バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2 BACK TO THE FUTURE PART II
作曲・指揮:アラン・シルヴェストリ
Composed and Conducted by ALAN SILVESTRI
(米Intrada / Intrada Special Collection Volume 336)
1989年製作のアメリカ映画。監督は「ベオウルフ/呪われし勇者」(2007)「Disney's
クリスマス・キャロル」(2009)「フライト」(2012)「ザ・ウォーク」(2015)等のロバート・ゼメキス(1952〜)。出演はマイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド、リー・トンプソン、トーマス・F・ウィルソン、エリザベス・シュー、ジェームズ・トルカン、ジェフリー・ワイズマン、ケイシー・シーマシュコ、ビリー・ゼイン、J・J・コーエン、チャールズ・フライシャー、E・カサノヴァ・エヴァンス、ジェイ・コッチ、ジェイソン・スコット・リー、イライジャ・ウッド他。ロバート・ゼメキスとボブ・ゲイルの原案を基にボブ・ゲイルが脚本を執筆。撮影はディーン・カンディ。製作総指揮はスティーヴン・スピルバーグ、フランク・マーシャルとキャスリーン・ケネディ。1985年製作の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の続編。前作のラストで1985年に戻ったマーティ・マクフライ(フォックス)は、未来からやって来たドク・エメット・ブラウン(ロイド)に自分の子供の身が危ないと知らされ、恋人のジェニファー(シュー)と共に2015年の世界へと向かう。年老いたビフ・タネン(ウィルソン)の孫グリフにいじめられる息子のマーティ・Jrを助け、彼が悪の道に入ることを踏みとどまらせたマーティたちは、その間にビフが過去の試合結果を記録したスポーツ年鑑を盗んで1955年の世界へ行ったことに気づかなかった。1985年に戻ったマーティは、父のジョージが何者かによって殺され、母のロレイン(トンプソン)が全米一の大金持ちとなったビフと再婚していることを知る……。ロバート・ゼメキスとボブ・ゲイルは当初続編を作る意思は全くなく、1作目のエンディングはジョークのつもりだったが、スタジオ側から続編の製作を打診され、2作目と3作目を同時に製作することにしたという。1作目でジェニファーを演じたクローディア・ウェルズは、病気になった実母の介護のために俳優を一時引退し、ジョージを演じたクリスピン・グローヴァーは契約条件でスタジオ側ともめて降板したため、エリザベス・シューとジェフリー・ワイズマンがそれぞれの役を演じている。この映画でマーティたちがやって来た未来の日である2015年10月21日には、米国や日本で本作がリバイバル上映されるとともに各種記念イベントが開催された。本作は1989年度アカデミー賞の視覚効果賞にノミネートされ、同年の英国アカデミー賞の特殊視覚効果賞を受賞している。
音楽は本シリーズ全3作のスコアを手がけているアラン・シルヴェストリ(1950〜)。彼はロバート・ゼメキス監督作品の常連作曲家で、ゼメキスはいつも映画の編集が完了した段階でプロデューサーを含む誰よりも先にシルヴェストリに見せて意見を求めるほど、彼を信頼しているという。このスコアは公開当時に米MCAレーベルが約44分収録のサントラCDを出しているが、今回IntradaレーベルがリリースしたCDは2枚組となっており、1枚目には全22曲/64分のコンプリート・スコア、2枚目には代替テイク15曲を収録。1枚目の冒頭「Back
to Back / It's Your Kids」は、ミステリアスなイントロからビジーなサスペンス音楽へ展開。「Main
Title (Extended Version)」は、1作目と同じ主題による豪快でパワフルなメインタイトル。「The
Future」「I'm in the Future / Biff Steals DeLorean」「Chicken Needles / Jenn Sees
Jenn」「Biff's World / 27th Floor」「"Alternate 1985"」「You'll Never Lose / Old New
DeLorean」「Pair O' Docs」「The Book」等は、抑制されたサスペンス音楽。「Chicken /
Hoverboard Chase」「Nobody / Tunnel
Chase」は、ビジーなサスペンスアクション音楽からメインの主題へ。「A Flying
DeLorean?」「Something Inconspicuous」は、ミリタリスティックなタッチのサスペンス音楽。「My
Father」は、ダークなタッチの曲。「Gray's Sports Almanac / If They Ever
Did」「Burn the Book」は、メインの主題を織り込んだビジーなサスペンス音楽。「He's
Gone」は、メランコリックなタッチの曲。「Western
Union」は、メインの主題を含むジェントルな曲。「I'm Back / End
Logo」は、メインの主題によるエンディング。「The
West」は、パート3へと続く豪快でダイナミックなウエスタン風の曲。「End
Credits」は、メインタイトルのリプライズによるエンドクレジット。1、3作目に比べると、ビフの策略により悲惨な状況となった世界を反映した暗めの曲が多いスコア。限定プレス。
2015年は第1作の公開から30周年で、Intradaレーベルが2009年に出した1作目のコンプリート・スコアCDの改訂盤をリリースするとともに、米Varese
Sarabanceレーベルが3作目のコンプリート・スコアCDをリリースしている。
(2015年12月)
Alan Silvestri
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