(未公開)ヒックとドラゴン2 HOW TO TRAIN YOUR DRAGON 2

作曲:ジョン・パウエル
Composed by JOHN POWELL

指揮:ギャヴィン・グリーナウェイ
Conducted by GAVIN GREENAWAY

(米Varese Sarabande / VCL 0322 1225)

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2014年製作のアメリカの映画で、ドリームワークス・アニメーションによる3DCGアニメ作品。監督・脚本は「リロ&スティッチ」(2002)「ヒックとドラゴン」(2010)等のディーン・ドゥブルワ(1970〜)。声の出演はジェイ・バルシェル(ヒック)、ケイト・ブランシェット(ヴァルカ)、ジェラルド・バトラー(ストイック)、クレイグ・ファーガソン(ゲップ)、アメリカ・フェレーラ(アスティ)、ジョナ・ヒル(スノット)、クリストファー・ミンツ=プラッセ(フィッシュ)、T・J・ミラー(タフ)、クリステン・ウィグ(ラフ)、ジャイモン・フンスー(ドラゴ)、キット・ハリントン、キーロン・エリオット、フィリップ・マクグレイド、アンドリュー・エイブルソン、ギデオン・エメリー他。イギリスの児童文学作家クレシッダ・コーウェル(1966〜)の原作『ヒックとドラゴン』を基にした「ヒックとドラゴン(HOW TO TRAIN YOUR DRAGON)」(2010/監督:クリス・サンダース、ディーン・ドゥブルワ)に続く劇場版アニメ第2作。撮影(ヘッド・オブ・レイアウト)はギル・ジマーマン。

ヴァイキングの少年ヒックとドラゴンのトゥースが、バーク島の人間とドラゴンを団結させてから5年が経った。島では賑やかなドラゴン・レースが開催されていたが、レースに参加しないヒックは、トゥースに乗って地図にない場所へと探検に出かけいった。見慣れない氷の洞窟を発見したヒックは、そこで巨大なドラゴンを操る集団を見つけるが、彼らはバーク島を狙っていた……。監督のディーン・ドゥブルワは、ケイト・ブランシェットを想定してヴァルカ(ヒックの母親)のキャラクターを書き、彼女に声の出演を依頼したところ、ブランシェットの3人の息子たちが前作の大ファンだったことから、出演を快諾してもらえたという。2014年度アカデミー賞の長編アニメ賞、同年の放送映画批評家協会賞の長編アニメ賞にノミネートされ、同年のゴールデン・グローブのアニメーション作品賞を受賞している(ドリームワークス・アニメが同賞を受賞したのは、これが初めて)。製作費は約1億4500万ドル、全世界興行収入は約6億2154万ドル。その後「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」(2019)が製作されている。

音楽は、前作に引き続き「ジェイソン・ボーン」(2016)「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」(2018)「野性の呼び声」(2020)等のイギリス出身の作曲家ジョン・パウエル(1963〜)が作曲。このスコアは、公開当時の2014年にRelativity Music Groupレーベルが全19曲/約68分収録のサントラCD(Relativity Music Group RMG1067-1)を出していたが、このVareseレーベルの“The Deluxe Edition”CDは、2枚組でデモを含む全40曲/約109分を収録。2000枚限定プレス。

CD1枚目の冒頭「Dragon Racing (Alternate Film Version)」は、コーラスを織り込んだ静かにヒロイックなタッチの曲。「Dragon Racing (Original Opening Version)」も、オーケストラとコーラスによるダイナミックでヒロイックなタッチから躍動的な舞踏音楽調の主題へ。「Where No One Goes」は、前作も担当したアイスランドのミュージシャン、ヨンシー(ヨン=ソル・ビルギッソン/1975〜)のヴォーカルによる明るいタッチの主題歌。「Together, We Map the World」は、ドラマティックで快活なタッチ。「Hiccup's Gonna Be Chief」は、ジェントルな主題から後半コーラスを織り込んだ躍動的でドラマティックなタッチへ。「Eret Educates Hiccup」は、抑制されたサスペンス調からヒロイックなマーチへ。「Drago's Coming」「Eret Has Visitors」「Me Likey」は、ヒロイックでダイナミックな曲。「War is What He Wants」は、コーラスを織り込んだ静かにドラマティックな主題から重厚でダイナミックなタッチへ。これ以降はコーラスをフィーチャーした曲が続き、「Hiccup and Toothless Attached」「Meet Drago」は、ダイナミックでドラマティック、「Dragon's Lair」「Valka's Dragon Sanctuary」「Hiccup & Valka Bond」は、幻想的でドラマティック、「Should I Know You?」「Flying with Mother」「Stoick Finds Beauty」は、ダイナミックで躍動的、「Valka’s Flash - Good Alpha」は、ダークなタッチの曲。「I Grew Facial Hair for You」は、ジェントルでドラマティックな主題から後半躍動的でダイナミックなタッチへ。「Can We Start Over?」「Courting Song Instrumental」は、ピアノをフィーチャーしたジェントルでリリカルな曲。「Get' Em You Son of Eret」は、躍動的でドラマティックな曲。「Courting Song」は、ジェラルド・バトラー、メアリー・ジェーン・ウェルズ、クレイグ・ファーガソンのセリフからジェントルで陽気な歌へ展開。「Battle of the Bewilderbeast」は、1作目の主題を織り込んだダイナミックでヒロイックなアクション音楽。 

CD2枚目の冒頭「Hiccup Confronts Drago」は、コーラスとバグパイプをフィーチャーしたヒロイックでダイナミックな曲。「Stoick Saves Hiccup」は、ジェントルかつドラマティックな曲。「Off to Valhalla」は、コーラスに民族楽器を加えた荘厳なタッチで、1作目の主題も登場。「Riding to Drago's」は、明るくヒロイックな曲。「Alpha Comes to Berk」は、幻想的なコーラスから躍動的な1作目の主題へ。「Toothless Comes Back」は、パーカッションによるイントロから幻想的なコーラスが加わり、ドラマティックに盛り上がる。「Challenging the Alpha」「The Chief Has Come Home」も、コーラスを織り込んだドラマティックな曲。「Where No One Goes Reprise」は、ヨンシーのヴォーカルによる1作目の主題を織り込んだ主題歌のリプライズ。最後にボーナストラックとしてデモ6曲を収録。前作と同様、豪快かつドラマティックなシンフォニック・スコア。
(2022年7月)

John Powell

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