ダーティハリー4 SUDDEN IMPACT

作曲・指揮:ラロ・シフリン
Composed and Conducted by LALO SCHIFRIN

(米Aleph Records / 040)

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1983年製作のアメリカ映画(日本公開は1984年4月)。クリント・イーストウッドがサンフランシスコ市警殺人課のハリー・キャラハン刑事を演じる「ダーティハリー」シリーズの4作目で、イーストウッド自身が製作・監督も務めている(イーストウッドは主演作「恐怖のメロディ」(1971)で初めて監督を担当して以来、「荒野のストレンジャー」(1972)「(未公開)愛のそよ風」(1973)「アイガー・サンクション」(1975)「アウトロー」(1976)「ガントレット」(1977)「ブロンコ・ビリー」(1980)「ファイヤーフォックス」(1982)「センチメンタル・アドベンチャー」(1982)「ペイルライダー」(1985)「ハートブレイク・リッジ/勝利の戦場」(1986)「バード」(1988)「ルーキー」(1990)「ホワイトハンター ブラックハート」(1990)「許されざる者」(1992)「マディソン郡の橋」(1995)「真夜中のサバナ」(1997)「目撃」(1997)「トゥルー・クライム」(1999)「スペース カウボーイ」(2000)「ブラッド・ワーク」(2002)「(未公開)ピアノ・ブルース」(2003)「ミスティック・リバー」(2003)「ミリオンダラー・ベイビー」(2004)「硫黄島からの手紙」(2006)「父親たちの星条旗」(2006)と数多くの監督作を手がけており、1992年の「許されざる者」と2004年の「ミリオンダラー・ベイビー」ではアカデミー賞の監督賞を受賞している。俳優出身の監督としては最も成功した人の一人だろう)。共演はソンドラ・ロック、パット・ヒングル、ブラッドフォード・ディルマン、ポール・ドレイク、オードリー・J・ニーナン、ジャック・ティボー、マイケル・カリー、アルバート・ポップウェル、マーク・キールーン、ケヴィン・メイジャー・ハワード、ベティ・フォード、ナンシー・パーソンズ、ジョー・ベラン、ウェンデル・ウェルマン、マーラ・コーデイ他。アール・E・スミスとチャールズ・B・ピアースの原案を基にジョセフ・C・スティンソンが脚本を執筆。撮影はブルース・サーティース。サンフランシスコで発生した連続殺人事件の捜査のためにサン・パウロヘの出張を命じられたハリー・キャラハン刑事は、そこで知り合った画家のジェニファー(ロック)と彼女の妹が数年前にレイプされており、今回の連続殺人の犠牲者はそのレイプ犯たちであることをつきとめる……。当時イーストウッドのパートナーだったソンドラ・ロックが共演し、イーストウッド自身が監督しているせいか、シリーズ中でもパーソナルな印象がある作品。バーガーショップでハリーが強盗に44マグナム拳銃を突きつけ、「Go Ahead, Make My Day」と威嚇するシーンがクラシックで、このセリフはアメリカン・フィルム・インスティテュートの投票による最も有名な映画のセリフの第6位になっている。

音楽は「ダーティハリー」(1971)「ダーティハリー2」(1973)「ダーティハリー5」(1988)のスコアを手がけているラロ・シフリン「ダーティハリー3」(1976)ジェリー・フィールディングが担当)。「Main Title」は、ダイナミックでパワフルなメインタイトルで、パトカーのサイレンや警察無線のSE入り。1、2作目の主題よりワイルドなタッチ。「Murder by the Sea」は、リズミックなイントロからサスペンス調に。以降、「Too Much Sugar」「Target Practice」「Cocktails of Fire」「Another Victim」「Darkness」「Hot Shot Cop」「Alby and Lester Boy」「The Automag」等、緊張感のあるサスペンス音楽が連続するが、ジャズ・ベースだった1、2作目のスコアよりもオーケストラの厚みが増し、よりシンフォニックなタッチのアンダースコアとなっている。「Frisco Night」「Robbery Suspect」は、いかにもシフリンらしいハイテンションなアクション音楽。「The Road to San Paolo」は、1作目のメランコリックなハリーの主題のトランペット・ソロが印象的。1作目の主題は、「You've Come a Long Way」「Crazy」等でも引用されている。「Remembering Terror」は、遊園地のメリーゴーラウンド風の主題(「ジェット・ローラー・コースター」でのシフリンのスコアに通ずる)やサスペンス音楽等の様々な主題がモンタージュ的に展開。遊園地音楽風のサスペンス音楽は「Unicorn's Head」でも登場する。「A Ray of Light」は、クライマックスでのサスペンス調のイントロからヒロイックなタッチへと展開する曲。「San Francisco After Dark (End Titles)」は、ロバータ・フラックのヴォーカルによるストイックなタッチの主題歌で、公開当時にリリースされたサントラLPにはヴォーカル版も収録されていたが、ここではインストゥルメンタル版のエンドタイトルで締めくくる。ラストにメインタイトルの別バージョン「Main Title (Alternate)」を収録。
この「ダーティハリー4」のスコアは、過去に同じAlephレーベルからリリースされた「DIRTY HARRY ANTHOLOGY」にも一部収録されていたが、今回のサントラCDはコンプリート・スコアの初リリース。ただ、上述のロバータ・フラックの主題歌が収録されなかったは少し残念(これは名曲)。

尚、故山田康雄氏によるクリント・イーストウッドの日本語吹替音声を初収録した「ダーティハリー」シリーズ全5作のデジパックDVD BOX「ダーティハリー アルティメット・コレクターズ・エディション」が2008年7月9日に発売される。 cover
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(2008年5月)

Lalo Schifrin

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