ダーティハリー5 THE DEAD POOL

作曲・指揮:ラロ・シフリン
Composed and Conducted by LALO SCHIFRIN

(米Aleph Records / 042)

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1988年製作のアメリカ映画。監督は「ダーティファイター/燃えよ鉄拳」(1980)「ピンク・キャデラック」(1989)等のバディ・ヴァン・ホーン。出演はクリント・イーストウッド、パトリシア・クラークソン、リーアム・ニーソン、エヴァン・C・キム、デヴィッド・ハント、マイケル・カリー、マイケル・グッドウィン、ダーウィン・ギレット、アンソニー・チャーノータ、クリストファー・P・ビール、ジョン・アレン・ヴィック、ジェフ・リッチモンド、パトリック・ヴァン・ホーン、シグリッド・ワーシュミット、ジム・キャリー他。スティーヴ・シャロン、ダーク・ピアソンとサンディ・ショーの原案を基にスティーヴ・シャロンが脚本を執筆。撮影はジャック・N・グリーン。死亡予想ゲーム“デッドプール”に絡む連続殺人事件を捜査するサンフランシスコ市警察殺人課刑事ハリー・キャラハン(イーストウッド)の活躍を描く「ダーティハリー」シリーズの第5弾。ハリーたちがプラスティック爆弾を積んだラジコン・カーに追跡されるカーチェイス・シーンが秀逸。メジャーになる前のリーアム・ニーソンジム・キャリーが脇役で出演しており、いずれも好演している。

音楽は「ダーティハリー」(1971)「ダーティハリー2」(1973)「ダーティハリー4」(1983)のスコアも手がけているラロ・シフリン「ダーティハリー3」(1976)ジェリー・フィールディングが担当)。「San Francisco Night」は、1作目のメランコリックなタッチのハリー・キャラハンの主題。「Main Title」は、4作目の主題に通ずるアップビートでファンキーなメインタイトル。ハリーの相棒のアル・クアン刑事(キム)がアジア系だったり、一部チャイナタウンが舞台になっているせいかオリエンタルなフレーズが入る。「The Pool」は、1作目のフレーズを織り込んだサスペンス音楽。「Time to Get Up」「High and Dry」も、サスペンス音楽で、一部オリエンタルなタッチのアクション音楽を含む。「Something in Return」は、クールなジャズ。「The Rules」は、ジェントルなピアノ曲。「The Last Autograph」は、1作目のフレーズを含むサスペンス音楽から、アップビートな曲へ展開。「The Car」は、ラジコン・カー襲撃シーンのハイ・テンションなサスペンス音楽で、シフリンの個性がよく出た曲。同じくサンフランシスコを舞台にした刑事アクション映画で、彼がスコアを担当した「ブリット」での有名なカーチェイス・シーンと同様、追跡が始まる瞬間まで緊張感を盛り上げていき、チェイス・シーン自体にはスコアを付けない手法が効果的。「Kidnap and Rescue」「Harpoon」も、ハイテンションなサスペンス・アクション音楽。「The Pier, The Bridge, and The City」は、ハリー・キャラハンの主題により締めくくる。サスペンス音楽での緊張感の盛り上げ方がシフリンの本領発揮で、さすがに上手い。
(2009年1月)

Lalo Schifrin

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