グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 GLADIATOR II

作曲・指揮:ハリー・グレグソン=ウィリアムス
Composed and Conducted by HARRY GREGSON-WILLIAMS

(米Decca Records US / 602475084846)

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2024年製作のアメリカ=イギリス=モロッコ=カナダ=マルタ合作映画。製作・監督は「エイリアン」(1979)「ブレードランナー」(1982)「ブラック・レイン」(1989)「テルマ&ルイーズ」(1991)「グラディエーター」(2000)「ハンニバル」(2001)「ブラックホーク・ダウン」(2001)「ゲティ家の身代金」(2017)「最後の決闘裁判」(2021)「ナポレオン」(2023)等のリドリー・スコット(1937〜)。出演はポール・メスカル、デンゼル・ワシントン、ペドロ・パスカル、コニー・ニールセン、ジョセフ・クイン、フレッド・ヘッキンジャー、リオル・ラズ、デレク・ジャコビ、ピーター・メンサー、マット・ルーカス、アレクサンダー・カリム、ユヴァル・ゴーネン、リチャード・マッケイブ、ティム・マッキナニー、アレック・ウトゥゴフ他。ピーター・クレイグとデヴィッド・スカルパの原案を基にデヴィッド・スカルパが脚本を執筆。撮影はジョン・マシイソン。

第73回アカデミー賞に12部門ノミネートされ、作品賞、主演男優賞を含む5部門を受賞した「グラディエーター」(2000)の続編で、前作から20年以上後のローマ帝国が栄華を誇った時代を舞台にしている。平穏な暮らしを送っていたルシアス(メスカル)は、将軍アカシウス(パスカル)率いるローマ軍の侵攻により愛する妻アリシャット(ゴーネン)を殺され、捕虜として拘束される。すべてを失いアカシウスへの復讐を誓ったルシアスは、謎の奴隷商人・マクリヌス(ワシントン)に買われローマへと赴くことに。そこで剣闘士となった彼は、復讐心を胸に、力のみがものを言うコロセウムで待ち受ける戦いへと挑んでいく……。製作費は約2億5000万ドル。全世界興行収入(2025年1月時点)は約4億5883万ドル。2024年度ゴールデン・グローブの助演男優賞にデンゼル・ワシントンがノミネート。第37回東京国際映画祭においてセンターピース作品としてアジアン・プレミア上映された。

音楽は「シュレック」(2001)「マイ・ボディガード」(2004)「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」(2005)「アンストッパブル」(2010)「イコライザー」(2014)「MEG ザ・モンスター」(2018)「ムーラン」(2020)等のハリー・グレグソン=ウィリアムス(1961〜)で、彼は「オデッセイ」(2015)「最後の決闘裁判」(2021)「ハウス・オブ・グッチ」(2021)等でリドリー・スコット監督と組んでいる。「Gladiator II Overture」は、神秘的なヴォーカルから躍動的でダイナミックな主題へと展開する序曲で、リサ・ジェラードとクラウス・バデルトが作曲した前作の『Sorrow』の主題を含む。「Lucius, Arishat and the Roman Invasion」は、エチオピア出身の歌手エジガイェフ・シババウのヴォーカルをフィーチャーした静かにドラマティックな主題から後半抑制されたサスペンス音楽、コーラスを加えたダイナミックで躍動的なタッチへと展開(作曲:ハリー・グレグソン=ウィリアムス、ジョン・パウエル)。「I'll Wait for You」は、コーラスとエジガイェフ・シババウのヴォーカルをフィーチャーした静かに幻想的でドラマティックなタッチの曲(作曲:ハリー・グレグソン=ウィリアムス、ジョン・パウエル)。「Ostia」は、コーラスを加えたドラマティックな主題から後半ダイナミックなタッチへ。「Angry Baboons」は、男声ヴォーカルとコーラスを加えたパーカッシヴでダイナミックなアクション音楽。「Strength and Honor」は、コーラスを加えたドラマティックでヒロイックな曲。「Acacius Returns」「I See Him in You」は、コーラスを加えた静かにドラマティックな曲。「City of Rome」は、パーカッシヴなイントロから女声ヴォーカルによる静かに幻想的な主題へ。「Defiance」は、男声の叫びからパーカッシヴでダイナミックなアクション音楽へ。「Acacius in the Colosseum」は、パーカッシヴなイントロからコーラスを加えた躍動的でダイナミックなアクション音楽、ダークでドラマティックなサスペンス音楽へ。「Let the Gods Decide」は、躍動的でドラマティックな主題からコーラスを加えた静かにドラマティックなタッチへ。「MacRinus Plan」は、抑制されたサスペンス調から後半躍動的でダイナミックなアクション音楽へ。「I Need You to Do This」は、幻想的な女声ヴォーカルによる主題からコーラスを加えた躍動的でダイナミックなタッチへ。「Smooth Is the Descent」は、幻想的な女声ヴォーカルから静かにドラマティックでジェントルなタッチへ。「Now That I Have Found You」も、静かにドラマティックな曲。「Echoes in Eternity」は、躍動的でダイナミックなタッチの曲。「War, Real War」は、ビジーでパーカッシヴかつダイナミックなアクション音楽。「The Dream Is Lost」は、ハンス・ジマー作曲の前作の『Honor Him』を含む静かにジェントルなタッチの曲。「Now We Are Free」は、ジェントルで大らかなタッチの前作の主題(作曲:ハンス・ジマー、リサ・ジェラード、クラウス・バデルト、演奏:ハンス・ジマー、リサ・ジェラード、指揮:ギャヴィン・グリーナウェイ)。上記の通り、一部ハンス・ジマー、リサ・ジェラード、クラウス・バデルト作曲の前作「グラディエーター」の主題の引用を含んでいる。

オーケストレーションはスティーヴン・バートンとマックス・マグアイア。古代楽器の演奏はエイブラハム・クペイロ。ヴィオラ・ダ・ガンバ(Viol Consort/脚で支えて演奏するヴィオラ)の演奏はフレットワーク。民族木管楽器の演奏はリチャード・ハーヴェイ。エレクトリック・ヴァイオリンの演奏はヒュー・マーシュ。エレクトリック・チェロの演奏はマーティン・ティルマン。ヴォーカルはリサ・ジェラード、アヨ・アデイェミ、リオール・アタール、グレース・デヴィッドソン、アントニオ・ラザーナとジジ・シババウ。コーラスはアポロ・ヴォイシーズとザ・ブラック・クワイア。
(2025年1月)

Harry Gregson-Williams

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