夜に突然スパイ容疑で連れ去られてしまった夫を救うべく奮闘する妻を描いたコメディ。ボランのスコアは「Catch me a spy (Main title)」が、明るく軽快でアップビートなメインタイトル。「Mexican waltz」も同じく軽快な曲。「Suspense in romance」は、ジェントルでリリカルな曲。「Hora」は、躍動的でスリリングなアクション音楽。「End credits」もジェントルなタッチ。シンフォニック・ジャズ風の洒落たタッチがいかにもボランらしい。

2. (未公開)シルバー・ベアーズ Silver Bears

1978年製作のイギリス映画(日本では劇場未公開でビデオ発売済)。監督は、チェコ出身で「生き残るヤツ」(1971)「クリエイター」(1985)「(未公開)幽霊伝説/フランケンシュタイン誕生秘話」(1988)「(TV)独裁/スターリン」(1992)等のアイヴァン・パッサー。出演はマイケル・ケイン、シビル・シェパード、ルイ・ジュールダン、ステファーヌ・オードラン、デヴィッド・ワーナー、マーティン・バルサム、ジョス・アックランド他。ポール・エルドマンの原作を基に「シャレード」(1963)「蜃気楼」(1965)「サブウェイ・パニック」(1974)「料理長殿、ご用心」(1978)等の名手ピーター・ストーンが脚本を執筆。撮影はアンソニー・B・リッチモンド。ラス・ヴェガスのギャングに雇われたドク・フレッチャー(ケイン)は、ギャングの裏金隠しのためにスイスの銀行の買収を画策するが……。犯罪組織によるマネー・ゲームを描いたサスペンス。ボランのスコアは「The crooks」が、ラグタイム風の軽妙なタッチの曲。「To the silver mine」は、サスペンスフルで気だるいタッチのジャズ。「The bankers and the bears」は、コミカルで軽快な曲。

3. レッズ Reds

1981年製作のアメリカ映画。製作・監督・脚本・主演は「天国から来たチャンピオン」(1978)「ディック・トレイシー」(1990)「ブルワース」(1998)等のウォーレン・ベイティ。共演はダイアン・キートン、ジャック・ニコルソン、エドワード・ハーマン、ポール・ソルヴィノ、モーリーン・ステイプルトン、ジーン・ハックマン他。撮影はヴィットリオ・ストラーロ。ロシア革命に立ち合い、歴史的なルポ『世界をゆるがした十日間』を著した新聞記者ジョン・リードの生涯を描くドラマで、ベイティはこの作品でアカデミー賞の監督賞を受賞した。この映画の音楽はスティーヴン・ソンドハイムが作曲しているが、ここではクロード・ボランの編曲により、ボランがピアノ、ジャン=ピエール・ランパルがフルートを演奏したジェントルで美しい「Goodbye for now」を収録。ボランがランパルと組んで出したジャズ・アルバム「SUITE FOR FLUTE AND JAZZ PIANO」の成功の結果、米Columbiaレーベルからカバー演奏の依頼を受けたもの。

4. (未公開)キーファー・サザーランドのベイ・ボーイ The Bay Boy

1985年製作のカナダ=フランス合作映画(日本では劇場未公開でビデオ発売済)。監督は「ベッツィー」(1978)「アパッチ砦・ブロンクス」(1981)「コクーン2/遥かなる地球」(1988)「(TV)名犬ラッシー」(1994)等のダニエル・ペトリ。出演はキーファー・サザーランド、リヴ・ウルマン、ピーター・ドゥナット、アラン・スカーフ、マチュー・カリエール他。脚本はダニエル・ペトリ・Jr、撮影はクロード・アゴスティーニ。1930年代のカナダ、ノヴァ・スコシア州を舞台に、警官による殺人を目撃してしまったカトリック教徒の青年の苦悩を描くドラマ。ボランのスコアは、「Snowballs」が、軽快でジェントルなタッチ。「Donald」は、ピアノとストリングスによるサスペンス音楽。「Where is Joe ?」は、ジェントルな曲。「Farewell and finale」も、ギター、ストリングス、パンフルート等をフィーチャーしたジェントルで静かにドラマティックなフィナーレ。

5. カリフォルニア・スイート California Suite

1978年製作のアメリカ映画。監督は「チップス先生さようなら」(1969)「シーラ号の謎」(1973)「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」(1976)「愛と喝采の日々」(1977)「マグノリアの花たち」(1989)等のハーバート・ロス。出演はマイケル・ケイン、ジェーン・フォンダ、ウォルター・マッソー、アラン・アルダ、マギー・スミス、ビル・コスビー、リチャード・プライアー他。脚本はニール・サイモン。撮影はデヴィッド・M・ウォルシュ。「グッバイガール」(1977)の監督=脚本家コンビによる風刺劇。ボランのスコアは1枚もののサントラCDがリリースされており、このページでも紹介しているが、いかにも彼らしい軽妙でクールなジャズが楽しい。ここでは「California hotel (Main title)」「Love theme」「Black battle」「Beverly Hills」「Black folks」「End credits」の6曲が収録されているが、クラシカルで美しい「Beverly Hills」のみは、ボランがパリに戻って盟友ジャン=ピエール・ランパル(フルート)とアレクサンドル・ラゴヤ(ギター)と共に再録音したバージョンとなっており、今回が初収録。

6. ピラミッド The Awakening

1980年製作のイギリス=アメリカ合作映画。監督は「サイレント・ボイス/愛を虹にのせて」(1987)「魅せられて四月」(1992)「フォー・ウェディング」(1994)「フェイク」(1997)「モナリザ・スマイル」(2003)「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(2005)等のマイク・ニューウェル。出演はチャールトン・ヘストン、ステファニー・ジンバリスト、スザンナ・ヨーク、ジル・タウンゼント他。『吸血鬼ドラキュラ』で知られるブラム・ストーカーの原作を基にアラン・スコット、クリス・ブライアントとクライヴ・エクストンが脚本を執筆。撮影は名手ジャック・カーディフ。妊娠した妻と共にエジプトを訪れていた考古学者のマシュー・コーベック(ヘストン)は、古代エジプト王朝のカーラ王妃の謎を解くためにその墓を暴くが、やがて彼の妻が産んだ娘にカーラの魂が乗り移ってしまう……。これはボランが初めて手がけたファンタジー系作品のスコアで、得意とするジャズの領域を離れてオーソドックスなオーケストラによるドラマティック・アンダースコアを展開(オーケストラの指揮はマーカス・ドッズ)。「Queen Kara」は、ミステリアスなイントロからドラマティックで美しいカーラ王妃の主題へと展開するメインタイトル。このメインの主題は「Kara's will」「Psychiatrist's death」等でも登場する。「Heroglyphics」「The inner tomb」「The eclipse」「Mind over matter」等は、ホラー調のサスペンス音楽で、「Big drop」「The ceremony / Queen Kara (finale)」ではオーケストラがダイナミックに盛り上がる。「Corbeck's garden」は、唯一ジェントルな曲。全編がホラー・サスペンス調のダークなタッチだが、カーラの主題の美しいリリシズムにボランの個性を感じさせる。このスコアは過去に米Entr'acteレーベルよりサントラLPがリリースされていた。

クロード・ボランが手がけた作品には
「(未公開)Bonjour cinéma」(1955)
「(未公開)Cette nuit-là...」(1958)
「(未公開)L'homme à femmes」(1960)
「(未公開)The Hands of Orlac」(1960)
「悪の報酬(An einem Freitag um halb zwölf, aka On Friday at Eleven)」(1961)
「(未公開)Le jour et l'heure」(1963)
「(未公開)Constance aux enfers」(1963)
「(未公開)Les aventures de Salavin」(1964)
「(未公開)Moi et les hommes de 40 ans」(1965)
「(未公開)Con la muerte a la espalda」(1967)
「(未公開)Du mou dans la gâchette」(1967)
「ふたりだけの夜明け(Vivre la nuit)」(1968)
「(未公開)The Navigator」(1969)
「(未公開/TV)S.O.S. fréquence 17」(1969)
「(未公開)The Navigator」(1924/1969)
「ボルサリーノ(Borsalino)」(1970)
「どしゃ降り(Qui?)」(1970)
「(未公開)Le mur de l'Atlantique」(1970)
「(未公開/TV)Christa」(1971)
「もういちど愛して(Doucement les basses)」(1971)
「(未公開)On est toujours trop bon avec les femmes」(1971)
「雨のパスポート(To Catch a Spy)」(1971)
「(未公開)La grande maffia...」(1971)
「(未公開)Daisy Town」(1971)
「(未公開/TV)La mort des capucines」(1971)
「(未公開)La mandarine」(1972)
「(未公開)J'ai mon voyage!」(1973)
「(未公開)Le solitaire」(1973)
「おかしなおかしな大冒険(Le magnifique)」(1973)
「(未公開/TV)Monsieur Pompadour」(1973)
「(未公開)Deux grandes filles dans un pyjama」(1974)
「(未公開)Dites-le avec des fleurs」(1974)
「ボルサリーノ2(Borsalino and Co.)」(1974)
「(未公開)Dis-moi que tu m'aimes」(1974)
「(未公開/TV)Les brigades du Tigre」(1974〜1983)
「(未公開)Vous ne l'emporterez pas au paradis」(1975)
「(未公開)Il faut vivre dangereusement」(1975)
「フリック・ストーリー(Flic Story)」(1975)
「ル・ジタン(Le gitan)」(1975)
「(未公開/TV)Cigalon」(1975)
「(未公開)L'ordinateur des pompes funèbres」(1976)
「(未公開)脱獄の報酬(L'année sainte)」(1976)
「(未公開)Les passagers」(1977)
「(未公開/TV)Oh Archibald」(1977)
「(未公開)シルバー・ベアーズ(Silver Bears)」(1977)
「(未公開/TV)Emmenez-moi au Ritz」(1977)
「(未公開)Le mille-pattes fait des claquettes」(1977)
「(未公開/TV)Chantecler」(1977)
「(未公開)La ballade des Dalton」(1978)
「(未公開/TV)Claudine - Claudine s'en va, - Claudine en ménage, - Claudine à Paris, - Claudine à l'école」(1978)
「(未公開)Un papillon sur l'épaule」(1978)
「(未公開)L'horoscope」(1978)
「カリフォルニア・スイート(California Suite)」(1978)
「(未公開)怒れる男(L'homme en colère)」(1979)
「(未公開/TV)Les trois mousquetaires ou L'escrime ne paie pas」(1979)
「(未公開/TV)L'étrange monsieur Duvallier - Casse-Cash, - Cosmos-Cross, - Karaté-Caramel, - Bing-Banque, - Tire-lire」(1979)
「(未公開/TV)Miss」(1979)
「(未公開/TV)Le plus heureux des trois」(1979)
「(未公開)替え玉大作戦(La gueule de l'autre)」(1979)
「(未公開/TV)La pitié dangereuse」(1979)
「(未公開/TV)Les dossiers de l'écran - Le grand fossé」(1980)
「(未公開/TV)Georges Dandin」(1980)
「ピラミッド(The Awakening)」(1980)
「(未公開)ウィリーとフィル/危険な関係(Willie & Phil)」(1980)
「(未公開)ポーカー・フェイス/アラン・ドロン・ウィズ・ジャック・ドレー(3 hommes à abattre)」(1980)
「(未公開)Une merveilleuse journée」(1980)
「(未公開/TV)Le vol d'Icare」(1980)
「(未公開/TV)Docteur Teyran」(1980)
「(未公開/TV)Le calvaire d'un jeune homme impeccable」(1981)
「(未公開)Fais gaffe à la gaffe!」(1981)
「(未公開/TV)Ubu cocu ou l'archéoptéryx」(1981)
「(未公開/TV)Au bon beurre」(1981)
「(未公開)La revanche (1981)
「(未公開/TV)Emmenez-moi au théâtre - Spéciale dernière」(1982)
「(未公開/TV)Les secrets de la princesse de Cadignan」(1982)
「(未公開/TV)Les nerfs à vif」(1982)
「(未公開/TV)On sort ce soir - Panurge」(1982)
「(未公開)Le braconnier de Dieu」(1983)
「(未公開/TV)Credo」(1983)
「(未公開)Les Dalton en cavale」(1983)
「(未公開/TV)Louisiana」(1984)
「(未公開)Le léopard」(1984)
「(未公開)キーファー・サザーランドのベイ・ボーイ(The Bay Boy)」(1984)
「(未公開/TV)Le tueur triste」(1984)
「(未公開/TV)Lucky Luke」(1984〜1985)
「トレンチコートの女(On ne meurt que deux fois)」(1985)
「(未公開)彼女はジタン(La gitane)」(1986)
「(未公開)ラ・ルンバ(La rumba)」(1987)
「(TV)黙示録1945/ここに核の全てがある(Race for the Bomb)」(1987)
「(未公開/TV)La garçonne」(1988)
「(未公開/TV)Le clan」(1989)
「(未公開/TV)In der Stille ... Mord」(1989)
「レプスキー危機一発/ロシア皇帝の秘宝(Try This One for Size)」(1989)
「(未公開/TV)Renseignements généraux - Les habitudes la victime, - Vengeance」(1989〜1990)
「(TV)レプスキー大胆不敵/ジェネシスNo.18(Passez une bonne nuit, aka Have a Nice Night)」(1990)
「(TV)レプスキー最後の挑戦/コートダジュール殺人事件(Le denier du colt, aka Want to Stay Alive)」(1990)
「(未公開)Netchaïev est de retour」(1991)
「(未公開)Plaisir d'amour」(1991)
「(未公開/TV)L'amant de ma soeur」(1991)
「(未公開/TV)Lucky Luke - Tortillas pour les Dalton, - Défi à Lucky Luke, - Canyon Apache, - Alerte aux pieds bleus, - Le bandit manchot ...」(1991)
「(未公開/TV)Ce que savait Maisie」(1995)
「(未公開/TV)Une femme explosive」(1996)
「(未公開/TV)Antoine」(1996)
「(未公開/TV)Le veilleur de nuit」(1996)
「(未公開/TV)Maintenant ou jamais」(1997)
「(未公開)Hasards ou coïncidences」(1998)
「(未公開/TV)Lettre d'une inconnue」(2001)
「(未公開/TV)La vie devant soi」(2010)
等がある。
(2009年7月)
(2018年6月)
(2019年2月)

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