ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー SOLO: A STAR WARS STORY

作曲:ジョン・パウエル、ジョン・ウィリアムス
Composed by JOHN POWELL, JOHN WILLIAMS ("The Adventures of Han")

指揮:ギャヴィン・グリーナウェイ、ジョン・ウィリアムス
Conducted by GAVIN GREENAWAY, JOHN WILLIAMS ("The Adventures of Han")

(米Walt Disney Records / D002803502) 2018

 ★TOWER.JPで購入

   ★AMAZON.CO.JPで購入 


2018年製作のアメリカ映画。監督は「コクーン」(1985)「ウィロー」(1988)「バックドラフト」(1991)「アポロ13」(1995)「身代金」(1996)「ビューティフル・マインド」(2001)「ダ・ヴィンチ・コード」(2006)「天使と悪魔」(2009)「ラッシュ/プライドと友情」(2013)「インフェルノ」(2016)等のロン・ハワード(1954〜)。出演はオールデン・エアエンライク、ウディ・ハレルソン、エミリア・クラーク、ドナルド・グローヴァー、タンディ・ニュートン、ヨーナス・スオタモ、ポール・ベタニー、フィービー・ウォーラー=ブリッジ、エリン・ケリーマン、ワーウィック・デイヴィス、クリント・ハワード、アンソニー・ダニエルズ、レイ・パーク他。声の出演はジョン・ファヴロー(リオ)、リンダ・ハント(レディ・プロキシマ)他。脚本は「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」(1980)「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」(1981)「スター・ウォーズ/ジェダイの復讐」(1983)「ボディガード」(1992)「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(2015)等の脚本を担当し、「白いドレスの女」(1981)「シルバラード」(1985)「ワイアット・アープ」(1994)等の監督・脚本を手がけているローレンス・カスダン(1949〜)と、息子のジョン・カスダン。撮影はブラッドフォード・ヤング。「スター・ウォーズ」のアナザー・ストーリーを描くシリーズの「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」に続く第2弾で、ハン・ソロの若き日に焦点を当てたSFアクション。愛機ミレニアム・ファルコンでその名を馳せる伝説の運び屋から、反乱同盟軍のヒーローとなった“愛すべき悪党”ハン・ソロ(エアエンライク)は、いかにして銀河最速のパイロットになったのか――。惑星コレリアで生まれ育った若者ハン。銀河帝国の暗黒支配が激しさを増す中、自由を求める彼は幼なじみのキーラ(クラーク)とともに故郷からの脱出を図るも失敗、2人は離ればなれに。銀河一のパイロットとなってキーラを迎えに戻ると誓い、帝国軍のパイロットを目指すハン。しかし3年後、彼は帝国フライト・アカデミーを追放され、歩兵として戦場に送られる。そこでウーキー族の戦士チューバッカ(スオタモ)と出会うハンだったが……。2018年度アカデミー賞の視覚効果賞にノミネートされている。製作費は約3億ドル、2018年8月時点の全世界興収は約3億9207万ドル。
本作の監督は当初「LEGOムービー」(2014)等のフィル・ロードクリストファー・ミラーがアサインされていたが、彼らのコメディ調の演出が気に入らなかったプロデューサーのキャスリーン・ケネディと脚本家のローレンス・カスダンが2人を降板させ、急遽ベテランのロン・ハワードを起用。ハワードが撮影済みだった80%を撮り直したため、ロードとミラーは監督のクレジットはなく、代わりに製作総指揮のクレジットを得ている。

音楽は「フェイス/オフ」(1997)「シュレック」(2001)「ボーン・アイデンティティー」(2002)「Mr.&Mrs. スミス」(2005)「ヒックとドラゴン」(2010)「PAN 〜ネバーランド、夢のはじまり〜」(2015)「ジェイソン・ボーン」(2016)等のイギリス出身の作曲家ジョン・パウエル(1963〜)が作曲しているが、オリジナル・シリーズの作曲家ジョン・ウィリアムス(1932〜)がメインとなるハン・ソロの主題を作曲するとともにパウエルに種々アドバイスを与えたという。
冒頭の「The Adventures of Han」は、ジョン・ウィリアムス作曲のハン・ソロの主題等をコンサート用組曲にまとめたヒロイックでダイナミックなタッチの曲で、この曲のみウィリアムス自身が指揮も担当している。いつものウィリアムス節がファンには嬉しい。以降の曲はジョン・パウエルが作曲しているが、オリジナル・シリーズのウィリアムス作曲の主題をいたるところに織り込んでいるため、クレジット上は「スコア作曲・編曲:ジョン・パウエル」となっている。「Meet Han」は、メインの主題を含むヒロイックでリズミックな曲。「Corellia Chase」「Spaceport」「Flying with Chewie」も、メインの主題を織り込んだダイナミックなアクション音楽。「Train Heist」は、静かにドラマティックでジェントルなタッチから後半リズミックでダイナミックなアクション音楽へ展開。「Marauders Arrive」は、コーラスを織り込んだビジーなアクション音楽。「Chicken in the Pot」は、バラカ・メイによるセンシュアルなヴォーカル曲。「Is This Seat Taken?」は、軽快なサスペンス音楽。「L3 & Millennium Falcon」は、オリジナル・シリーズの主題を織り込んだ静かにジェントルな曲。「Lando's Closet」も、ジェントルでリリカルなタッチ。「Minen Mission」は、ストイックなマーチ。「Breakout」「Reminiscence Therapy」「Into the Maw」は、メインの主題とオリジナル・シリーズの主題を織り込んだダイナミックなアクション音楽。「The Good Guy」は、静かにドラマティックなタッチからメインの主題、コーラスを織り込んだアクション音楽へと展開。「Savareen Stand-Off」は、コーラスを織り込んだサスペンス音楽。「Good Thing You Were Listening」は、静かにドラマティックな曲。「Testing Allegiance」は、メインの主題を織り込んだアクション音楽からピアノをフィーチャーしたリリカルな主題へ。「Dice & Roll」は、リズミックでエキゾチックなタッチからオリジナル・シリーズの主題、メインの主題へと展開。ジョン・パウエルが得意とするアクション音楽を主体としたダイナミックなスコア。
追加音楽はバトゥ・セナー、アンソニー・ウィリスとポール・モーンゼイが作曲。コーラスはヴァーニャ・モネーヴァ女声合唱団とソフィア・セッション合唱団の演奏。
(2019年3月)

John Powell

John Williams

Soundtrack Reviewに戻る


Copyright (C) 2019  Hitoshi Sakagami.  All Rights Reserved.