(TV)炎の砦マサダ MASADA

作曲・指揮:ジェリー・ゴールドスミスモートン・スティーヴンス
Composed and Conducted by JERRY GOLDSMITH (Parts I & II) and MORTON STEVENS (Parts III & IV)

(米Intrada / Intrada Special Collection Volume 171)

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1981年製作のアメリカのTVミニシリーズ。監督は「モスキート爆撃隊」(1969)「(TV)四次元への招待」(1969)「地球最後の男 オメガマン」(1971)「(TV)刑事コロンボ/悪の温室」(1972)「(TV)刑事コロンボ/野望の果て」(1973)「(TV)ダイヤルMを廻せ!」(1981)等のボリス・セイガル。出演はピーター・オトゥール、ピーター・ストラウス、バーバラ・カレラ、デヴィッド・ワーナー、アンソニー・クエイル、ジョセフ・ワイズマン、ティモシー・ウエスト、アラン・ファインスタイン、ジウリア・パガーノ、ポール・L・スミス、クライヴ・フランシス、デヴィッド・オパトシュー、リチャード・ピアソン、アンソニー・ヴァレンタイン、ジャック・ワトソン、ナイジェル・ダヴェンポート他。製作は「(TV)刑事コロンボ/殺人処方箋」(1967)「(TV)刑事コロンボ/死者の身代金」(1971)等の監督リチャード・アーヴィングとジョージ・エクスタイン。アーネスト・K・ガンの原作『The Antagonists』を基にジョエル・オリアンスキーが脚本を執筆。撮影はポール・ローマン。紀元72年。エレアザル・ベン・ヤイル(ストラウス)率いる1000人弱のユダヤ人熱心党の抵抗軍が、山頂にあるマサダの砦に立てこもり、コルネリウス・フラヴィウス・シルヴァ将軍(オトゥール)率いる5000人のローマ軍と戦った第一次ユダヤ独立戦争の終結を描く史劇ドラマ。ローマ軍が膨大な土砂を積み上げて砦の城壁に迫り、破城鎚で城壁を壊して侵入したところ、中で953名のユダヤ人が自殺してるのが発見されたという。1981年度エミー賞の13部門のノミネートされ、ジェリー・ゴールドスミスが音楽賞(パート2)、デヴィッド・ワーナーが助演男優賞を受賞している。

原作に惚れ込んだジェリー・ゴールドスミスが自ら希望して作曲を手がけた傑作エピック・スコアで、彼はスタジオの派遣によりイスラエルに10日間滞在して古代音楽のリサーチまで行っている。全6時間半の4パートに別れたミニシリーズで、製作の遅れから次作「(未公開)Inchon」の仕事とスケジュールが重なってしまったゴールドスミスはパート1、2のスコアのみを作曲し、パート3、4のスコアは彼の推薦により旧友のモートン・スティーヴンスが作曲した。CD2枚組で、1枚目にはパート1、2のゴールドスミスのスコア、2枚目にはパート3、4のスティーヴンスのスコアを収録。ゴールドスミスのスコアは、「Main Title」が静かにエスニックなタッチのイントロからマーチ調の男性的でダイナミックなメインの主題へと展開するメインタイトル。名曲。「Burning City」「Nothing to Worry About」「The Granary」は、ゴールドスミスの個性がよく出たビジーなサスペンスアクション音楽。「Roman Fanfare / Not for Years / Taxes」は、ファンファーレからエスニックな主題、躍動的な主題へと展開。「No Horses」は、メインの主題のバリエーション。「Too Dark」「Welcome Home」「Your Land」等は、抑制されたサスペンス音楽。「The Mime (Roman Source)」は、パーカッシヴなソース音楽。「Roman March」は、ローマ軍のマーチの主題。メインタイトルのリプライズによる「Masada Theme (End Credits)」を挟んで、パート2の音楽へ。「The Return」は、ビジーなサスペンスアクションから後半メインの主題のバリエーションへ。「Move On」は、ローマ軍の主題によるダイナミックなマーチ(再録音盤では「Road to Masada」として演奏された)で、これも名曲。「The Moabites」「Roman Horns / Another Victory」「Everybody in the Pool」等も、メインの主題のバリエーション。「Lineup」「Roman Horns / Formalities Over」「Not Necessary」「The Sun」「Night Patrol」等は、サスペンス音楽。「The Camp」は、ダイナミックでヒロイックな曲。「Bumper No. 3 / No God」「The Mask」「A Man Before」等は、ジェントルなタッチの曲。「The Slaves」は、ストイックなマーチ風のユダヤの主題で、再録音盤の最後で演奏された曲。「Bumper No. 2 / A Matter of Logic」も、同じ主題。「Masada Theme (End Credits)」は、メインタイトルのリプライズ。スティーヴンスのスコアは、「Masada Intro」がメインの主題によるイントロ。「Belly Dance」は、民族舞踏音楽。「Nothing to Give」「Sheva's Decision」は、ジェントルなタッチ。「Running Water」「Mid-Day Ration of Death」「Pain in the Neck」「Precarius Meeting」等は、抑制されたサスペンス音楽。「Voice from Above」「Building the Ramp」「Sheva Gives Again」等は、ドラマティックな主題。「Falco's Tour」は、マーチ風の主題。「Falco's Orders」「901 Tk1」「The Tower」は、ダイナミックなタッチの曲。「Zealots Prepare」は、ヒロイックなマーチ。「Discovery / Inner Wall / Ram's Head」は、10分以上におよぶダイナミックでミリタリスティックな曲で見事。「Burn It / Fire」も、ダイナミックなアクション音楽。「West Wind」「Reckless」は、ドラマティックなユダヤの主題。「Zealot Meeting」「Elezar Speaks」「Silva's Soliloquy」は、メインの主題のバリエーション。「Masada – End Part IV」「Masada Theme (End Credits)」は、メインのマーチで締めくくる。
1981年にゴールドスミスはこのスコアの一部を再録音し、38分のLPアルバムとして米MCAレーベルよりリリースし、後に米Varese SarabandeレーベルがこれをCD化した。この再録音盤も素晴らしいが、今回米IntradaレーベルがリリースしたCDは、サントラ音源による2時間半近いコンプリート・スコアの初リリース。5000枚限定プレス。
(2011年7月)

Jerry Goldsmith

Morton Stevens

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