(未公開)BACK TO GAYA
作曲:マイケル・ケイメン
Composed by MICHAEL KAMEN
指揮:アンディ・ブラウン
Conducted by ANDY BROWN
演奏:ロンドン・メトロポリタン管弦楽団
Performed by the London Metropolitan Orchestra
(スウェーデンMovieScore Media
/ MMS-12001)2012
2004年製作のドイツ=スペイン=イギリス=ブラジル=アメリカ合作によるCGアニメーション映画(国際バージョンの英語題名は「BOO,
ZINO AND THE SNURKS」)。製作・監督は「(未公開)アドベンチャー・イン・アフリカ(aka
どうぶつ会議)」(2010)等のホルガー・タッペとレナード・フリッツ・クラヴィンケル。声の出演はパトリック・ステュワート、エミリー・ワトソン、グレン・レイジ、アラン・マリオット、ボブ・セイカー、ローレライ・キング、ケイト・ロビンス、ジョン・ゲラシオ、レッド・ペッパー、ジョン・シュワブ、スティーヴン・ランダー、クラウディア・ロスル、ディミトリ・キリアノス、ダン・ラッセル、マイケル・ハービッグ他。脚本は「ザ・ドア
交差する世界」(2009)「ブラッディ・パーティ」(2010)「千年医師物語 〜ペルシアの彼方へ〜」(2013)等のヤン・ベルガーと、「ヘラクレス」(1997)「バグズ・ライフ」(1998)等のドナルド・マッケナリーとボブ・ショウ。ガヤと呼ばれる美しい世界を守るダラマイトという魔法の石が何者かによって盗まれてしまった。その石がなければガヤは崩壊してしまう。ブー(マリオット)とジーノ(レイジ)の2人は、ダラマイトを取り戻すために危険な旅へと出発するが・・・・・・。ドイツで制作された初のフルCGIアニメ。
音楽は「リーサル・ウェポン」(1987)「ダイ・ハード」(1988)「ロビン・フッド」(1991)「三銃士」(1993)「陽のあたる教室」(1995)「X-メン」(2000)等のアメリカの作曲家マイケル・ケイメン(1948〜2003)が作曲しているが、これは彼が手がけた最後のスコアとなった。ケイメンがスコアの完成前に死去したため、彼の永年のコラボレーターである音楽プロデューサーのスティーヴ・マクローリンとクリストファー・ブルックス率いる作曲家とオーケストレーターのチームがスコアを完成させた。「Main
Title」は、ケイメンの傑作スコア「ロビン・フッド」の主題を想起させるヒロイックでダイナミックなメインタイトル。「Snurks」「Big
Dumb」は、ダークでドラマティックな曲。「Flying」「Fireworks」「Free Will」「Night
Flight」は、大らかでヒロイックな曲。「The Kiss」は、ジェントルでチャーミングな曲。「The
Professor」「The Vortex」「Catching Dolomite」は、サスペンス音楽。「The
Race」「Robot Chase」も、「ロビン・フッド」の流れを汲むヒロイックで躍動的な曲。「Baby
Chase」「Wrecking Ball」「Rat Chase」「The Sewer」「Climb」「Manual Targeting」は、ダイナミックなアクション音楽。「The
Toy Store」は、明るく快活な曲。「Balloon Crash」「Switched On」「So
Unusual」「The Mayor Runs」は、ジェントルなタッチの曲。「Find a Way In」「In
Charge」は、コミカルなタッチの曲。「We're Free!」は、大らかな主題からジェントルな主題、ヒロイックな主題へと展開。ラストの「Back
to Gaya (Last Cue)」は、メインの主題のリプライズ。豪快でヒロイックなオーケストラル・スコア。
上述の通りマイケル・ケイメンはこのスコアの完成前に亡くなったが、その時点でいくつかのスケッチしか残しておらず、スティーヴ・マクローリンはどのようにスコアを制作するかケイメンと話す機会がなかったため、オーケストラによるスコアにしたいのかどうかさえも定かではなかったという。そこでマクローリンは過去のケイメンとの仕事の中で彼が書いた未使用のスケッチのいくつかをこのスコアに取り込み、作曲家のアイラン・エシュケリ、アンドリュー・レイハー、ブラッド・ウォーナー、ルパート・クリスティー、ブレイク・ニーリィ、オーケストレーターのロバート・エルハイによるチームを組み、このスコアを完成させた。彼らは永年ケイメンと一緒に仕事をしてきた親友たちであり、完成したスコアはケイメンの作品として全く違和感のないものとなっている。
(2018年4月)
Michael Kamen
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