作曲：アンジェラ・モーレイ
Composed by ANGELA MORLEY
指揮：ジョン・ウィルソン
Conducted by JOHN WILSON
（英Vocalion / CDSA 6807） 2003
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Date of Birth: 1924/3/10
Place of Birth: Leeds, Yorkshire, England, UK
Date of Death: 2009/1/14
Mini Biography:
Angela Morley was, in her adolescence and early twenties, an instrumentalist playing in famous British bands and orchestras of the period. At 17, she played lead alto saxophone with Oscar Rabin's Band. At 20, she joined the Geraldo Orchestra, doing several radio programmes a week for the BBC. She studied harmony, counterpoint and composition with a Hungarian composer, resident in London, Matyas Seiber. She decided to give up playing to concentrate on writing at 26. She became musical director of the newly launched Philips Records (UK), arranging and conducting every week for all the contract artists as well as recording several instrumental albums of her own. She started to score films for Associated British Picture Corporation in 1953. Since 1969, she scored "The Looking Glass War", "When Eight Bells Toll" and "Captain Nemo and the Underwater City", which led to her writing adaptation scores for "The Little Prince" (collaborating with songwriters Lerner & Loewe) and "The Slipper and the Rose" (collaborating with Robert & Richard Sherman). In 1977, she scored almost all of "Watership Down". She also helped John Williams with the orchestration of his scores for "Star Wars", "Superman" and "The Empire Strikes Back". She had been nominated for an Academy Award for "The Little Prince" and "The Slipper and the Rose". By 1980, she had bought a house in California, and scored several TV films and many episodes of American TV series like "Dallas", "Dynasty", "Hotel", "Falcon Crest", "Cagney & Lacey", "Emerald Point", "Wonder Woman", "Island Son", "Blue Skies" and "McClain's Law". She was nominated 6 times for an Emmy Award for TV composing and won 3 for arranging. In 1998, she founded, in Scottsdale, Arizona, the Chorale of the Alliance Francaise of Greater Phoenix.
Official Website of Angela Morley: http://www.angelamorley.com/
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アンジェラ・モーレイ映画音楽集 THE
FILM & TELEVISION MUSIC OF ANGELA MORLEY
作曲：アンジェラ・モーレイ 指揮：ジョン・ウィルソン （英Vocalion / CDSA 6807） 2003 |
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＜収録曲＞
1. シンデレラ The Slipper and The Rose
2. （未公開/TV）Madame X
3. 八点鐘が鳴るとき When Eight Bells Toll
4. A Tender Mood
5. 鏡の国の戦争 The Looking Glass War
6. （TV）アーサー・ヘイリーのホテル Hotel - White Wing
7. Snow Ride
8. （TV）ダイナスティー Dynasty - Blues for Alexis
9. Rotten Row
10. My Autumn Love
11. A Canadian in Mayfair
12. ウォーターシップダウンのうさぎたち Watership Down
13. ネモ船長と海底都市 Captain Nemo and the Underwater City
イギリスの映画音楽作曲家アンジェラ・モーレイの作品を集めた新録音によるコンピレーションCD。モーレイは元はウォルター・ストットという男性で、初期に手がけた「ネモ船長と海底都市」「鏡の国の戦争」「八点鐘が鳴るとき」等ではストット名でクレジットされている。その後1972年に性転換手術を受けてアンジェラ・モーレイとなり、アラン・J・ラーナー & フレデリック・ロウによるミュージカル「星の王子さま」、シャーマン兄弟によるミュージカル「シンデレラ」の編曲や、「ウォーターシップダウンのうさぎたち」のスコアを手がけている。その後アメリカに移住して「ダラス」「ダイナスティー」等多数のTVシリーズの劇伴音楽を作曲している。
1. シンデレラ The Slipper and The Rose
1976年製作のイギリス映画。監督はブライアン・フォーブス、出演はリチャード・チェンバレン、ジェマ・クレイヴン、アネット・クロスビー、マイケル・ホーダーン、ケネス・モア、イーディス・エヴァンス、マーガレット・ロックウッド他。シャーマン兄弟（ロバート・B・シャーマンとリチャード・M・シャーマン）が脚本と音楽（作曲・作詞）を担当したミュージカルで、モーレイは編曲とオーケストラの指揮を担当している。「Introduction and Waltz」は、王子とシンデレラが初めて会うシーンの華麗でロマンティックな曲で、シャーマン兄弟作曲の「Suddenly it Happens」「He Danced With Me / She Danced With Me」のアレンジメントとなっている。「Transformation Music & Wedding March」は、シンデレラが平凡な少女からプリンセスへと変貌するシーンにモーレイが作曲した劇伴音楽と、荘厳な結婚行進曲。尚、このスコアは米Image EntertainmentレーベルからサントラCDがリリースされている。
2. （未公開/TV）Madame X
アレクサンドル・ビッソンの戯曲を基にした1981年製作のTV映画で、監督はロバート・エリス・ミラー、出演はチューズデイ・ウェルド、ジェレミー・ブレット、エレノア・パーカー、グランヴィル・ヴァン・デューセン、エドワード・アンハルト他。モーレイ作曲のメイン・テーマはジェントルで優雅なタッチ。ピアノ・ソロはアンディ・ヴィントナー。
3. 八点鐘が鳴るとき When Eight Bells Toll
1971年製作のイギリス映画。アリステア・マクリーンの冒険小説を彼が自ら脚色したアクション映画で、監督はエチエンヌ・ペリエ。出演はアンソニー・ホプキンス、ナタリー・ドロン、ジャック・ホーキンス、ロバート・モーレイ、デレク・ボン、ウェンディ・オルナット他。製作はエリオット・カストナー。アイルランド沖で発生した金塊輸送船襲撃事件を調査する英国諜報員の活躍を描く。イギリス的なダークさを持ったスタイリッシュなメイン・テーマが秀逸。
4. A Tender Mood
1950年代後半から1960年代前半にかけて、イギリスのチャペル・ミュージック用にモーレイが作曲した、ヴァイオリン・ソロとストリングスのためのエレガントな曲。ここでのヴァイオリン・ソロはアンドリュー・ハヴォラン。
5. 鏡の国の戦争 The Looking Glass War
1968年製作のアメリカ映画。ジョン・ル・カレ原作のスパイ小説を基にした冷戦スリラーで、監督・脚本はフランク・ピアソン。出演はクリストファー・ジョーンズ、ピア・デゲルマルク、アンソニー・ホプキンス、ラルフ・リチャードソン、ポール・ロジャース、スーザン・ジョージ、シリル・シャップス、マイケル・ロビンス、アンナ・マッセイ他。新型ミサイルに関する情報入手のために英国諜報部のスパイとして東ドイツに送り込まれたポーランド人青年を描く。やはり華麗でスタイリッシュなメイン・テーマが印象的。フリューゲル・ホルンのソロはトニー・フィッシャー。
6. （TV）アーサー・ヘイリーのホテル Hotel - White Wing
サンフランシスコのセント・グレゴリー・ホテルを舞台にした1983〜1988年製作のアメリカのTVシリーズ。原作はアーサー・ヘイリー。出演はジェームズ・ブローリン、コニー・セレッカ、シーア・ファレル、ネイサン・クック、マイケル・スパウンド、アン・バクスター、エフレム・ジンバリスト・Jr.他。モーレイは12本のエピソードのスコアを担当（テーマ音楽はヘンリー・マンシーニ）。“白い翼”と呼ばれるネイティヴ・アメリカンの男が、自分はもうすぐ死ぬのでこのロビーで死なせてほしい、とホテルの支配人に申し出てくる。その場所には、かつて彼の先祖の村があり、そこで最期を迎えたいと言うのだった……。モーレイのスコアはドラマティックなタッチ。
7. Snow Ride
これも1960年代前半にモーレイがチャペル・ミュージック用に作曲した躍動的な曲。
8. （TV）ダイナスティー Dynasty - Blues for Alexis
1981〜1989年製作のアメリカのTVシリーズ。石油事業で成功したデンヴァーの富豪ブレーク・キャリントン（ジョン・フォーサイス）をめぐるドラマ。共演はリンダ・エヴァンス、ジョーン・コリンズ、パメラ・スー・マーティン、ロイド・ボックナー、ステファニー・ビーチャム、クリストファー・カズノーヴ、ボー・ホプキンス、ロック・ハドソン、アリ・マックグロー、ジョージ・ハミルトン、ヘルムート・バーガー、ジェームズ・ファレンティノ、ビリー・ディー・ウィリアムス他。モーレイは9本のエピソードのスコアを担当（テーマ音楽はビル・コンティ）。ここでは、ジョーン・コリンズ扮するアレクシスのキャラクターにモーレイが書いた気だるいタッチの主題を収録。トロンボーンはアンディ・ウッド、アルト・サックスはハワード・マッギル。
9. Rotten Row
チャペル・ミュージックの「Zoo Cues」というプロジェクト用にモーレイが作曲した短い曲「Ponies」を、モーレイ自身が1958年のアルバム「London Pride」用に拡張した、明るくチャーミングな曲。“Rotten Row”はロンドンのハイド・パークにある乗馬エリア。
10. My Autumn Love
1970年代にモーレイがレディフュージョン用に作曲したジェントルなタッチの曲で、当時BBC放送管弦楽団により何度か演奏されている。フリューゲル・ホルンのソロはトニー・フィッシャー、アルト・サックスはハワード・マッギル。
11. A Canadian in Mayfair
モーレイが1950年に初めて作曲した躍動的なタッチの曲。彼女が師と仰ぐイギリスの作曲家ロバート・ファーノンの「Portrait of a Flirt」という曲からヒントを得て作曲したもので、彼女はこの曲をファーノンに捧げている。
12. ウォーターシップダウンのうさぎたち Watership Down
リチャード・アダムズの小説を基にした1978年製作のイギリス製アニメーション映画。製作・監督・脚本はマーティン・ローゼン。声の出演はジョン・ハート、リチャード・ブライアーズ、マイケル・グラハム・コックス、ジョン・ベネット、ラルフ・リチャードソン、サイモン・キャデル、テレンス・リグビイ、ロイ・キニア、リチャード・オキャラハン、デンホルム・エリオット、ゼロ・モステル、ハリー・アンドリュース、ハンナ・ゴードン、ナイジェル・ホーソーン、ジョス・アックランド、マイケル・ホーダーン他。ここでは、「Venturing Forth」「Through the Woods」「Kehaar's Theme」「Final Struggle & Triumph」の4曲がスコアのハイライトとして収録されているが、ユニークでエレガントなワルツ「Kehaar's Theme」とサスペンスフルな劇伴音楽「Final Struggle & Triumph」が特に印象的。このスコアは米PEGレーベルからサントラCDがリリースされており、モーレイの代表作と言えるだろう。
13. ネモ船長と海底都市 Captain Nemo and the Underwater City
ジュール・ヴェルヌの古典的な冒険小説『海底二万哩』を基にした1969年製作のイギリス映画。監督はジェームズ・ヒル、出演はロバート・ライアン、チャック・コナーズ、ルチアナ・パルッツィ、ナネット・ニューマン、ジョン・ターナー、ビル・フレイザー他。難破した船の乗客が、ネモ船長（ライアン）の潜水艦ノーチラス号に救われ、深海に作られたドーム型の海底都市に案内される……。ここではモーレイ作曲のスコアが組曲風にアレンジされており、優雅なワルツや勇壮なマーチ、そしてドラマティックなフィナーレとカラフルに展開していく。このスコアがアルバムに収録されるのはこれが初めてである。
アンジェラ・モーレイは2003年5月13、14日にロンドンのアビー・ロード・スタジオで行われたこのCDの録音に立ち会っており、その時の様子は彼女の公式ウェブサイトにも写真が掲載されている。
アンジェラ・モーレイが手がけた作品には「（未公開）Hindle
Wakes」(1952)「（未公開）Will Any Gentleman...?」(1953)「（未公開）For Better, for
Worse」(1954)「（未公開）It's Never Too Late」(1956)「（未公開/TV）Hancock's Half
Hour」(1956)「（未公開）Charley Moon」(1956)「（未公開/TV）Le Colombier」(1957)「（未公開）The Lady
Is a Square」(1959)「（未公開）The Heart of a Man」(1959)「（未公開）Peeping Tom」(1960)「（未公開/TV）The
Telegoons」(1963)「鏡の国の戦争（The Looking Glass War）」(1969)「ネモ船長と海底都市（Captain Nemo and
the Underwater City）」(1969)「八点鐘が鳴るとき（When Eight Bells Toll）」(1971)「星の王子さま（The
Little Prince）」(1974)「（TV）ワンダーウーマン（Wonder Woman）」(1976)「シンデレラ（The Slipper and
the Rose）」(1976)「ウォーターシップダウンのうさぎたち（Watership
Down）」(1978)「（TV）ダラス（Dallas）」(1978)「（TV）20年目の疑惑／女子大生寮に秘められた6人の過去（Friendships,
Secrets and Lies）」(1979)「（TV）ダイナスティー（Dynasty）」(1981)「（未公開/TV）Madame
X」(1981)「（未公開/TV）McClain's Law」(1981)「（未公開/TV）Falcon
Crest」(1981)「（TV）女刑事キャグニー&レイシー（Cagney & Lacey）」(1982)「（未公開/TV）Summer
Girl」(1983)「（未公開/TV）Two Marriages」(1983)「（TV）アーサー・ヘイリーのホテル（Hotel）」(1983)「（未公開/TV）Emerald
Point N.A.S.」(1983)「（未公開/TV）Threesome」(1984)「（未公開/TV）The Colbys」(1985)「（未公開/TV）Blue
Skies」(1988)「（未公開/TV）Island Son」(1989)等がある。また、モーレイは、マイケル・J・ルイス作曲の「シャイヨの伯爵夫人」(1969)や、ジョン・ウィリアムス作曲の「スター・ウォーズ」(1977)のオーケストレーション、リチャード・ロドニー・ベネット作曲の「エクウス」(1977)の指揮等も手がけている。
アンジェラ・モーレイは1974年の「星の王子さま」と1977年の「シンデレラ」でアカデミー賞の音楽(編曲・歌曲)賞にノミネートされている。
（2005年4月）
ネモ船長と海底都市 CAPTAIN NEMO AND THE UNDERWATER CITY
作曲：アンジェラ・モーレイ
Composed by ANGELA MORLEY
指揮：マーカス・ドッズ
Conducted by MARCUS DODS
（米Film Score Monthly / FSM Vol.12 No.9）
1969年製作のイギリス映画。監督は「野生のエルザ」(1965)「大爆発」(1967)「野生のポリー」(1970)「黒馬物語」(1970)「（TV）ダンディ2 華麗な冒険」(1971〜1972)等のジェームズ・ヒル。出演はロバート・ライアン、チャック・コナーズ、ナネット・ニューマン、ルチアナ・パルッツィ、ジョン・ターナー、ビル・フレイザー、ケネス・コナー、アラン・カスバートソン、クリストファー・ハートストーン、イアン・ラムゼイ、ジョン・ムーア、アンソニー・ベイリー、ヴィンセント・ハーディング他。ジュール・ヴェルヌ（1828〜1905）原作のクラシック『海底二万哩』にインスパイアされ、ビップ・ベーカー、ジェーン・ベイカーとR・ライト・キャンベルが脚本を執筆。撮影はアラン・ヒューム。アメリカ上院議員ロバート・フレイザー（コナーズ）やイギリス人女性ヘレナ（ニューマン）たちの乗った船が難破し、乗客たちはネモ船長（ライアン）の潜水艦ノーチラス号に救出される。彼らは深海に作られたドーム型の海底都市テンプルマーに案内されるが、そこは道が黄金で舗装された平和な理想郷だった。ネモ船長から一生ここに留まるように言われた乗客たちは、地上への脱出を画策するが……。
音楽はイギリスの作曲家アンジェラ・モーレイ（1924〜2009）が手がけており、ファミリー向けファンタジー映画にふさわしい明快でエレガントなスコアを展開。「Main
Title」は、オーケストラによる明るく優雅なメインタイトル。このメインの主題は「Return to Templemer」「City View /
Pool」「To Sea / Fish Farm / Shark Fight」等でも登場する。「Underwater」は、ミステリアスなタッチから後半はメインの主題に展開。「Introduction
to Banquet」「Exit Gold Machine」は、ややコミカルなタッチ。「Martineau and Organ」は、オンド・マルトノとオルガンをフィーチャーした幻想的な曲。「Tavern」は、明るく快活な曲。「Mobula
Attack」「Escape Attempt」は、ビジーなサスペンス・アクション音楽。「Gold Ray / Pool」も、サスペンス調から後半は優雅でジェントルな主題に。「Repairing
Boat / Forbidden Area / Templemer Future」は、荘厳なタッチの曲。「Sting / Lead Up to
Mobula Attack / Mobula」「Escape」「Escape from City」は、サスペンス・アクション音楽。「Chase,
Part 1」も、ダイナミックなアクション音楽。「Chase, Part 2 / Joab's Death - Mala Letter /
Rescue from Sea / End Title Music」は、サスペンス・アクション音楽からヒロイックな主題、メインの主題へと展開。ラストの「All
Sea's Day」は、軽快なマーチの主題で締めくくる。コンプリート・スコアの初CD化で、1,500枚限定プレス。アンジェラ・モーレイは、このCDの製作が進行していた2009年1月14日に亡くなっており、このアルバムは彼女に捧げられている。
（2009年6月）
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