脱獄 LONELY ARE THE BRAVE

作曲:ジェリー・ゴールドスミス
Composed by JERRY GOLDSMITH

指揮:ジョセフ・ガーシェンソン
Conducted by JOSEPH GERSHENSON

(米Varese Sarabande / VCL 0609 1094)


1962年製作のアメリカ映画。監督は「突然の恐怖」(1952)「裏街」(1961)「ハマーヘッド」(1968)「ダラスの熱い日」(1973)等のデヴィッド・ミラー。出演はカーク・ダグラス、ジーナ・ローランズ、ウォルター・マッソー、マイケル・ケイン、キャロル・オコナー、ウィリアム・シャラート、ジョージ・ケネディ、カール・スウェンソン、ウィリアム・ミムズ、マーティン・ガラーラガ、ラロ・ライオス、ビル・ビクスビー、ジョージ・ケイマス、ハリー・ローター、ビル・ライシュ他。エドワード・アビーの原作『The Brave Cowboy』を基に「ローマの休日」(1953)「スパルタカス」(1960)「栄光への脱出」(1960)「ジョニーは戦場へ行った」(1971)「パピヨン」(1973)等のダルトン・トランボが脚本を執筆。撮影はフィリップ・H・ラスロップ。カウボーイのジャック・バーンズ(ダグラス)は、親友のポール・ボンディ(ケイン)の妻ジェリー(ローランズ)からポールが投獄されたと聞き、彼を脱獄させるために自ら同じ刑務所に入ることにする。ポールが脱獄して逃亡生活を送るよりも2年の刑期を務めあげることを望んでると知ったバーンズは、彼を置いて逃亡し、保安官のモーレイ・ジョンソン(マッソー)たちに追跡されることになる……。カーク・ダグラスが個人的に気に入っていた映画で、彼はこの作品で1962年度英国アカデミー賞の男優賞(国外)にノミネートされている。

これはジェリー・ゴールドスミスアルフレッド・ニューマンに推薦されて初めて手がけたメジャーな作品で、彼のキャリア初期の傑作ウエスタン・スコア。冒頭の「Lone Cowboy」は、勇壮なファンファーレ。続く「Main Title」は、ストイックなトランペット・ソロをフィーチャーしたヒロイックなメインタイトル。「3M81」は、牧歌的なイントロから明るく豪快な主題、メキシカンサルーン風の曲へと展開。「Burns Returns」「Worlds Apart」等は、ジェントルな曲。「Going to Town」は、快活なタッチの曲。「Barroom Brawl」「Anxious Moment」「Minus Whisky / Hard-Gained Ground」は、ゴールドスミスの個性がよく出たダイナミックなサスペンス・アクション音楽。「That Dog」は、コミカルなタッチ。「No Surprise / Escape」「On the Run」「Sudden Intrusion」「Surprised Sadist」等は、サスペンス調の曲。「Closing In」「Run for It」「Catastrophe」等は、ストイックなタッチの曲。「End Title」は、メインの主題のリプライズによるエンドタイトル。当時ユニヴァーサルの音楽監督だったジョセフ・ガーシェンソンがオーケストラの指揮を担当している。このスコアは過去に海賊盤が出ていたが、正規盤のリリースはこれが初めて。米Varese Sarabandeレーベルによる「CD Club」リリースで、3000枚の限定プレス。
(2009年9月)

Jerry Goldsmith

ゴールドスミスのウエスタン・スコア

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