ロード・オブ・ザ・リング   THE LORD OF THE RINGS: THE FELLOWSHIP OF THE RING

作曲・指揮:ハワード・ショア
Composed and Conducted by HOWARD SHORE

演奏:ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ニュージーランド交響楽団、ロンドン・ヴォイシーズ、ロンドン・オラトリー・スクール・スコラ
Performed by the London Philharmonic Orchestra, the New Zealand Symphony Orchestra, the London Voices, the London Oratory School Schola

(米Reprise / 9 48110-2)

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J・R・R・トールキン原作の有名なファンタジー小説「指輪物語」3部作(「旅の仲間」「二つの塔」「王の帰還」)の映画化。3本分を一気に撮影し、1本ずつ3年間にわたって公開することになっており、ここで紹介している「THE FELLOWSHIP OF THE RING」はその第1部(日本公開は2002年春)。監督は「バッド・テイスト」(1987)「ブレインデッド」(1992)「乙女の祈り」(1994)「さまよう魂たち」(1996)等のピーター・ジャクソン。出演はイライジャ・ウッド、イアン・マッケラン、ヴィゴー・モーテンセン、ショーン・アスティン、リヴ・タイラー、ケイト・ブランシェット、クリストファー・リー、ジョン・リス=デイヴィス、ショーン・ビーン、ビリー・ボイド、ドミニク・モナハン、イアン・ホルム、オーランド・ブルーム、アンディ・サーキス、バーナード・ヒル、ブラッド・ドゥーリフ、ヒューゴ・ウィーヴィング、ミランダ・オットー、マートン・ソーカス、カール・アーバン、ジョン・ノブル、デヴィッド・ウェンハム他。脚本はピーター・ジャクソン、フランシス・ウォルシュ、フィリッパ・ボーエンズとスティーヴン・シンクレアが担当。撮影はアンドリュー・レスニー。

音楽はホラーやファンタジーのジャンルを得意とするカナダ出身の作曲家ハワード・ショアが担当しているが、ここではコーラスを多用した重厚でファンタスティックなシンフォニーを展開している。冒頭の「The Prophecy」はオーケストラとコーラスによる荘厳でトラジックなタッチの音楽で、コーラスの雰囲気がジョン・ウィリアムス作曲の「スター・ウォーズ エピソード1」での「Duel of the Fates」に少し似ている。続く「Concerning Hobbits」での素朴でやや民族色を感じさせる主題が全体を通じて登場する(「Many Meetings」「The Council of Elrond」「The Ring Goes South」等)。「The Shadow of the Past」「The Treason of Isengard」「A Knife in the Dark」「A Journey in the Dark」でのストイックなタッチのコーラスが力強い。「The Black Rider」「The Bridge of Khazad Dum」といった豪快でダイナミックなアクションスコアも秀逸。「The Breaking of the Fellowship」では上記の民族色を帯びた主題が感動的に盛り上がり、切れ目なく主題歌の「May It Be」へと展開する(この曲と「Aniron (Theme for Aragorn and Arwen)」は作曲・歌がエンヤだが、全体のスコアの雰囲気にうまくとけ込んでいると思う)。ハワード・ショアは同じカナダ人のデヴィッド・クローネンバーグ監督とのコラボレーションが有名で、やや前衛的なスコアを書く作曲家だが、この作品では非常に明快でパワフルなシンフォニック・スコアを提供している。彼の代表作の1つとなるだろう。

このサントラCDには、ジャケットと同じ大きさのカードが映画のキャラクター別に6種類あり、更に赤い皮革ジャケットによる限定版CDを加えた合計7種類のアルバムがリリースされている(中身のCDは全て同じで、ウェブへのリンクを収録したエンハンストCDになっている)。

尚、同じトールキンの原作を基にしたラルフ・バクシ監督のアニメーション映画「指輪物語」が1978年に製作されているが、こちらの音楽はレナード・ローゼンマンが担当している。
(2001年12月)

2005年12月に、3枚組CD+DVDオーディオ・ディスク(全曲をサラウンド・サウンドで収録)の完全盤(Complete Recordings)がリリースされている。 cover
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Howard Shore

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