モンテカルロ・ラリー THOSE DARING YOUNG MEN IN THEIR JAUNTY JALOPIES

作曲・指揮:ロン・グッドウィン
Composed and Conducted by RON GOODWIN

(スペインQuartet Records / QR 407)

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1969年製作のイギリス=フランス=イタリア合作映画(オリジナルタイトルは「MONTE CARLO OR BUST!」)。製作・監督は「史上最大の作戦」(1962)「バルジ大作戦」(1965)「素晴らしきヒコーキ野郎」(1965)「太陽にかける橋/ペーパー・タイガー」(1975)等のケン・アナキン(1914〜2009)。出演はブールヴィル、ランド・ブッツァンカ、ワルテル・キアーリ、ピーター・クック、トニー・カーティス、ミレーユ・ダルク、マリー・デュボワ、ゲルト・フレーベ、スーザン・ハンプシャー、ジャック・ホーキンス、ニコレッタ・マキャヴェリ、ダドリー・ムーア、ペーア・シュミット、エリック・サイクス、テリー=トーマス、ウィリアム・ラシュトン、デレン・ネスビット他。脚本は「泥棒貴族」(1966)「北海ハイジャック」(1980)等のジャック・デイヴィスケン・アナキン。撮影はガボール・ポガニー。「素晴らしきヒコーキ野郎」(1965)に続く“乗り物レース”スラプスティック・コメディ映画で、監督・脚本・音楽のほか、テリー=トーマス、エリック・サイクス、ゲルト・フレーベ、ウィリアム・ラシュトン、マイケル・トラブショウの5人の出演者も共通。1920年代、モンテカルロで冒険好きな紳士淑女たちが腕を競うアマチュア自動車レースが催された。レースはまずモンテカルロから等距離の地点を出発して、一定のスピードで集合場所のグルノーブルに到着せねばならない。スコットランドからはアメリカ人のチェスター・スコフィールド(カーティス)とイギリス貴族カスバート・ウエア=アーミテイジ卿(テリー=トーマス)が、ストックホルムからはドイツ人の宝石泥棒ウィリー・シッケル(フレーベ)と相棒オットー(シュミット)のチームと、イギリス軍人ディグビー・ドーリッシュ少佐(クック)と部下キット・バーリントン中尉(ムーア)のチームが、シシリア島からはマリー=クロード(ダルク)、パスカル(デュボワ)、ドミニク(マキャヴェリ)のフランス人女性レーサーチームと、イタリア人警官アンジェロ・ピンチェリ(キアーリ)とマルチェロ・アゴスティ(ブッツァンカ)のチームが出場するが……。劇中の車の製作と技術顧問はデイヴィッド・ワトソン。オープニング・クレジットのアニメーションはロナルド・シアール。製作費は約1000万ドル。

音楽は「素晴らしきヒコーキ野郎」に続き、ロン・グッドウィン(1925〜2003)が作曲。「633爆撃隊」(1964)「荒鷲の要塞」(1968)「空軍大戦略」(1969)「ナバロンの嵐」(1978)といった戦争映画での豪快でパワフルなスコアを得意とするグッドウィンが、豪快でパワフルなコメディ・スコアを展開。イギリス、ドイツ、イタリア、フランス、アメリカの各国のキャラクターを描写した主題が、いずれもすぐに口ずさめてしまうようなキャッチーさで見事。このスコアは公開当時の1969年にParamountレーベルから全17曲/約41分収録のサントラLP(英Paramount SPFL 255、米Paramount Records PAS 5006)が出ていたが、このQuartetレーベルの“50周年記念”CDは2枚組(全59曲/約147分)となっており、1枚目の前半(1〜18曲目)は上記サントラアルバムの内容に2曲追加したステレオ版、後半(20〜33曲目)と2枚目にはオリジナル音源からのコンプリート・スコア(モノラル)を収録。

1枚目の20曲目(オリジナル音源の冒頭)「Overture」は、明るく快活なイギリス軍人チームの主題、豪快なドイツ人チームの主題、陽気で躍動的なイタリア警官チームの主題等からメインの主題へとメドレーで展開していく序曲。「Dispatch from Monte to India」は、短いファンファーレからサイレント映画調のビジーな主題、エキゾチックな中東の舞踏音楽風の主題、ヴァイオリン・ソロによるメランコリックな主題、イギリス軍人チームの優雅なエルガー風マーチへと展開。「The Monte / Those Daring Young Men in Their Jaunty Jalopies (Title Song) 」は、ヒロイックなファンファーレからアメリカのコメディアン/歌手ジミー・デュランテのヴォーカルによる陽気な主題歌へ。「Motor Works」は、こそこそとしたタッチのカスバート卿の主題。「Chester's Tango」は、チェスターによる快活なタンゴ。「They're Playing Chester's Song」は、劇中でチェスターが聴いている1920年代のチャールストン。「The Schickle Shamble」は、シッケルが刑務所から脱獄するシーンの音楽で、ドイツ国歌(Deutschland über alles)の引用を含むビジーなマーチ調の曲。「Horst Muller?」は、シッケルがレヴィノヴィッチ伯爵(ホーキンス)からの指令を受けるシーンのダークなサスペンス調の曲。「The Italians-Casanova or Malcolm-A. Campbell?」は、イタリアの民謡をベースにした陽気で躍動的なイタリア警官チームの主題。「Three Girls from Paree」は、快活なピッコロによるフランス人女性レーサーたちの主題。「The Map」は、アコーディオンの演奏によるメインの主題。「Off to Monte Carlo Again or Bust」は、メインの主題からイギリス軍人チームの主題へ。「Intermission」は、短いファンファーレによるインターミッション音楽。「Those Daring Young Men in Their Jaunty Jalopies (Orchestra only)」は、メインの主題のオーケストラのみによる演奏。

2枚目の冒頭「Those Daring Young Men in Their Jaunty Jalopies (Alternate)」は、主題歌の別バージョン(デュランテの歌い方がちょっと違う)。「Rally Animation (unused)」「Those Daring Young Men in Their Jaunty Jalopies」は、メインの主題のバリエーション。「Festival Time in Sicily」は、明るく快活なタッチの曲。「Love Theme」は、チェスターとベティ(ハンプシャー)のロマンティックなラヴ・テーマで、実に洒落ている。「Britain vs. Germany-A Not So Private Affair」は、イギリス軍人チーム(以下「の主題」は省略)からドイツ人チーム、メインへ。「Can This Be the Way to Monte? / Those Daring Young Men in Their Jaunty Jalopies」は、イギリス軍人チームからサスペンス音楽、ドイツ人チーム、メインへ。「Almost Too Late / Very Useful / Checking the Map」は、コミカルなサスペンス調からラヴ・テーマ、イタリア警官チームへ。「Sacre Coeur / Paris / New Outfit」は、明るく快活な主題からアコーディオンによるメイン、ラヴ・テーマへ。「Handwerksburschen Abschied (Traditional)」は、鐘の音による荘厳な曲。「Naked? / Five Frames / Anyone For a Swin? / Filling Station / Filling No More / Fanfare」は、イギリス軍人チームからドイツ人チーム、イタリア警官チーム、カスバート卿、メイン等がメドレー風に展開。「Sofa or Bed?」は、ラヴ・テーマからフランス人女性レーサー、カスバート卿、ドイツ人チームへ。「First Fight」は、コミカルなタッチのサスペンス音楽からカスバート卿へ。「Dirty Work at the Chalet」は、イギリス軍人チームからビジーなコメディ調アクション音楽、イタリア警官チーム、ラヴ・テーマへ。「Sleepy / Under the Rug」は、ジェントルなタッチのラヴ・テーマ。「Xmas It Ain't / Over the Side」は、イギリス軍人チームから「ジングルベル」の引用、ビジーなアクション音楽へ。「To the Rescue」は、イギリス軍人チームから中東風の主題へ。「Auto Skiing / On Their Way」は、明るく快活な主題からメイン、イギリス軍人チームへ。「Accident / Close to the End」は、イタリア警官チームからフランス人女性レーサーへ。「In Chains / The Wily Sir Cuthbert / I Don't Care / This Is It / Time to Go」は、ドイツ人チームからカスバート卿、ラヴ・テーマ、豪快なマーチ、メインへ。「Last Takeoff」は、イタリア警官チームからラヴ・テーマ、ドイツ人チーム、イギリス軍人チーム、「ルール・ブリタニア」の引用へ。「The Last Lap」は、ドイツ人チームからカスバート卿、チャールストンのリズム(チェスターの主題)へ。「Cuthbert's Last Drink / Who Gets Champagne? / Those Daring Young Men in Their Jaunty Jalopies (End Titles)」は、カスバート卿からサスペンス音楽、ラヴ・テーマ、ドイツ人チーム、イタリア警官チーム、フランス人女性レーサー、ラヴ・テーマと展開して主題歌へ。「Exit Music」は、イタリア警官チームからフランス人女性レーサー、ラヴ・テーマ、メインと展開するエンドタイトル。最後にボーナストラックとして効果音なしの主題歌とエンドタイトルを収録。

“ミッキーマウス音楽(Mickey Mousing)”と呼ばれるキャラクター+アクションにぴったりと呼応した劇伴音楽で、実に楽しい。コンプリートスコアの初CD化で、1500枚限定プレス。
(2020年2月)

Ron Goodwin

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