(未公開)さよなら警察官 ADIEU POULET
(未公開)L'AMI DE VINCENT
(未公開)L'ÉTOILE DU NORD

作曲:フィリップ・サルド
Composed by PHILIPPE SARDE

指揮:ユベール・ロスタン、ピーター・ナイト、カルロ・サヴィーナ
Conducted by HUBERT ROSTAING (ADIEU POULET), PETER KNIGHT (L'AMI DE VINCENT), CARLO SAVINA (L'ÉTOILE DU NORD)

演奏:ロンドン交響楽団
Performed by the London Symphony Orchestra (L'AMI DE VINCENT)

(仏Music Box Records / MBR191)

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「個人生活」(1974)「限りなく愛に燃えて」(1976)「(TV)新・メグレ警視/ローソク売り」(1995)「(TV)メグレ警視/開いた窓」(2001)等のピエール・グラニエ=ドフェール監督(1927〜2007)とフィリップ・サルド(1948〜)とのコラボレーション作品2本のスコアのカップリング。500枚限定プレス。グラニエ=ドフェール監督とサルドが組んだ作品では、Quartetレーベルが「(未公開)LE CHAT」「離愁」のカップリングCD(スペインQuartet Records / QR447)をリリースしている。

「(未公開)さよなら警察官(ADIEU POULET)」は、1975年製作のフランス映画(日本では劇場未公開でテレビ放映済/英語題名は「THE FRENCH DETECTIVE」)。出演はリノ・ヴァンチュラ、パトリック・ドヴェール、ヴィクトル・ラヌー、ジュリアン・ギオマール、ピエール・トルナード、フランソワーズ・ブリオン、クロード・リッシュ、ミシェル・ペイルロン、クロード・ブロッセ、ジェラール・エロルド、ジェラール・デサール、ジャック・リスパル、パトリック・フィゲルソン、ジャン=イヴ・ゴティエ、ピエール・ロンディシュ他。「チェイサー」(1978)等のラフ・ヴァレ(ジャン・ラボルド)の原作を基に、「Mr.レディ Mr.マダム」(1978)等の脚本や「奇人たちの晩餐会」(1998)「ルビー&カンタン」(2003)等の監督・脚本を手がけているフランシス・ヴェベール(1937〜)が脚本を執筆。撮影はジャン・コロン。市議会議員ピエール・ラルダット(ラヌー)がならず者のポルトル(ブロッセ)を雇って敵対する議員の協力者を殺害したことで、ヴェルジア警視(ヴァンチュラ)はラルダットを同罪と見なして追及するが、上司から圧力がかかり、異動を命じられる。ヴェルジアは異動の期日までに、同僚のルフェヴル警部(ドヴェール)と殺人犯を追い詰める策を練るが……。

フィリップ・サルドのスコアは、「Générique」がリズミックでスリリングなメインタイトルで、刑事アクション的なサスペンスフルなタッチ。「Proxénétisme et corruption」は、メランコリックでドラマティックなタッチから、後半ジャズ・ベースのサスペンス調に展開。「Jazz trio (Ferrer le poisson)」は、ジェントルなピアノ・ジャズ。「Les Poulets à l'hôpital」は、スリリングな即興ジャズ。「Générique de fin」は、気だるいサックスをフィーチャーしたメランコリックなジャズによるエンドタイトル。オーケストラの指揮はユベール・ロスタン

このスコアは公開当時に3曲入りのEPアルバムがフランスのPatheレーベル(Pathé 2C010 142559)とイタリアのCAMレーベル(CAM AMP 171)から出ていたが、このMusic BoxレーベルのCDには5曲を収録。

「(未公開)L'AMI DE VINCENT」は、1983年製作のフランス映画(英語題名は「A FRIEND OF VINCENT」)。出演はフィリップ・ノワレ、ジャン・ロッシュフォール、フランソワーズ・ファビアン、ファニー・コタンソン、マリー=フランス・ピジエ、マリー・デュボワ、アンナ・カリーナ、ジェーン・バーキン、タニヤ・ロペール、ベアトリス・アジェナン、ソフィア・ダグヴィラ、シルヴィー・ジョリー、フランソワ・ペロー、アレクサンドル・リニョー、カトリーヌ・サミー他。ジャン=マルク・ロベールの原作を基にピエール・グラニエ=ドフェール、クリストファー・フランクとジャン=マルク・ロベールが脚本を執筆。撮影はエチエンヌ・ベッケル。ミュージックホールの楽団の指揮者アルベール・パルム(ノワレ)とトランペット奏者ヴァンサン・ラマール(ロッシュフォール)は子供の頃からの親友だった。ある日の演奏の後、1人の女が楽屋でヴァンサンに向けて拳銃を撃つが、弾は急所をはずれた。女は、ヴァンサンが妹の人生を台無しにしたことへの復讐だと叫んで姿を消す。女に見覚えがないヴァンサンは、隠れ家に身を潜め、その“妹”が誰のことなのかアルベールに調べてもらうべく、過去の愛人たちの長いリストを渡す。アルベールは、リストを手に問題の女性を見つける旅に出るが……。

フィリップ・サルドのスコアは、「Vincent」がジェントルでドラマティックなジャズによるヴァンサンの主題。「Amalia」は、ジェントルなトランペット・ソロをフィーチャーした情感豊かでドラマティックなオーケストラによる曲。「Revue Broadway」は、ダイナミックなビックバンド・ジャズ。「Revue brésilienne (Samba multicolore)」は、スリリングなタッチのサンバ。「Tango parisien (Thé dansant)」は、アコーディオンとフィドルをフィーチャーしたタンゴ。ピーター・ナイト指揮ロンドン交響楽団の演奏で、トランペットはクラーク・テリー。このスコアの初リリース。

「(未公開)L'ÉTOILE DU NORD」は、1982年製作のフランス映画(英語題名は「THE NORTH STAR」)。出演はシモーヌ・シニョレ、フィリップ・ノワレ、ファニー・コタンソン、ジュリー・ジェゼケル、リリアナ・ジェラース、ガミル・ラティブ、ジャン=イヴ・シャトレー、ジャン・ドートゥルメ、ピエール・フォルジェ、ジャン=ピエール・クライン、ミシェル・コニエチニ、パトリシア・マルヴォワザン、ジャン・ルージェリー、ジュリアン・ブコウスキー他。「メグレ警視」シリーズや「モンパルナスの夜」(1933)「仕立て屋の恋」(1989)「倫敦から来た男」(2007)等の原作で知られるベルギー人作家ジョルジュ・シムノン(1903〜1989)の原作を基に、ピエール・グラニエ=ドフェール、ジャン・オーランシュとミシェル・グリソリアが脚本を執筆。撮影はピエール=ウィリアム・グレン。北アフリカを永年旅してベルギーへと向かう途中のフランス人エドゥアール・ビネ(ノワレ)は、旅の途中でシルヴィー・バロン(コタンソン)に出会う。彼は高価な宝石を保有する裕福なエジプト人ネムロッド・ロブトゥーム(ラティブ)を彼女に紹介するが、シルヴィーとネムロッドは互いに愛し合うようになり、エドゥアールはそのことに嫉妬する。血のついた服を着てシルヴィーの母ルイーズ(シニョレ)の家にやって来たエドゥアールは、列車の中でナイフで刺殺されたネムロッドのことは知らないと言い張るが……。

フィリップ・サルドのスコアは、「L'étoile du Nord」がアコーディオンとトランペットをフィーチャーした明るく躍動的なワルツ調のメインタイトル。「Louise」「Pour Simone」は、アコーディオンとピアノによるメインの主題のバリエーション。「Édouard」は、静かにジェントルなタッチのエドゥアールの主題。「Pour Pierre」は、ピアノ、フィドル、トランペットをフィーチャーしたメインの主題のバリエーション。「Yasmina」は、アラビックなタッチの曲。「Pour Philippe」「Les tramways de Charleroi」は、アコーディオンとトランペットをフィーチャーしたメインの主題のバリエーション。オーケストラの指揮はカルロ・サヴィーナ。アコーディオンはマルセル・アゾッラ

このスコアは、1982年に仏General Musicレーベルが出したコンピレーションLP「PHILIPPE SARDE / SIMENON / GRANIER-DEFERRE」(General Music 803 032)と、同内容の米DRGレーベルによるLP(DRG Concorde SL 9512)に5曲、2001年に仏Universalレーベルが出した以下コンピレーションCD(Universal Music 013 542-2)に2曲が収録されていたが、このMusic BoxレーベルのCDには8曲(コンプリートスコア)を収録。

尚、2001年に仏UniversalレーベルがリリースしたコンピレーションCD「LE TRAIN: PHILIPPE SARDE / PIERRE GRANIER-DEFERRE」には、ピエール・グラニエ=ドフェール監督とフィリップ・サルドとのコラボレーションによる以下の作品が収録されている。

離愁 Le train
(未公開)Le chat
帰らざる夜明け La veuve couderc
(未公開)Le fils
個人生活 La race des seigneurs
(未公開)L'étoile du nord


(2021年12月)

Philippe Sarde

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