フランク・デ・ヴォール
  Frank DeVol

Date of Birth: 1911/9/20
Place of Birth: Moundsville, West Virginia, USA
Date of Death: 1999/10/27
Mini Biography:
Frank DeVol was born to Herman Frank DeVol and Minnie Emma Humphreys DeVol. He grew up in Canton, Ohio. His father had a "pit" orchestra at the local movie house and his mother had a sewing shop in Canton. His father was also an accountant. He graduated from McKinley High School in 1929. He attended Miami of Ohio University for six weeks. His parents wanted him to be a lawyer but he wanted a musical career. He was a member of the musicians' union from the age of 14 and worked for his father in the theatre orchestra. His instruments were violin, saxophone at first. After his stint in college, he joined Emerson Gill's orchestra in Ohio and traveled the state. Later, he joined Horace Heidt's band and not only he was a musician but he became an arranger for the band. Later, he traveled with Alvino Rey's band. This affiliation led to long time friendships with the King Family. Finally, in 1943, he settled in California and started his own band appearing on KHJ radio and accompaniment to many radio shows, such as Jack Carson and Jack Smith. With the beginning of television, he moved to working on "The Betty White Show"(1958) and "The Dinah Shore Chevy Show"(1956), among others. In the 1950's, he broke into movie composing and composed the score for 50 films. In addition, he composed the music for a number of television shows, such as "Family Affair"(1966), "The Smith Family"(1971), "My Three Sons"(1960) and "The Brady Bunch"(1969). He was also a character actor and acted in both films and TV.

 


飛べ!フェニックス   THE FLIGHT OF THE PHOENIX

作曲・指揮:フランク・デ・ヴォール
Composed and Conducted by FRANK DE VOL

(米Film Score Monthly / Vol.2 No.2)

1965年製作のアメリカ映画。監督は「ヴェラクルス」(1954)「キッスで殺せ!」(1955)「攻撃」(1956)「特攻大作戦」(1967)「傷だらけの挽歌」(1971)「北国の帝王」(1973)「ロンゲスト・ヤード」(1974)「合衆国最後の日」(1977)等、骨太の男性派アクション映画で知られるロバート・アルドリッチで、これは彼のベスト作の1つだと思う。出演はジェームズ・ステュワート、リチャード・アッテンボロー、ピーター・フィンチ、ハーディ・クリューガー、アーネスト・ボーグナイン、イアン・バネン、ロナルド・フレイザー、クリスチャン・マルカン、ダン・デュリエ、ジョージ・ケネディ、ガブリエル・ティンティ、アレックス・モントーヤ、ピーター・ブラヴォス、ウィリアム・アルドリッチ、バリー・チェイス、スタンリー・ラルフ・ロス。エルストン・トレヴァーの原作を基にルーカス・ヘラーが脚本を執筆。撮影はジョセフ・バイロック、特殊効果はL・B・アボットが担当。劇中の航空機スタントを担当したパイロットのポール・マンツは撮影中に事故死している。

ステュワートが操縦士、アッテンボローがその助手を務める石油会社の輸送機が、突然の砂嵐に巻き込まれてサハラ砂漠に不時着する。生き残った乗客・乗員(男ばかり!)は、救助隊の到着も期待できない状況で死を待つばかりだったが、乗客の1人のドイツ人航空機技師(クリューガー)が奇想天外な脱出方法を提案する。なんと、不時着で損傷した輸送機を分解して、全く新しい飛行機を組み立てようというのである。よくこんな奇抜なストーリーを思い付くものだと感心するが、アルドリッチのマッチョな演出と曲者俳優たちの強烈な演技でグイグイと観る者を引き込んで行く。極限状態での男たちの葛藤のドラマ(特にステュワートとクリューガーの執拗な対立)が凄まじい緊張感を生んでいる。アッテンボロー、フィンチ、ボーグナイン、バネン、マルカンといった脇のキャラクターも全て素晴らしい。この作品は1965年度アカデミー賞の助演男優賞(イアン・バネン)と編集賞にノミネートされた。

音楽を担当したフランク・デ・ヴォールは、アルドリッチ監督作品の常連作曲家だが、ここでも演出にマッチした非常に男性的で豪快なドラマティックスコアを展開している。最初の「Airborne」では勇壮なファンファーレによる短いイントロから、モーリス・ジャール作曲の「アラビアのロレンス」を上下逆さまに演奏したような“砂漠音楽”のテーマへと続くが、この主題は劇中に幾つかのバリエーションで登場する。続く「Main Title」は、砂嵐に巻き込まれた輸送機が墜落していく過程で、フリーズフレーム(画面の動きが一瞬静止する手法)の連続により登場人物たちを一人ずつ紹介していく印象的なメインタイトルにかぶさるスリリングな音楽で、聴いていてワクワクさせられる。「Harris Leaves」はフィンチ扮する厳格な大佐を描写した英国調のマーチで、「Brave Sergeant」はその大佐の部下で臆病者の軍曹(フレイザー)を描写した、対照的におどけたタッチのマーチ。「Model Planes」は、中盤でクリューガーが(意図的にではないが)皆に伏せていた彼自身に関する事実をステュワートとアッテンボローに明かす印象的なシーンの音楽で、最後はエモーショナルに盛り上がる。全体として極めてオーソドックスな手法の劇伴音楽だが、映画では非常に効果的にドラマをサポートしている。尚、このFilm Score MonthlyによるCDはジェリー・ゴールドスミスの「パットン大戦車軍団」(サントラ音源の初CD化)とのカップリングになっている。

フランク・デ・ヴォールロバート・アルドリッチ監督と、この「飛べ!フェニックス」以外にも「キッスで殺せ!」(1955)「(未公開)悪徳」(1955)「攻撃」(1956)「何がジェーンに起ったか?」(1962)「ふるえて眠れ」(1965)「特攻大作戦」(1967)「女の香り」(1968)「ワイルド・アパッチ」(1972)「北国の帝王」(1973)「ロンゲスト・ヤード」(1974)「ハッスル」(1975)「クワイヤボーイズ」(1977)「(未公開)フリスコ・キッド」(1979)「カリフォルニア・ドールス」(1981)で組んでいる。また、彼は俳優としても「罠にかかったパパとママ」(1961)等、幾つかの映画やテレビ番組に出演している。
(2001年4月)

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北国の帝王 EMPEROR OF THE NORTH

作曲・指揮:フランク・デ・ヴォール
Composed and Conducted by FRANK DE VOL

(米Intrada / Intrada Special Collection Volume 68)

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1973年製作のアメリカ映画。監督は「ヴェラクルス」(1954)「攻撃」(1956)「飛べ!フェニックス」(1965)「特攻大作戦」(1967)「傷だらけの挽歌」(1971)「ロンゲスト・ヤード」(1974)「合衆国最後の日」(1977)等の男性派アクション映画の巨匠ロバート・アルドリッチ。出演はリー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナイン、キース・キャラディーン、チャールズ・タイナー、マルコム・アッターベリー、サイモン・オークランド、ハリー・シーザー、ハル・ベイラー、マット・クラーク、イライジャ・クック・Jr.、ジョー・ディ・レダ、リーアム・ダン、ダイアン・ダイ、ロバート・フォーク、ジェームズ・グッドウィン、ランス・ヘンリクセン他。脚本はクリストファー・ノップ、撮影はジョセフ・F・バイロックが担当。1933年、大不況のオレゴン州を舞台に、列車にタダ乗りし各地を移動する“ホーボー”と呼ばれる失業者たちと、彼らの無賃乗車を絶対に許さず、ハンマーで容赦なく殴り殺すサディスティックな鬼車掌シャック(ボーグナイン)との命がけの対決を描くドラマ。“A”ナンバーワンと呼ばれる1人のホーボー(マーヴィン)は、シャックの19号列車に真っ向から勝負を挑み、爆走する蒸気機関車上で2人の死闘が開始された……。

いたってシンプルな設定を骨太で豪快な演出で描いたアルドリッチ監督の傑作だが、この作品はもともとサム・ペキンパー監督の企画だった。ペキンパー作品に詳しいニック・レッドマンのライナーノーツによると、ペキンパーはクリストファー・ノップの脚本を自分でリライトして、「ワイルドバンチ」「砂漠の流れ者」の製作の際に世話になった元ワーナー・ブラザース製作部長のケネス・ハイマンに持ち込み、自分で監督することを条件に作品の権利を売却した。ところが、ハイマンは脚本に自ら無意味なリライトを加え、その点を批判したペキンパーを降ろし、ロバート・アルドリッチを監督としてアサインしてしまった。そもそもは自分の企画で、準備に3年もかけた作品を、1万ドルの報酬を得ただけで別の監督に持っていかれたペキンパーはひどく傷ついたという。あるインタビューでも「アルドリッチのことを監督として尊敬してはいるが、この映画でのキャスティングや演出は酷い。マーヴィンとボーグナインは素晴らしいが、重要なのはシガレット役で、ダスティン・ホフマンのような(演技派の)俳優を配役すべきだった(映画ではキース・キャラディーンが演じた)」と語っている。また、「ワイルドバンチ」等にも出演している旧友のアーネスト・ボーグナインがシャックの役を引き受けたことを裏切りと感じたペキンパーは、全くそんなことを意識せずに別件でオフィスを訪れたボーグナインを非難したという(そのことでボーグナイン自身も傷ついた)。個人的にはアルドリッチもペキンパーも好きな監督で、「北国の帝王」はアルドリッチのベスト作の1つだと思うが、ペキンパーが監督したバージョンも見てみたかった気はする。

音楽は、ロバート・アルドリッチ監督作品の常連作曲家であるフランク・デ・ヴォールが手がけている。冒頭の「Prologue "A Man and a Train"」は、ビル・メドレーのヴォーカルによるカントリー調の大らかな主題歌(作詞はマック・デヴィッド)。映画では最後の瞬間にマーティ・ロビンスの(よりソフトなタッチの)ヴォーカル版に差し替えられたが、このCDではオリジナルのメドレーによるヴォーカル版が収録されている(ロビンス版の音源は紛失している)。続く「Main Title」は、同じ主題歌のコーラスによるメイン・タイトル(映画版ではこのコーラスも削除されて、再録音された)。「Burning Freight」は、ややコミカルなタッチの武骨なアクション音楽。「Medley: Kansas City Kitty, The Waltz You Saved for Me, I'm in the Market for You」は、サルーン音楽のメドレー。「Montage」は、明るくダイナミックなタッチ。「Fog Time」「On the Trestle」等は、サスペンス音楽。「High Balling and Main Train」は、列車の疾走を描写したイントロからダイナミックでパワフルな主題へ展開。「Interlude "A Man and a Train"」は、主題歌のリプライズによる間奏曲(これも映画では流れない)。「The Awakening」は、ジェントルなタッチ。「Terror Chase」は、サルーン・ピアノによるコミカルな曲。「Box Fights」は、クライマックスのバトル・シーンのサスペンスフルでダイナミックな音楽。「End Title」は、メインの主題の明るくパワフルなアレンジメントによるエンド・タイトル。
この米IntradaレーベルのCDは、同じフランク・デ・ヴォール作曲の「おしゃれスパイ危機連発(CAPRICE)」(1967/監督:フランク・タシュリン、出演:ドリス・デイ、リチャード・ハリス、レイ・ウォルストン)のスコアとのカップリングとなっている。1200枚限定プレス。

フランク・デ・ヴォールが手がけた作品には
「(未公開)World for Ransom」(1954)
「キッスで殺せ!(Kiss Me Deadly)」(1955)
「(未公開)悪徳(The Big Knife)」(1955)
「底抜け西部へ行く(Pardners)」(1956)
「攻撃(Attack)」(1956)
「インディアン峠の死闘(The Ride Back)」(1957)
「(未公開/TV)Date with the Angels」(1957)
「(未公開)Johnny Trouble」(1957)
「夜を楽しく(Pillow Talk)」(1959)
「(未公開)Murder, Inc.」(1960)
「恋人よ帰れ(Lover Come Back)」(1961)
「プレイボーイ(Boys' Night Out)」(1962)
「何がジェーンに起ったか?(What Ever Happened to Baby Jane?)」(1962)
「スリルのすべて(The Thrill of It All)」(1963)
「(未公開)For Love or Money」(1963)
「(TV)ドクター・キルデア(Dr. Kildare - If You Can't Believe the Truth...)」(1963)
「ヤム・ヤム・ガールズ(Under the Yum Yum Tree)」(1963)
「マクリントック(McLintock!)」(1963)
「セパレート・ベッド(The Wheeler Dealers, aka Separate Beds)」(1963)
「ちょっとご主人貸して(Good Neighbor Sam)」(1964)
「花は贈らないで!(Send Me No Flowers)」(1964)
「ふるえて眠れ(Hush...Hush, Sweet Charlotte)」(1964)
「キャット・バルー(Cat Ballou)」(1965)
「(未公開/TV)My Three Sons - The First Marriage」(1965)
「飛べ!フェニックス(The Flight of the Phoenix)」(1965)
「(未公開/TV)Where's Everett」(1966)
「マーメイド作戦(The Glass Bottom Boat)」(1966)
「(未公開/TV)Family Affair」(1966)
「テキサス(Texas Across the River)」(1966)
「(未公開)The Ballad of Josie」(1967)
「真昼の衝動(The Happening)」(1967)
「おしゃれスパイ危機連発(Caprice)」(1967)
「特攻大作戦(The Dirty Dozen)」(1967)
「招かれざる客(Guess Who's Coming to Dinner)」(1967)
「(未公開)What's So Bad About Feeling Good?」(1968)
「女の香り(The Legend of Lylah Clare)」(1968)
「(未公開/TV)The Virginian - Big Tiny」(1968)
「ジャワの東(Krakatoa, East of Java)」(1969)
「(未公開/TV)To Rome with Love」(1969)
「(未公開/TV)The Brady Bunch - Dear Libby, - The Honeymoon」(1969)
「(未公開/TV)The Reluctant Heroes」(1971)
「(未公開/TV)The Delphi Bureau」(1972)
「ワイルド・アパッチ(Ulzana's Raid)」(1972)
「(未公開/TV)Female Artillery」(1973)
「(未公開/TV)Murdock's Gang」(1973)
「北国の帝王(Emperor of the North Pole)」(1973)
「(未公開/TV)Key West」(1973)
「(未公開/TV)Dusty's Trail」(1973〜1974)
「(未公開/TV)The Fess Parker Show」(1974)
「ロンゲスト・ヤード(The Longest Yard)」(1974)
「(TV)警部マクロード/コロラド大追跡(McCloud - The Colorado Cattle Caper)」(1974)
「ドクサベージの大冒険(Doc Savage: The Man of Bronze)」(1975)
「(TV)恐怖の飛行機不時着(Hey, I'm Alive)」(1975)
「(TV)警部マクロード/帰ってきたマクロード(McCloud - Three Guns for New York)」(1975)
「ハッスル(Hustle)」(1975)
「(TV)パナーチェ(Panache)」(1976)
「ラブバッグ/モンテカルロ大爆走(Herbie Goes to Monte Carlo)」(1977)
「(未公開/TV)Fernwood 2 Night」(1977)
「クワイヤボーイズ(The Choirboys)」(1977)
「(未公開/TV)America 2-Night」(1978)
「(未公開/TV)The Millionaire」(1978)
「(未公開)フリスコ・キッド(The Frisco Kid)」(1979)
「(未公開/TV)The Ghosts of Buxley Hall」(1980)
「(未公開)ビバ!ラブ・バッグ(Herbie Goes Bananas)」(1980)
「(未公開/TV)Disneyland - The Ghosts of Buxley Hall: Part 1, - The Ghosts of Buxley Hall: Part 2, - Tales of the Apple Dumpling Gang」(1980〜1982)
「(未公開/TV)The Brady Brides」(1981)
「カリフォルニア・ドールス(...All the Marbles)」(1981)
「(未公開/TV)Tales of the Apple Dumpling Gang」(1982)
「(未公開/TV)The Wild Women of Chastity Gulch」(1982)
がある。
フランク・デ・ヴォールは、1959年の「夜を楽しく」でアカデミー賞の劇・喜劇映画音楽賞、1964年の「ふるえて眠れ」で同賞の作曲賞と歌曲賞、1965年の「キャット・バルー」で同賞のミュージカル映画音楽賞、1967年の「招かれざる客」で同賞の音楽(編曲賞)にノミネートされている。
(2008年8月)

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