「ミイラの幽霊」とハマー・フィルムの映画音楽

ハマー・フィルム・プロダクション(Hammer Film Production/1949年設立)はかつてイギリスでホラー映画専門のフィルム・スタジオとして世界的に有名だった製作会社であり、クリストファー・リーピーター・クッシングといったホラー映画のスーパースターを生み出したスタジオでもある。現時点では製作活動を行っていないが、未だにハマー・フィルムのファンは多く、旧作のLDが最近になって米国で幾つかリリースされたりしている。その作風はまさに「ゴシック・ホラー」の正統であり、決して最近のハリウッド映画のようなBig Budget作品ではないが、演出、撮影、プロダクションデザイン等は非常に上質で、エンターテインメントとしては第一級の作品を多数製作していた。その音楽も、イギリスの映画スタジオらしくオーケストラによるしっかりとしたドラマティック・アンダースコアばかりであり、これまでにも新録音のLPやコンピレーションCDでいくつかのアルバムが入手可能であった。ただ、当時の録音によるオリジナル・サウンドトラック盤はなぜかこれまで(下記のLPを除き)全くリリースされておらず、今回イギリスのGDIレーベルから発売された「ミイラの幽霊」の1枚ものサントラCDと、ハマー映画の主題曲を集めたコンピレーションCD2枚(全てサントラ)は、非常に貴重なリリースと言える。


ミイラの幽霊 THE MUMMY

作曲:フランツ・ライゼンシュタイン
Composed by FRANZ REIZENSTEIN

指揮:ジョン・ホリングスワース
Conducted by JOHN HOLLINGSWORTH

(英GDI RECORDS / GDICD006)

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テレンス・フィッシャー監督、ピーター・クッシング、クリストファー・リー主演という、「フランケンシュタインの逆襲」「吸血鬼ドラキュラ」等のハマーの名作を生み出した監督=キャストによる1959年製作のゴシック・ホラーの名作。音楽を担当しているのはドイツ出身のフランツ・ライゼンシュタインで、この作品以外には「Circus of Horrors」というホラー映画を手がけているが、映画音楽の仕事は少ないようである。このCDの冒頭のトラックにクリストファー・リーによるイントロダクションが収録されているが、そこで彼が述べている通り、このライゼンシュタインによるスコアは、数多いハマー映画の音楽の中でもベストの部類に入るもので、アラビックなタッチを帯びた極めてドラマティックかつロマンティックなオーケストラル・スコアとなっている。スケールの大きいメインタイトルも印象的だが、全体を通して現れるカリス(リー)のアナンカ王女(イヴォンヌ・フルノー)に対する想いを表現したLove Themeが美しい。

Franz Reizenstein

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ハマー映画音楽集 Volume 1 THE HAMMER FILM MUSIC COLLECTION - Volume One

作曲:ジェームズ・バーナード、ハリー・ロビンソン、フランツ・ライゼンシュタイン、ローリー・ジョンソン、ドン・エリス、マリオ・ナシンベーネ、クリストファー・ガニング、カルロ・マーテリ、デヴィッド・ホイテカー、トリストラム・ケリー、マルコム・ウィリアムソン
Composed by JAMES BERNARD, HARRY ROBINSON, FRANZ REIZENSTEIN, LAURIE JOHNSON, DON ELLIS, MARIO NASCIMBENE, CHRISTOPHER GUNNING, CARLO MARTELLI, DAVID WHITAKER, TRISTRAM CARY, MALCOLM WILLIAMSON

指揮:フィリップ・マーテル、ジョン・ホリングスワース、マーカス・ドッズ、フランコ・フェラーラ
Conducted by PHILIP MARTELL, JOHN HOLLINGSWORTH, MARCUS DODS, FRANCO FERRARA

(英GDI RECORDS / GDICD002)

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<収録作品>

「(未公開)悪魔の花嫁」 THE DEVIL RIDES OUT (James Bernard)
「ドラキュラ血のしたたり」 TWINS OF EVIL (Harry Robinson)
「ミイラの幽霊」 THE MUMMY (Franz Reizenstein)
「(未公開)キャプテン・クロノス/吸血鬼ハンター」 CAPTAIN KRONOS VAMPIRE HUNTER (Laurie Johnson)
「吸血鬼ドラキュラ」 DRACULA (James Bernard)
「宇宙船02」 MOON ZERO TWO (Don Ellis)
「フランケンシュタイン 恐怖の生体実験」 FRANKENSTEIN MUST BE DESTROYED (James Bernard)
「恐竜時代」 WHEN DIANOSAURS RULED THE EARTH (Mario Nascimbene)
「吸血鬼の接吻」 THE KISS OF THE VAMPIRE (James Bernard)
「妖女ゴーゴン」 THE GORGON (James Bernard)
「(未公開)血のエクソシズム/ドラキュラの復活」 SCARS OF DRACULA (James Bernard)
「(未公開)切り裂き魔の手」 HANDS OF THE RIPPER (Christopher Gunning)
「(未公開)怪奇ミイラ男」 THE CURSE OF THE MUMMY'S TOMB (Carlo Martelli)
「(未公開)バンパイア・ラヴァーズ」 THE VAMPIRE LOVERS (Harry Robinson)
「原始人100万年」 CREATURES THE WORLD FORGOT (Marion Nascimbene)
「フランケンシュタインの逆襲」 THE CURSE OF FRENKENSTEIN (James Bernard)
「(未公開)ジキル博士とハイド嬢」 DR.JEKYLL & SISTER HYDE (David Whitaker)
「(未公開)恐怖の吸血美女」 LUST FOR A VAMPIRE (Harry Robinson)
「(未公開)火星人地球大襲撃」 QUATERMASS AND THE PIT (Tristram Cary)
「(未公開)鮮血の処女狩り」 COUNTESS DRACULA (Harry Robinson)
「炎の女」 SHE (James Bernard)
「吸血鬼ドラキュラの花嫁」 THE BRIDES OF DRACULA (Malcolm Williamson)
「(未公開)女王テラの棺」 BLOOD FROM THE MUMMY'S TOMB (Tristram Cary)
「ドラゴン vs 7人の吸血鬼」 THE LEGEND OF THE 7 GOLDEN VAMPIRES (James Bernard)
「ドラキュラ血の味」 TASTE THE BLOOD OF DRACULA (James Bernard)

ハマー・フィルムの映画音楽作曲家というと、ジェームズ・バーナードが最も有名であり、このコンピレーションでも全25曲中の10曲が彼の作品である。「吸血鬼ドラキュラ」でのシンプルで力強いメインフレーズ(ド・ラ・キュ・ラと歌詞をつけて歌えるメロディになっている!)は、ハマー映画全体の音楽スタイルを確立するほどの強烈なインパクトを持っている。このCDの冒頭に収録された「(未公開) 悪魔の花嫁」はデニス・ホイートリーの原作をリチャード・マシスンが脚色し、テレンス・フィッシャーが監督した邪教ものの傑作だが、ここでのバーナードの音楽も重厚な不気味さが非常に効果的。バーナード以外にも、ハリー・ロビンソンマルコム・ウィリアムソン、トリストラム・ケリー、カルロ・マーテリ等はハマー映画の常連作曲家で、それぞれここに収録されているように優れたスコアを書いている。少し異色なのは、イタリアのベテラン作曲家マリオ・ナシンベーネで、彼は「バイキング」「アレキサンダー大王」「バラバ」「ソロモンとシバの女王」「剣と十字架」等の史劇の音楽で既に有名であり、ハマー・フィルムではホラーではなく恐竜や原始人といった題材のスペクタクルものに極めて独創的なスコアを提供している。また、デヴィッド・ホイテカーは、ハマー以外に「マジック・クエスト /魔界の剣(The Sword and the Sorcerer)」というファンタジーものの佳作スコアを書いており、クリストファー・ガニングは、「(未公開) 鯨が来た時(When the Whales Came)」や「(TV)名探偵ポワロ」等に非常に優れたスコアを提供している。ローリー・ジョンソンは「 (未公開)H.G.ウェルズのS.F.月世界探険」や、TVの「おしゃれ(秘)探偵」(「アベンジャーズ」として映画化された)等の音楽でも知られるベテラン。

James Bernard

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ハマー映画音楽集 Volume 2 THE HAMMER FILM MUSIC COLLECTION - Volume Two

作曲:ジェームズ・バーナード、ジョン・カカヴァス、ハリー・ロビンソン、ドン・バンクス、リチャード・ロドニー・ベネット、マリオ・ナシンベーネ、ジョン・マッケイブ、ゲリー・ヒューズ、ポール・グラス、ベンジャミン・フランケル、ハンフリー・シアール、マイケル・ヴィッカーズ、デヴィッド・ホイテカー、ロイ・フィリップス、カルロ・マーテリ、エドウィン・アストレイ、マルコム・ウィリアムソン
Composed by JAMES BERNARD, JOHN CACAVAS, HARRY ROBINSON, DON BANKS, RICHARD RODNEY BENNETT, MARIO NASCIMBENE, JOHN McCABE, GARY HUGHES, PAUL GLASS, BENJAMIN FRANKEL, HUMPHREY SEARLE, MICHAEL VICKERS, DAVID WHITAKER, ROY PHILLIPS, CARLO MARTELLI, EDWIN ASTLEY, MALCOLM WILLIAMSON

指揮:フィリップ・マーテル、ジョン・ホリングスワース、エドウィン・アストレイ、フランコ・フェラーラ、ベンジャミン・フランケル
Conducted by PHILIP MARTELL, JOHN HOLLINGSWORTH, EDWIN ASTLEY, FRANCO FERRARA, BENJAMIN FRANKEL

(英GDI RECORDS / GDICD005)

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<収録作品>

「新/ドラキュラ悪魔の儀式」 THE SATANIC RITES OF DRACULA (John Cacavas)
「(未公開)心の悪魔」 DEMONS OF THE MIND (Harry Robinson)
「ミイラ怪人の呪い」 THE MUMMY'S SHROUD (Don Banks)
「フランケンシュタインと地獄の怪物」 FRANKENSTEIN AND THE MONSTER FROM HELL (James Bernard)
「帰ってきたドラキュラ」 DRACULA HAS RISEN FROM THE GRAVE (James Bernard)
「(未公開)影なき裁き」 THE WITCHES (Richard Rodney Bennett)
「燃える洞窟」 THE VENGENCE OF SHE (Mario Nascimbene)
「フランケンシュタインの怒り」 THE EVIL OF FRANKENSTEIN (Don Banks)
「吸血ゾンビ」 THE PLAGUE OF THE ZOMBIES (James Bernard)
「(未公開)若妻/恐怖の体験学習」 FEAR IN THE NIGHT (John McCabe)
「フランケンシュタイン死美人の復讐」 FRANKENSTEIN CREATED WOMAN (James Bernard)
「血の河」 THE PIRATES OF BLOOD RIVER (Gary Hughes)
「悪魔の性・キャサリン」 TO THE DEVIL A DAUGHTER (Paul Glass)
「(未公開)宇宙からの侵略生物」 QUATERMASS 2 (James Bernard)
「吸血狼男」 THE CURSE OF THE WEREWOLF (Benjamin Frankel)
「(未公開)恐怖の雪男」 THE ABOMINABLE SNOWMAN (Humphrey Searle)
「ドラキュラ '72」 DRACULA A.D. 1972 (Michael Vickers)
「(未公開)バスカヴィル家の犬」 THE HOUND OF THE BASKERVILLES (James Bernard)
「吸血鬼サーカス団」 VAMPIRE CIRCUS (David Whitaker)
「魔獣大陸」 THE LOST CONTINENT (Roy Phillips)
「(未公開)紀元前3万年の女」 SLAVE GIRLS (Carlo Martelli)
「(未公開)オペラの怪人」 THE PHANTOM OF THE OPERA (Edwin Astley)
「(未公開)クレッシェンド」 CRESCENDO (Malcolm Williamson)
「白夜の陰獣」 RASPUTIN - THE MAD MONK (Don Banks)
「恐竜100万年」 ONE MILLION YEARS B.C. (Mario Nascimbene)

Volume 2にもバーナードのスコアが多数含まれているが、このコンピレーションで面白いのは、「バルジ大作戦」等で知られるイギリスのベテラン作曲家ベンジャミン・フランケルと、「オリエント急行殺人事件」等の名手リチャード・ロドニー・ベネットのスコアが1曲ずつ含まれていることである(いずれもオーソドックスなスコア)。また、クリストファー・リーがドラキュラを演じたシリーズの最後の2本、「ドラキュラ '72」と「新/ドラキュラ悪魔の儀式」の音楽はいずれもロックをベースとしたスコアになっており、後者は「エアポート'75」等のアメリカの作曲家ジョン・カカヴァスが担当している。Volume 1と同様、ハリー・ロビンソンや、マルコム・ウィリアムソン、カルロ・マーテリ、マリオ・ナシンベーネ等のスコアが収録されているが、ドン・バンクス、ハンフリー・シアール、エドウィン・アストレイ等もハマーの常連作曲家である。異色なのはゲリー・ヒューズの「血の河」の音楽で、他とタッチの違うスワッシュバックリング・スコアになっているが、彼が担当した5本のハマー映画は全てホラーではない。
このように2枚の作品集を通して聴くと、実に多様な、しかも優れた作曲家を起用していることがわかるが、やはりジェームズ・バーナードの個性が全体的に強い印象を残す。ちょうどジェリー・アンダーソンのITCにおけるバリー・グレイのような存在と言える。

James Bernard

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その他のハマー映画音楽のLP/CD

最初に書いた通り、ハマー映画の音楽はほとんどアルバムの形でリリースされていなかったが、LPとしては次の2枚が入手可能だった。

 

吸血鬼ドラキュラ Hammer presents Dracula(英EMI)

これは1958年製作の映画のサントラというわけではなく、映画とは無関係のドン・ホートン作によるドラキュラのストーリーをクリストファー・リーが朗読し、これにジェームズ・バーナードが伴奏音楽を付けたもので、B面には以下のハマー映画の音楽の新録音による組曲が収録されている。指揮は全てフィリップ・マーテルで、演奏はハマー・シティ・オーケストラ(専属楽団?)である。
2000年1月追記: 本LPは1999年にイギリスのBeat Goes On RecordsというレーベルからCD化されてリリースされている。(BGOCD240)

「炎の女」 She (James Bernard)
「(未公開)バンパイア・ラヴァーズ」 The Vampire Lovers (Harry Robinson)
「(未公開)若妻/恐怖の体験学習」 Fear in the Night (John McCabe)
「(未公開)ジキル博士とハイド嬢」 Doctor Jekyll & Sister Hyde (David Whitaker)

James Bernard

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ドラゴン vs 7人の吸血鬼 The Legend of Seven Golden Vampires(米Warner Brothers)

これはれっきとしたサントラ盤であるが、これにも映画でヴァン・ヘルシング教授を演じたピーター・クッシングによるストーリーの朗読が収録されている。最初と最後にジェームズ・バーナード作曲によるメインテーマが含まれているが、東洋風の味付けが奇妙であまり感心できない。さらにカンフーの格闘シーンのSEなんかも含まれていて聞いていると実に異様なアルバムだが、何といっても名優クッシングの朗読が非常に立派で格調高く、これだけで充分に価値のあるアルバムである。映画自体もホラーとカンフーのブレンドがぎこちない怪作であり、クッシングの存在によって何とか見れる水準の映画になっていた。
上記「吸血鬼ドラキュラ」のLPもクリストファー・リーの朗読部分が貴重だが、リーの語り口がやや一本調子でぶっきらぼうな印象を受けるのに対して、クッシングの朗読はシェークスピア俳優のサー・ジョン・ギールガッドの朗読に匹敵する名調子であり、実に素晴らしい。尚、このリーの朗読は後述するSilva ScreenレーベルのCDに再録されており、クッシングの朗読は最近リリースされたこの映画のLDの2次トラックに再録されている。(因みにクリストファー・リーがエドガー・アラン・ポーの怪奇小説や詩を朗読したカセットテープが米国でリリースされていた)

スコア盤CDのレビュー

James Bernard

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ハマー映画音楽のCDでは、これまでイギリスのSilva Screenレーベルの独壇場であり、以下のようなアルバム(「(未公開)吸血鬼ノスフェラトゥ」以外は全てコンピレーション)がリリースされている。

 

50 Years of Classic Horror Film Music(英Silva Screen / FILMCD017)

上記「吸血鬼ドラキュラ」のLPのB面に収録されていた「炎の女」「バンパイア・ラヴァーズ」等の組曲が全て再録されている。その他、「オーメン」「ローズマリーの赤ちゃん」「キング・コング」等のテーマが含まれているが、サントラではない。

 

Music from the Hammer Films(英Silva Screen / FILMCD066)

指揮:ニール・リチャードソン
Conducted by Neil Richardson

演奏:フィルハーモニア管弦楽団
Performed by The Philharmonia Orchestra

「ドラキュラ組曲」 The Dracula Suite (James Bernard/「吸血鬼ドラキュラ」と「凶人ドラキュラ」の組曲)
「(未公開)切り裂き魔の手」 Hands of the Ripper (Christopher Gunning)
「帰ってきたドラキュラ」 Dracula Has Risen from the Grave (James Bernard)
「吸血サーカス団」 Vampire Circus (David Whitaker)
「ドラキュラ血の味」 Taste the Blood of Dracula (James Bernard)

ロンドンの名門オーケストラであるフィルハーモニアの重厚な演奏による新録音アルバム。ニール・リチャードソンの指揮も立派だが、オリジナルのイメージとは少し異なる。

James Bernard

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The Horror of Dracula(英Silva Screen / FILMCD708)

上記「吸血鬼ドラキュラ」のLPに収録されていたクリストファー・リーによる朗読と、上記「Music from the Hammer Films」CDの「ドラキュラ組曲」と「ドラキュラ血の味」の一部を再録したコンピレーション。要は全て使いまわしだが、リーの朗読をCD化したことに価値がある。

 

The Devil Rides Out:The Film Music of James Bernard(英Silva Screen / FILMCD174)

指揮:ケネス・オルウィン、ポール・ベイトマン、ニック・レイン
Conducted by Kenneth Alwyn *, Paul Bateman **, Nic Raine ***

演奏:ウエストミンスター・フィルハーモニー管弦楽団、プラハ市フィルハーモニー管弦楽団
Performed by The Westminster Philharmonic Orchestra +, The City of Prague Philharmonic Orchestra ++

「吸血鬼の接吻」 Kiss of the Vampire * +
「炎の女」 She * +
「フランケンシュタイン死美人の復讐」 Frankenstein Created Woman ** ++
「(未公開)悪魔の花嫁」 The Devil Rides Out *** ++
「(未公開)血のエクソシズム/ドラキュラの復活」 The Scars of Dracula ** ++
「Quatermass組曲」 The Quatermass Experiment, X-The Unknown, Quatermass II * +

全て新録音によるジェームズ・バーナードのハマー映画音楽集。「 悪魔の花嫁」より3曲、「炎の女」より5曲収録されているのがポイント。

James Bernard

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Horror!(米Silva America / SSD1060)

指揮:ケネス・オルウィン
Conducted by Kenneth Alwyn

演奏:ウエストミンスター・フィルハーモニー管弦楽団
Performed by The Westminster Philharmonic Orchestra

「黒死館の恐怖」Horrors of the Black Museum (Gerard Schurmann)
「たたり」 The Haunting (Humphrey Searle)
「(未公開)血の回廊」 Corridors of Blood (Buxton Orr)
「(未公開)悪魔の夜」 Night of the Demon (Clifton Parker)
「(未公開)恐怖の雪男」 The Abominable Snowman (Humphrey Searle)
「(未公開)魔女狩り将軍」 Witchfinder General (Paul Ferris)
「(未公開)怪奇ミイラ男」 The Curse of the Mummy's Tomb (Carlo Martelli)
「(未公開)コンガ」 Konga (Gerard Schurmann)
「顔のない悪魔」 Fiend Without a Face (Buxton Orr)
「(未公開)悪魔の花嫁」 The Devil Rides Out (James Bernard)
「吸血狼男」 The Curse of the Werewolf (Benjamin Frankel)

ハマー以外の作品も含むホラー映画音楽集。20ビット・デジタル・レコーディング。

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(未公開)吸血鬼ノスフェラトゥ Nosferatu: A Symphony of Horrors
(英Silva Screen / FILMCD192)

作曲:ジェームズ・バーナード
Composed by James Bernard

指揮:ニック・レイン
Conducted by Nic Raine

演奏:プラハ市フィルハーモニー管弦楽団
Performed by The City of Prague Philharmonic Orchestra

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F.W.ムルナウ監督による1922年製作のサイレント映画をイギリスのTV局Channel 4が1997年にリバイバル上映した際に、ジェームズ・バーナードが新たに作曲した音楽のサントラ。バーナードはこのスコアを書くまでにかなりのブランクがあったが、冒頭の序曲でのメインフレーズから明らかに彼とわかる強い個性は健在。

James Bernard

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(1999年11月)


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