刑事テレビドラマ テーマ曲集 THE COP SHOW THEMES

作曲:ヘンリー・マンシーニ、パトリック・ウィリアムス、ビリー・ゴールデンバーグ、バリー・デ・ヴォーゾン、デイヴ・グルーシン、モーガン・エイムズ、マイク・ポスト、ピート・カーペンター、モートン・スティーヴンス
Composed by HENRY MANCINI, PATRICK WILLIAMS, BILLY GOLDENBERG, BARRY DE VORZON, DAVE GRUSIN, MORGAN AMES, MIKE POST, PETE CARPENTER, MORTON STEVENS

編曲・指揮:ヘンリー・マンシーニ
Arranged and Conducted by HENRY MANCINI

(スペインRCA Records / 74321664972) 1999

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<収録曲>

1.(TV)NBCミステリー・ムービー MYSTERY MOVIE THEME(Henry Mancini)
2.(TV)サンフランシスコ捜査線 THE STREETS OF SAN FRANCISCO(Patrick Williams)
3.(TV)ロス警察25時 THE BLUE KNIGHT - Bumper's Theme(Henry Mancini)
4.(TV)刑事コジャック/(TV)特別狙撃隊S.W.A.T. Medley: KOJAK(Billy Goldenberg) / S.W.A.T.(Barry De Vorzon)
5.(TV)刑事バレッタ BARETTA - Baretta's Theme(Dave Grusin, Morgan Ames)
6.(TV)ロックフォードの事件メモ THE ROCKFORD FILES(Mike Post, Pete Carpenter)
7.(TV)ハワイ5-0 HAWAII FIVE-O(Morton Stevens)
8.(TV)女刑事ペパー POLICE WOMAN(Morton Stevens)



「ティファニーで朝食を」(1961)「ハタリ!」(1962)「酒とバラの日々」(1962)「シャレード」(1963)「ピンクの豹」(1963)「ひまわり」(1970)「料理長殿、ご用心」(1978)「スペースバンパイア」(1985)等で知られるアメリカの作曲家ヘンリー・マンシーニ(1924〜1994)が編曲・指揮を担当した刑事ドラマのテレビシリーズ主題曲を集めたコンピレーション(1976年の録音)。マンシーニ自身、「(TV)ピーター・ガン」(1958〜1960)「(TV)マネー・チェンジャース/銀行王国」(1976)「(TV)探偵レミントン・スティール」(1982〜1987)「(TV)アーサー・ヘイリーのホテル」(1983)等、テレビ映画のスコアを多数手がけており、このアルバムにも、日本では「(TV)刑事コロンボ(Columbo)」のテーマ曲として認知されている「The NBC Mystery Movie Theme」と「(TV)ロス警察25時(The Blue Knight)」の2曲が収録されている。

1.(TV)NBCミステリー・ムービー MYSTERY MOVIE THEME

「NBCミステリー・ムービー」は、アメリカのユニヴァーサル映画が製作し、NBCが1971年9月から1977年5月にかけて放映した90〜120分のテレビドラマ枠。“ホイール・シリーズ”または“アンブレラ・プログラム”と呼ばれる形式で、第1シーズンはピーター・フォーク主演の「(TV)刑事コロンボ(Columbo)」デニス・ウィーヴァー主演の「(TV)警部マクロード(McCloud)」ロック・ハドソンスーザン・セント・ジェームズが夫婦を演じた「(TV)署長マクミラン(McMillan and Wife)」の3シリーズをローテーションで放映(日本ではいずれもNHKで放映された)。後のシーズンではトニー・カーティス主演の「マッコイと野郎ども(McCoy)」ジャック・クラグマン主演の「Dr.刑事クインシー(Quincy, M.E.)」等が放映されている。この枠の共通のオープニング・テーマ曲が、ヘンリー・マンシーニ作曲の「Mystery Movie Theme」で、日本では上述の通り「(TV)刑事コロンボ」のテーマ曲としてお馴染み。いかにもマンシーニらしいキャッチーで高揚感のある主題が素晴らしい。オルガン・ソロは、ラテン・ジャズの演奏家としてグラミー賞に11回ノミネートされ1981年にアルバム「2+2」で同賞を受賞しているダグラス・クレア・フィッシャー。トランペット・ソロは「ベスト・キッド」(1984)等のスコアでも演奏しているグラハム・ヤング

日本でも絶大な人気のある「(TV)刑事コロンボ」は、ミステリ作家コンビのリチャード・レヴィンソン(1934〜1987)とウィリアム・リンク(1933〜2020)が創造した倒叙ミステリ形式の傑作シリーズで、1968〜1978年に45本が放映され、その後新シリーズが1989〜2003年に24本放映された。ロス・アンジェルス市警殺人課のコロンボ警部補はピーター・フォークにとっての当たり役で、日本での放映時に声を吹替えた小池朝雄(1931〜1985)もはまり役となり、「ブリンクス」「名探偵登場」「名探偵再登場」等でもフォークの声を吹替えている(新シリーズ放映時には小池が他界していたため石田太郎が吹替えた)。監督は若き日のスティーヴン・スピルバーグや、ハーヴェイ・ハート、リチャード・クワイン、レオ・ペン、ボリス・セイガル、ロバート・バトラー、テッド・ポスト、サム・ワナメイカー、リチャード・アーヴィング、ジャック・スマイト、ジャノット・シュワーク、ジョナサン・デミ他が各エピソードを担当。脚本はレヴィンソン=リンクのコンビの他にジャクソン・ギリス、ピーター・S・フィッシャー、スティーヴン・ボチコ、ディーン・ハーグローヴ、ウィリアム・ドリスキル他が執筆。犯人役では毎回著名なゲストスターが出演したが、パトリック・マクグーハン、ロバート・カルプ、ジャック・キャシディ、ジョージ・ハミルトン、ロバート・ヴォーン、ウィリアム・シャトナーのように複数回登場した俳優もいる。劇中のアンダースコアはパトリック・ウィリアムス、ビリー・ゴールデンバーグ、ギル・メレ、ジョン・カカヴァス、ディック・デ・ベネティクティス等が各エピソードを担当しているが、マンシーニがスコアを作曲したエピソードはない。

2.(TV)サンフランシスコ捜査線 THE STREETS OF SAN FRANCISCO

1972〜1977年製作のアメリカのテレビシリーズ(日本では未放映でビデオ発売済)。監督はリチャード・ドナー、ジョン・バダム、ウォルター・グローマン、ロバート・デイ、ドン・メドフォード、バーナード・L・コワルスキー、クリスチャン・ナイビー、ジェリー・ジェームソン、バリー・シアー、ニコラス・コラサント他が各エピソードを担当。出演はカール・マルデン、マイケル・ダグラス、ルーベン・コリンズ、リチャード・ハッチ、リー・ハリス他。ゲスト出演はレスリー・ニールセン、ステファニー・パワーズ、ジェシカ・ウォルター、マーク・ハミル、ロバート・ワグナー、エドモンド・オブライエン、デヴィッド・ソウル、ジョー・ドン・ベイカー、ヴィック・モロー、マーティン・シーン、パメラ・フランクリン、アイダ・ルピノ、ヴェラ・マイルズ、リチャード・ベイスハート、ドン・ジョンソン、ネッド・ビーティ、アーノルド・シュワルツェネッガー、ニック・ノルティ、ジェームズ・ウッズ、ジョセフ・コットン、トム・セレック、スコット・グレン他。製作総指揮はクイン・マーティン。サンフランシスコ市警のベテラン警部補マイク・ストーン(マルデン)と大学出の新人刑事スティーヴ・ケラー(ダグラス)のコンビによる殺人事件の捜査を描くシリーズ。

ダイナミックでいかにもポリス・アクション的なテーマ曲は、「名探偵再登場」(1978)「ヤング・ゼネレーション」(1979)「新・明日に向って撃て!」(1979)「さらばキューバ」(1979)「ユーズド・カー」(1980)等のパトリック・ウィリアムス(1939〜2018)が作曲。エレクトリック・ピアノの演奏は、「ミスター・グッドバーを探して」(1977)「アイズ」(1978)「ジャグラー/ニューヨーク25時」(1980)「シークレット・レンズ」(1982)等のスコアの作曲も手がけているピアニストのアーティ・ケイン

3.(TV)ロス警察25時 THE BLUE KNIGHT - Bumper's Theme

1975〜1976年製作のアメリカのテレビシリーズ。監督はロバート・バトラー、J・リー・トンプソン、ラルフ・セネンスキー、ダニエル・ハラー、ゴードン・ヘスラー、レオ・ペン、ハーヴェイ・S・レイドマン他が各エピソードを担当。出演はジョージ・ケネディ、ジョン・ステッドマン、バーバラ・ローデス、リー・ウィーヴァー、ルーシー・サロヤン、ロバート・ヘイズ他。ゲスト出演はジョン・アイアランド、ジョアンナ・ムーア、エドワード・ジェームズ・オルモス、ジェフ・ゴールドブラム他。「センチュリアン」(1972)「クワイヤボーイズ」(1977)等の警官小説で知られるジョセフ・ウォンボー(1937〜)他が脚本を執筆。ロス・アンジェルス市警察で昇進を断り続け、現場の制服警官を永年務めるバンパー・モーガン(ケネディ)の活躍を描くドラマ。

ヘンリー・マンシーニ作曲の「バンバーのテーマ」は、グラハム・ヤングの演奏による大らかなトランペットとフリューゲルホルンをフィーチャーしたジェントルなタッチの曲。エレクトリック・ピアノはアーティ・ケイン、アルト・サックスはバーナード・ハーマン作曲の「タクシードライバー」やデヴィッド・シャイア作曲の「さらば愛しき女よ」でも演奏しているロニー・ラング

4.(TV)刑事コジャック/(TV)特別狙撃隊S.W.A.T. Medley: KOJAK / S.W.A.T.

「(TV)刑事コジャック」は、1973〜1978年製作のアメリカのテレビシリーズ。監督はチャールズ・S・ダビン、ジャノット・シュワーク、レオ・ペン、ダニエル・ハラー、リチャード・ドナー、ロバート・デイ他が各エピソードを担当。出演はテリー・サヴァラス、ダン・フレイザー、ケヴィン・ドブソン、ジョージ・サヴァラス、マーク・ラッセル、ヴィンス・コンティ他。ゲスト出演はヘクター・エリゾンド、F・マーレイ・エイブラハム、アンドリュー・ロビンソン、モード・アダムス、ウィリアム・ハート、ハーヴェイ・カイテル、レスリー・ニールセン、シルヴェスター・スタローン、クリストファー・ウォーケン、リチャード・ギア他。脚本をミステリ作家のウィリアム・P・マッギヴァーンジョー・ゴアズが担当したエピソードもある。もともとベテランの映画スターとしても有名だったテリー・サヴァラスがニューヨーク市警察のテオ・コジャック刑事を5シーズン/117話に渡って演じ、彼の知名度が一般にまで広がったシリーズ。日本での放映時にサヴァラスを吹替えた森山周一郎(1934〜2021)もはまり役だった。

「(TV)四次元への招待」(1969)「(TV)激突!」(1971)「ボギー!俺も男だ」(1972)「シーラ号の謎」(1973)「破壊!」(1974)「ドミノ・ターゲット」(1977)「(TV)新80日間世界一周」(1989)等のビリー・ゴールデンバーグ(1936〜2020)が作曲したテーマ曲は、ダイナミックでシンプルにかっこいい。劇中のアンダースコアは大半(114話)をジョン・カカヴァスが作曲している(サヴァラスとカカヴァスは同じギリシャ系で親交が深かった)。

「特別狙撃隊S.W.A.T.」は、1975〜1976製作のアメリカのテレビシリーズ。監督はジョージ・マッコーワン、ハリー・フォーク、ブルース・ビルソン、バーナード・マッケヴィーティ他が各エピソードを担当。出演はスティーヴ・フォレスト、ロッド・ペリー、ロバート・ユーリック、マーク・シェラ、ジェームズ・コールマン他。ゲスト出演はクリストファー・ジョージ、サル・ミネオ、ステュアート・ホイットマン、ジェフリー・ルイス、トム・スケリット、ファラ・フォーセット、ジョン・ヴァーノン他。ダン・ハレルソン警部補(フォレスト)率いる特殊部隊S.W.A.T.(Special Weapons And Tactics)の活躍を描くシリーズで、後に「S.W.A.T.」(2003/監督:クラーク・ジョンソン、出演:サミュエル・L・ジャクソン、コリン・ファレル、ミシェル・ロドリゲス)として映画化されている他、「(TV)S.W.A.T.」(2017〜/主演:シェマー・ムーア)として再テレビシリーズ化されている。

これまたかっこいいテーマ曲は、「デリンジャー」(1973)「ストリートファイター」(1975)「ローリング・サンダー」(1977)「ウォリアーズ」(1979)「ザナドゥ」(1980)等のバリー・デ・ヴォーゾン(1934〜)の作曲で、彼は劇中のアンダースコアも担当している。

この「(TV)刑事コジャック」と「(TV)特別狙撃隊S.W.A.T.」はメドレーで演奏されるが、トランペット・ソロはグラハム・ヤング、ギター・ソロは竹内まりや、カシオペアといった日本人アーティストとも共演し、2005年5月に歌手の杏里と婚約を発表した(後に破局)こともあるリー・マック・リトナー

5.(TV)刑事バレッタ BARETTA - Baretta's Theme

1975〜1978年製作のアメリカのテレビシリーズ。監督はドン・メドフォード、バーナード・L・コワルスキー、ロバート・ダグラス、ジャノット・シュワーク、カーティス・ハリントン、テッド・ポスト他が各エピソードを担当。出演はロバート・ブレイク、トム・イーウェル、マイケル・D・ロバーツ、エドワード・グローヴァー、ダナ・エルカー他。ゲスト出演はメグ・フォスター、マーゴット・キダー、ジョーン・コリンズ、サマンサ・エッガー、キム・ダービー、バート・ヤング、チャールズ・ダーニング、ゲイリー・ビューシイ、スコット・グレン、ストローザー・マーティン他。ニューヨーク市警で覆面捜査を担当する刑事トニー・バレッタ(ブレイク)の活躍を描くドラマ。主演のロバート・ブレイクは2001年に妻ボニー・ベイクリー殺害容疑で逮捕されたが、後の裁判で無罪になっている。

テーマ曲「Keep Your Eye on the Sparrow」の作曲は、「コンドル」(1975)「レーサー」(1969)「天国から来たチャンピオン」(1978)「黄昏」(1981)「ミラグロ/奇跡の地」(1988)「ザ・ファーム/法律事務所」(1993)等のデイヴ・グルーシン(1934〜)とモーガン・エイムズ。エレクトリック・ベースの演奏はスティーヴィー・ワンダー、バーブラ・ストライサンド、エルトン・ジョン、レイ・チャールズ、マドンナ、ポール・サイモン、マイケル・ジャクソン等のレコーディングに参加しているメキシコ出身のエイブラハム・ラボリエル。フルート・ソロはデヴィッド・シャイア作曲の「カンバセーション…盗聴…」でテナー・サックスを演奏しているドン・メンザ。トランペット・ソロはクインシー・ジョーンズ、フランク・シナトラ、アース・ウィンド・アンド・ファイアー、ライ・クーダー等のレコーディングに参加しているオスカー・ブラッシアー

6.(TV)ロックフォードの事件メモ THE ROCKFORD FILES

1974〜1980製作のアメリカのテレビシリーズ。監督はウィリアム・ウィアード、ローレンス・ドヘニー、アイヴァン・ディクソン、ジェリー・ロンドン、ジャッキー・クーパー、ジェームズ・ガーナー、ジェームズ・コバーン他が各エピソードを担当。出演はジェームズ・ガーナー、ノア・ビアリー・Jr、ジョー・サントス、ルイス・デルガード、ステュアート・マーゴリン、グレッチェン・コーベット他。ゲスト出演はローレン・バコール、スーザン・ストラスバーグ、コンスタンス・タワーズ、リタ・モレノ、リンゼイ・ワグナー、ジル・クレイバーグ、リンダ・エヴァンス、ステファニー・パワーズ、ディオンヌ・ワーウィック、ボー・ホプキンス、ネッド・ビーティ、アイザック・ヘイズ、ラリー・ハグマン、エド・ハリス、ジェームズ・ウッズ他。無実の罪で刑務所に服役し、出所後にその体験を生かして私立探偵となったジム・ロックフォード(ガーナー)の活躍を描くドラマ。

明るく軽快なタッチのテーマ曲は、「(TV)私立探偵マグナム」(1980〜1988)「(TV)アメリカン・ヒーロー」(1981〜1983)「(TV)特攻野郎Aチーム」(1983)「(TV)刑事ハンター」(1984〜1991)「(TV)LAW & ORDER ロー&オーダー」(1990〜2010)等のマイク・ポスト(1944〜)とピート・カーペンター(1914〜1987)が作曲。ハープシコードはアーティ・ケイン、テナー・サックスはドン・メンザの演奏。

7.(TV)ハワイ5-0 HAWAII FIVE-O

1968〜1980年製作のアメリカのテレビシリーズ。監督はマイケル・オハーリヒー、チャールズ・S・ダビン、ポール・スタンリー、アレン・ライズナー、ジャック・ロード、フィリップ・リーコック、マーヴィン・J・チョムスキー他が各エピソードを担当。出演はジャック・ロード、ジェームズ・マッカーサー、カム・フォン、ハーマン・ウェデメイヤー、ハリー・エンドー、リチャード・デニング、ズールー、アル・ハーリントン他。ゲスト出演はケヴィン・マッカーシー、リカルド・モンタルバン、マーティン・シーン、メル・ファーラー、ハーバート・ロム、ヴェラ・マイルズ、ヴィック・モロー、ジョージ・チャキリス、ドナルド・プレザンス、ウィリアム・シャトナー、ジョージ・タケイ、ダナ・ウィンター、カート・ラッセル、ジーン・シモンズ、田宮二郎、ウィリアム・ディヴェイン、ロバート・ヴォーン、ジョージ・レイゼンビー他。企画・原案・製作はレナード・フリーマン。朝鮮戦争にも参加した元海兵隊員スティーヴ・マクギャレット(ロード)率いるハワイ州公安省の特別捜査班「ハワイ5-0」の活躍を描くドラマで、全12シーズン/284話が放映された長寿シリーズ。2010年からアレックス・オローリン主演のリメイク版「(TV)HAWAII FIVE-0」が放映されている。

軽快でキャッチーなテーマ曲は、「(未公開)死刑は俺の手で」(1978)「(TV)炎の砦マサダ」(1981)「(TV)バラクーダ」(1987)等のモートン・スティーヴンス(1929〜1991)が作曲。トロンボーン・ソロは「ティファニーで朝食を」「ハタリ!」「酒とバラの日々」「シャレード」といったヘンリー・マンシーニのスコアやラロ・シフリン作曲の「(TV)スパイ大作戦」「戦略大作戦」「燃えよドラゴン」等でも演奏しているディック・ナッシュ。この曲はザ・ベンチャーズがカバーしており、1969年にビルボード・シングル・チャートの4位にランクインした。
劇中のアンダースコアはモートン・スティーヴンス、ジョン・カカヴァス、ブルース・ブロートン、フレッド・スタイナー、アーネスト・ゴールド他が作曲しており、スティーヴンスはこのシリーズのスコアで1970年と1974年にエミー賞を受賞している。

8.(TV)女刑事ペパー POLICE WOMAN

1974〜1978年製作のアメリカのテレビシリーズ。監督はアルヴィン・ガンザー、ジョン・ニューランド、バリー・シアー、デヴィッド・モーシンガー、コーリー・アレン、ハーシェル・ドーハティ、ロバート・ヴォーン、マイケル・マン他が各エピソードを担当。出演はアンジー・ディキンソン、アール・ホリマン、エド・バーナード、チャールズ・ディアコップ、ジョン・クロフォード、ドン・バリー、C・リンゼイ・ワークマン他。ゲスト出演はロバート・ヴォーン、ジョーン・コリンズ、マーク・ハーモン、ラリー・ハグマン、ウィリアム・シャトナー、パトリック・ウェイン、アイダ・ルピノ、ロディ・マクドウォール、ブルース・デイヴィソン、シェリル・ラッド、デブラ・ウィンガー、アネット・オトゥール、イアン・マクシェーン、ブライアン・デネヒー他。ロス・アンジェルス市警察特捜班の秘密捜査官スザンヌ・“ペパー”・アンダーソン(ディキンソン)が、娼婦、看護師、教師、客室乗務員、囚人、ダンサー、ウェイトレス等に変装して潜入捜査を行なうシリーズ。主人公のペパー・アンダーソンは実在のニューヨーク市警の刑事スーザン・コリンズがモデルになっている。このドラマの放映後、全米で女性による警察官への求職が飛躍的に増加したという。

ストイックでドラマティックなタッチのテーマ曲は、モートン・スティーヴンスが作曲。ベースのソロはエイブラハム・ラボリエルの演奏。劇中のアンダースコアは、モートン・スティーヴンス、リチャード・ショアズ、ジェラルド・フリード、ジェフ・アレクサンダー、ジェリー・フィールディング、ブルース・ブロートン他が作曲。

(2021年4月)

Henry Mancini

Patrick Williams

Billy Goldenberg

Dave Grusin

Morton Stevens

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