(未公開)MAN AT THE TOP

作曲:ロイ・バッド
Composed by ROY BUDD

(ドイツCaldera Records / C6037)

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1973年製作のイギリス映画。監督は「(TV)野望の階段 III 最終章」(1995)等のマイク・ヴァーディ。出演はケネス・ヘイ、ナネット・ニューマン、ハリー・アンドリュース、ジョン・クウェンティン、メアリー・モード、ダニー・シーウェル、ポール・ウィリアムソン、マーガレット・ヒールド、アンジェラ・ブルース、チャーリー・ウィリアムス、アン・カニンガム、ウィリアム・ルーカス、ジョン・コリン、ノーマ・ウエスト、クライヴ・スウィフト他。イギリスの作家ジョン・ブレイン(1922〜1986)の原作『Room at the Top』『Life at the Top』に登場するキャラクターをベースにヒュー・ホワイトモアが脚本を執筆。撮影はブライアン・ボロビン。ブレインの原作小説は「年上の女(ROOM AT THE TOP)」(1959/監督:ジャック・クレイトン、出演:シモーヌ・シニョレ、ローレンス・ハーヴェイ、ヘザー・シアーズ)と「(未公開)LIFE AT THE TOP」(1965/監督:テッド・コッチェフ、出演:ローレンス・ハーヴェイ、ジーン・シモンズ、オナー・ブラックマン)として映画化されており、その後テレビシリーズ「(未公開/TV)MAN AT THE TOP」(1970〜1972/出演:ケネス・ヘイ、ゼナ・ウォーカー、ポール・ハードウィック)にもなっているが、映画版でローレンス・ハーヴェイ、テレビ版でケネス・ヘイが演じた、打算的に成功の階段をかけ上がろうとする青年ジョー・ランプトンを描く映画版の第3作がこの「(未公開)MAN AT THE TOP」で、アングロEMIと(ホラー映画で知られる)ハマー・フィルムが製作している。アッカーマン卿(アンドリュース)が統括する医薬品会社チェム・エクスポート社の経営を任されたジョー・ランプトン(ヘイ)は、彼の前任者がロンドンの公園で謎の自殺を遂げていることを知る。やがてジョーは社の不正や汚職の実態に気づきはじめ、前任者が自殺した理由を悟る。一方でジョーはアッカーマン卿の妻アレックス(ニューマン)と不倫の関係になるが……。

「年上の女」の音楽はイタリアの作曲家マリオ・ナシンベーネ「(未公開)LIFE AT THE TOP」はイギリスの作曲家リチャード・アディンセルが手がけていたが、この3作目のスコアは「狙撃者」(1971)「マーベリックの黄金」(1971)「太陽にかける橋/ペーパー・タイガー」(1975)「シンドバッド虎の目大冒険」(1977)「ワイルド・ギース」(1978)「シーウルフ」(1980)等のイギリス人ロイ・バッド(1947〜1993)が作曲。これはバッドが「爆走!」(1972)「シンジケート」(1973)「ドラブル」(1974)「マルセイユ特急」(1974)といったジャズ・ベースの犯罪アクション映画の傑作スコアを手がけていた時期の作品で、内容的にはドラマのジャンルだが、音楽は彼が得意とする犯罪サスペンス調になっているところが面白い。「Opening」は、静かなイントロからツィンバロムによる短い主題へと展開するオープニングの曲。続く「Main Titles」で登場するツィンバロムによるややメランコリックなタッチの印象的なメインの主題が、「End Credits」「Bedtime」「In the Office」「Swept Up in Memories」等で何度も登場する。「The Journey Continues」「Joe Is Being Followed」は、ツィンバロムをフィーチャーしたリズミックでサスペンスフルな曲で、犯罪映画調のタッチがバッドらしい。「Man at the Top」も、犯罪サスペンス調の曲。「Night Is Falling」は、メインの主題を含む不安なタッチのサスペンス音楽。「In the Woods」は、ピアノによるメインの主題の静かなアレンジメント。「Change of Plan」は、静かなイントロからリズミックなサスペンス音楽へ。「Bossa Nova」は、ジェントルなボサノヴァのソース曲。「In the Woods (alt.)」は、静かにドラマティックな曲。「Mingle With Me」は、ジェントルなピアノジャズ。最後にボーナスとして、この映画のスコアではないがバッドの未亡人シルヴィアが保管していた音源から3曲「Demo Jingle」「You Can Never Trust a Friend」「Pipe Tobacco」を収録。
(2020年9月)

Roy Budd

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