ジョルジュ・ガルヴァランツ=シャルル・アズナヴール映画音楽集
CHARLES AZNAVOUR / CHANSONS DE FILMS / MUSIQUES DE GEORGES GARVARENTZ

作曲・指揮:ジョルジュ・ガルヴァランツ
Composed and Conducted by GEORGES GARVARENTZ

主題歌:シャルル・アズナヴール
Songs performed by CHARLES AZNAVOUR

(仏Play Time / PL 210 3060)


<収録曲>

1. 狼の賭け Le temps de loups(4曲)
2. (未公開)Caroline cherie(5曲)
3. (未公開)Les galets d'Etretat(4曲)
4. (未公開)La lumiere des justes(5曲)
5. (未公開)Les hommes de Las Vegas(4曲)
6. (未公開)Teheran 43(4曲)
<ボーナストラック>
7. アイドルを探せ Cherchez l'idole(主題歌)

ギリシャ出身の作曲家ジョルジュ・ガルヴァランツが劇伴音楽及び主題歌を作曲し、彼の義兄弟にあたるフランスの歌手シャルル・アズナヴールが主題歌を歌っている作品を集めたコンピレーション(アズナヴールは一部の作品に出演もしている)。ここに収録されている作品の大半は過去にフランスでサントラLPが出ていたと思うが、いずれもガルヴァランツによる華麗でリッチなオーケストラルスコアとアズナヴールの力強い熱唱が素晴らしく、特に「La lumiere des justes」「Teheran 43」が全体の白眉(初CD化音源)。ガブリエル・ヤレ、ジャン・ミュジー、クリスチャン・ゴベールといったフランスの映画音楽作曲家がオーケストレーションに参加している。3000枚限定プレス。

 

1. 狼の賭け Le temps de loups

警察とギャングの追撃戦を描いた1969年製作のフランス製犯罪映画(日本公開は1972年5月)。監督はセルジオ・ゴビ。出演はロベール・オッセン、ヴィルナ・リージ、シャルル・アズナヴール、マルセル・ボズフィ、ロジェ・コッジオ、フェリックス・マルタン他。脚本はジョルジュ・タベとアンドレ・タベ。撮影はダニエル・ディオ。アズナヴールによるヒロイックでパワフルな熱唱による主題歌「Le temps de loups」と、同じ主題のオーケストラによる演奏「Theme principal」が抜群にかっこいい。主題歌のオーケストレーションはクリスチャン・ゴベールが担当。

2. (未公開)Caroline cherie

1967年製作のフランス=ドイツ=イタリア合作映画。監督はデニス・ド・ラ・パテリエール。出演はフランス・アングラード、フランシス・ゲラン、ベルナール・ブリエ、カリン・ドール、ヴィットリオ・デ・シーカ、シャルル・アズナヴール、ゲルト・フレーベ、ジャン=クロード・ブリアリー他。原作・脚本はセシル・サン=ローラン。撮影はサーシャ・ヴィエニー。主題歌「Caroline」はロマンティックなタッチで、アズナヴールの歌唱も大らか。ドラマティックで美しい序曲「Ouverture」も良い。主題歌のオーケストレーションはクリスチャン・ゴベール

3. (未公開)Les galets d'Etretat

1972年製作のフランス=イタリア合作映画。監督はセルジオ・ゴビ。出演はヴィルナ・リージ、ジュリエット・ミルズ、モーリス・ロネ、アニー・コーディ、グレゴワール・アスラン、クリスチャン・バルビエ、ドミニク・ザルディ他。脚本はヴァヒ・カチャと監督のゴビ、撮影はダニエル・ディオが担当。主題歌「Les galets d'Etretat」はドラマティックで力強い曲。ピアノを主体とした美しい「La chanson d'Alny」や、主題歌のオーケストラバージョン「La chanson de Kelvo」も良い。これも主題歌のオーケストレーションはクリスチャン・ゴベール

4. (未公開)La lumiere des justes

1979年製作のフランス=オーストリア=スイス=ベルギー合作によるTVミニシリーズ。監督はヤニック・アンドレイ。出演はシャンタル・ノベル、ミシェル・ロビ、ニコール・ジャメ、ジョルジュ・ウィルソン、ハリー・ハルト、テリー・トーダイ他。ヘンリー・トロヤットの原作を基にジャン・シャトネとジャン・コスモスが脚本を執筆。撮影はミシェル・エップ。ロシアン・フレーバーを帯びたストイックでパワフルな主題歌「Etre」が何といっても素晴らしい。「La rencontre de Sophie」「Et le temps passe a Kachtanovka」「Le dernier chariot」といったリッチなオーケストラルスコアも秀逸。主題歌のオーケストレーションはガブリエル・ヤレ

5. (未公開)Les hommes de Las Vegas

1968年製作のフランス=イタリア=スペイン=ドイツ合作映画(別題名は「Las Vegas, 500 millones」)。監督はアントニオ・イサシ=イサスメンディ。出演はゲイリー・ロックウッド、エルケ・ソマー、リー・J・コッブ、ジャック・パランス、ロジェ・アナン、ジャン・セルヴェ、ジョルジュ・ジュレ、ファブリツィオ・カプーチ他。脚本はルイス・ジョセフ・コムロン、ジョー・アイジンガー、ホルヘ・イルラと監督。撮影はジュアン・ゲルピ。ラスヴェガスのギャンブルマネーを略奪しようとする強盗団を描くアクション。主題歌「Alors je derive」は一転してリリカルなタッチ。主題歌のオーケストレーションはクロード・ダンジャン。

6. (未公開)Teheran 43

1980年製作の旧ソ連製サスペンス。監督はアレクサンドル・アロフとウラジミール・ナウモフ。出演はアラン・ドロン、クルト・ユルゲンス、クロード・ジャド、ナタリヤ・ベロコヴォスティコヴァ、イゴール・コストレフスキー他。脚本はミハイル・シャトロフと監督のアロフとナウモフ。撮影はヴァレンティン・ゼレツニヤコフ。ロマンティックでエモーショナルな主題歌「Une vie d'amour」、トラジックなタッチの序曲「Teheran 43」、華麗でビジーなオーケストラルスコア「Paris, ma ville」と、ガルヴァランツのベスト・パターン。傑作。主題歌のオーケストレーションはジャン・ミュジー

7. アイドルを探せ Cherchez l'idole

1963年製作のフランス製アクション・コメディ(日本公開は1964年11月)。監督はミシェル・ボワロン。出演はシルヴィー・ヴァルタン、ジョニー・アリディ、ミレーヌ・ドモンジョ、ダニー・サヴァル、シャルル・アズナヴール、フランク・アラモ、エディ・ミッチェル他。脚本はリシャール・バルデュッシとアネット・ワドマン。撮影はレイモン・ピエール・ルモワニュ。当時人気絶頂だったシルヴィー・ヴァルタン主演の“アイドル映画”で、5千万フランのダイヤをめぐり若いカップルがフランス中を駆け回るというストーリー。ボーナストラックとしてアズナヴールによる主題歌「Et pourtant」を収録。オーケストレーションはポール・モーリア。

ジョルジュ・ガルヴァランツが手がけたその他の作品には、「地獄の決死隊」(1962)「マルコ・ポーロ大冒険」(1964)「快楽の砂」(1964)「脱走部隊0013匹」(1966)「イスタンブール」(1966)「大爆発」(1967)「暗黒街のエース」(1967)「トリプルクロス」(1967)「サファリ大追跡」(1969)「扉の影に誰かいる」(1970)「雨のエトランゼ」(1970)「哀愁のパリ」(1970)「危険な来訪者」(1971)「ダイヤモンドの犬たち」(1975)「ハンボーン」(1983)「(未公開)馬と呼ばれた男の勝利」(1983)「(未公開)ファイナル・ミッション」(1984)「(未公開)80メガトンの戦慄」(1985)「(未公開)Yiddish Connection」(1986)「(TV)シャンペンチャーリー」(1988)「(未公開)Petain」(1993)等がある。1993年3月没。
(2001年8月)

Georges Garvarentz

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