ノウイング KNOWING
作曲:マルコ・ベルトラミ
Composed by MARCO BELTRAMI
指揮:ブレット・ケリー、ブレット・ウェイマーク
Conducted by BRETT KELLY, BRETT WEYMARK
演奏:シドニー・スコアリング管弦楽団
Performed by the Sydney Scoring Orchestra
(米Varese Sarabande / VCL 0421
1212)
2009年製作のアメリカ=イギリス=オーストラリア合作映画。監督は「クロウ/飛翔伝説」(1994)「ダークシティ」(1998)「アイ,ロボット」(2004)「キング・オブ・エジプト」(2016)等のアレックス・プロヤス(1963〜)。出演はニコラス・ケイジ、チャンドラー・カンタベリー、ローズ・バーン、ララ・ロビンソン、D・G・マロニー、ナディア・タウンゼンド、アラン・ホップグッド、エイドリアン・ピカリング、ジョシュア・ロング、ダニエル・カーター、アレシア・マッグラス、デヴィッド・レニー、タマラ・ドネラン、ベン・メンデルソーン、リアム・ヘムズワース他。ライン・ダグラス・ピアソンの原案を基にライン・ダグラス・ピアソン、ジュリエット・スノーデンとスタイルズ・ホワイトが脚本を執筆。撮影はサイモン・ダガン。1959年、マサチューセッツ州レキシントンのある小学校の創立記念日に、生徒たちが50年後の未来をおのおの思い描いた絵をタイムカプセルにして埋めることにした。50年後にそれは掘り起こされ、この小学校に通う少年ケイレブ(カンタベリー)は、不可解な数字で埋め尽くされた1枚の紙を持ち帰ってきた。彼の父親でMITの宇宙物理学教授ジョン・コーストラー(ケイジ)は、そこに記された数字の羅列が過去に起きた大惨事と、これから先に起きる未来の出来事を予言したものだと気づく。そして、紙の最後に書かれた数字は人類の存亡に関わるものだった……。製作費は約5000万ドル、全世界興行収入は約1億8366万ドル。
音楽は「アイ,ロボット」(2004)「キング・オブ・エジプト」(2016)でもアレックス・プロヤス監督と組んでいるマルコ・ベルトラミ(1966〜)。このスコアは公開当時の2009年にVarese
Sarabandeレーベルから全22曲/約66分収録のサントラCD(Varese Sarabande 302 066 956
2)が出ていたが、これは同じVarese Sarabandeレーベルが2021年4月にリリースしたCD2枚組、全54曲/約113分収録の「The DeLuxe
Edition」で、1500枚限定プレス。
CD1枚目の冒頭「Summit / Escape Logo」は、静かなタッチの製作会社のロゴ・ミュージック。「Lucy
in the Sky」「The Envelope Please」「Lat and Long」「Drinking Buddies」「Creepy
John」「Off the Rails」は、不吉なタッチのサスペンス音楽。「Loopy Lucy」「Loopy Lucy
Lost」「Numerology」「Strangers with Candy」「Waiting for Bad News」「Johnny Get Your
Gun」「No News」は、抑制されたサスペンス音楽。「Main Titles」は、ダークでドラマティックなタッチのメインタイトル。「Tiger
Music」は、躍動的でヒロイックな曲。「Beethoven Symphony No.7, 2nd Movement」は、劇中で何度か引用されるベートーヴェンの交響曲第7番第2楽章(編曲はマルコ・ベルトラミ)。「Shit
Happens」「MIT Wit」「Stalking the Waylands」「I Need to Know」は、静かにドラマティックな曲。「Nick
at Night」「Not a Kid Anymore」は、ピアノをフィーチャーした静かにリリカルな曲。「Moose on
the Loose」「Tree Slugger」「Nick to NY」は、ダイナミックなサスペンス音楽。「Crash
Aftermath」は、静かにメランコリックな曲。「Trailer Music」は、抑制されたサスペンス調から静かにドラマティックなタッチへ。「33」は、サスペンス調から後半ダイナミックに盛り上がる。「Loud
Mouth」は、ダイナミックなサスペンスアクション音楽。
CD2枚目の冒頭「Bedtime」は、静かにメランコリックな曲。「It's
the Sun」「Numbo Jumbo」は、不吉なタッチのサスペンス音楽。「Suntastic」「EMT」「Post-Partum」「Goodbye
Diana」「Shock and Awe」は、抑制されたサスペンス音楽。「Revelations by John」は、静かにジェントルなタッチ。「Door
Jam」「Going Mental」は、リズミックでダイナミックなサスペンス音楽。「Kidnapped」「Thataway!」は、ダイナミックなサスペンスアクション音楽。「Caleb
Leaves」は、静かなタッチから後半ドラマティックに盛り上がる。「Beethoven Symphony No.7, 2nd
Movement」は、ベートーヴェン交響曲第7番の引用。「Who Wants an Apple?」は、大らかで壮大なタッチの主題。「Eden」も、ジェントルで大らかな曲。「The
Knowing」は、コーラスをフィーチャーしたドラマティックなタッチ。「Roll Over Beethoven」は、ダイナミックでドラマティックな曲。「Aftermath」「Sunny
Delight」「New World」も、ドラマティックなタッチの曲。
マルコ・ベルトラミとしてはかなり重厚でスケール感のあるオーケストラル・スコア。共同作曲はバック・サンダース(1971〜)とマーカス・トランプ(1974〜)。コーラスはアントニー・ピッツ率いるオーストラリアの合唱団ザ・ソング・カンパニー(https://the.song.company/)。
(2021年9月)
Marco Beltrami
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