トランスポーター3 アンリミテッド LE TRANSPORTEUR 3

作曲:アレクサンドル・アザリア
Composed by ALEXANDRE AZARIA

指揮:ジゼル・ジェラール=トリーニ
Conducted by GISELE GERARD-TOLINI

(仏EuropaCorp / 3139832)

cover
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2008年製作のフランス映画。監督は「EXIT イグジット」(2000)「レッド・サイレン」(2002)等のオリヴィエ・メガトン。出演はジェイスン・ステイサム、ナターリヤ・ルダコヴァ、フランソワ・ベルレアン、ロバート・ネッパー、ジェローン・クラッベ、アレックス・コボールド、デヴィッド・アトラクチ、ヤン・サンドバーグ、エリック・エブーアネイ、デヴィッド・カメノス、シルヴィオ・シマック、オスカー・リライアー、ティモ・ディアケス、イゴール・クームパン、ポール・バレット他。脚本はリュック・ベッソンとロバート・マーク・ケイメン。撮影はジョヴァンニ・フィオーレ・コルテラッチ。製作はリュック・ベッソンとスティーヴ・チャスマン。「トランスポーター」(2002)「トランスポーター2」(2005)に続くシリーズ第3弾。運び屋仲間から謎のウクライナ人女性ヴァレンティナ(ルダコヴァ)を託されたフランク・マーティン(ステイサム)は、ジョンソン(ネッパー)と呼ばれる男の策略で車から75フィート以上離れると起爆する化学爆薬入りのブレスレットを嵌められてしまい、ヴァレンティナをマルセイユから黒海のオデッサまで運ばざるを得なくなる。ヴァレンティナはウクライナ政府高官ヴァシレフ(クラッベ)の娘で、ジョンソンはヴァシレフからある条件を引き出すために彼女を誘拐したのだった……。前2作の監督を務めたルイ・レテリエ「インクレディブル・ハルク」(2008)でハリウッド進出し、今回の3作目は2000年にベッソン製作の「EXIT イグジット」を手がけたオリヴィエ・メガトンが監督しているが、舞台が前2作の南仏、フロリダからハンガリー、ルーマニア等東欧に移ったこともあり、よりダークでハードボイルドなタッチの作品となっている。フランクとヴァレンティナのラヴストーリーにかなりの時間が割かれている点も新しい。余談だが、オリヴィエはヨーロッパ・コープで作品の海外セールスを担当している女性と結婚しており、日本を舞台にした映画製作の件で一度打ち合わせたことがある。

音楽は1作目の劇伴音楽の一部と、2作目のスコアを手がけたアレクサンドル・アザリア。このサントラCDにはアザリアのアンダースコアが11曲と、Eve、Holy Golightly、Tricky、Birdy Nam Nam、Benjamin Theves、The Stoogesによる挿入歌6曲が収録されている。冒頭の「Take Care of Them」は、ダークなイントロからオーケストラと打ち込みによるハイテンションなアクション音楽へ展開。「M T Room」「Better Now, Darling ?」「Home」等は、ダークなタッチのサスペンス音楽。「Back from the Grave」は、2作目の主題の引用を含むアクション音楽。「Drive Faster」は、延々と続く中盤のカーチェイス・シーンでのダイナミックでパワフルなアクション音楽。「Landscape」は、メランコリックなタッチからサスペンス調へ展開。「Marseille」「Please to Meet You」は、2作目の主題を織り込んだサスペンス音楽。「Crazy Train」は、クライマックスの列車とのチェイス・シーンでのサスペンス・アクション音楽。「One More Time」は、ピアノとストリングスによるジェントルな曲で静かに締めくくる。
(2008年12月)

 

 

Alexandre Azaria

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